2014年3月30日日曜日

君にともだちはいらない/瀧本哲史


変化の激しいビジネス環境において必要なのは「ともだち?」それとも・・・


久しぶりすぎるブログのエントリー。それも本についての感想を記載するのはいつ以来でしょうか・・・。覚えていないくらい久しぶりです。

読んだ本を実践で使える知にまで落とし込むことを考えると、やはり「読む」だけでは駄目だなと強く感じています。本について語り合うでもなんでもいいですが、アタマの外に出力しないと記憶に残りませんね。記憶に残って、意識された状態をつくれないと、行動にも反映されません。だから、やっぱりエントリーとして書いておこー。それが久しぶりにブログを書いている理由です。

・・・

さて、この本、ジャンルとしてはビジネス啓発書です。そして、タイトルがすこし挑発的というか釣りのようなキャッチになっています。ですが、英語で書かれたサブタイトルをみると、意図がよく分かります。

「君にともだちはいらない 〜 The Best Team Approach to Change the World 〜」

そう。変化の激しいビジネス環境において、世界を自らが変えていくためのチームアプローチの重要性について語っているんですね。

そりゃそうだ。仕事する際に大事なのは、おともだちなどではなく、目的達成に必要なタレントをもった仲間でありチームであります。著者は世界を変える、変化のなかで生き残るための「武器としてのチーム」を創り出しなさいと言ってるわけです。


となれば、本書の内容は自ずと、なんでチームが必要なの?チームはどーやってつくるの?にフォーカスされてくるというのは予想がつきますね。

[本書の目次]
第1章 秘密結社をつくれ
第2章 本当の「よいチーム」とはなにか
第3章 ビジョンをぶち上げろ、ストーリーを語れ
第4章 よき仲間との出会いのために
第5章 チームアプローチはあなたと世界をどう変えるか


はい。本書の展開は予想通りです。
ただね、読ませる文章であり事例が豊富。もちろん色々な分析も。

本の表紙に黒澤明監督の「七人の侍」を持ってくるところなんか、センスが光ります。文章にもキレがあり、ぐいぐい読ませます。


以下は僕が特になるほど〜と思ったり、心に響いたところです。


・大きな世の中のパラダイム・シフトというのは、「世代交代が引き起こす」ということである。古いパラダイムを信じている前の世代を説得して意見を変えさせるのは、不可能であるし、それに労力を注ぐのは時間の無駄だということだ。

・だからこそ、新しいことを始めようとしている人、そして若い人たちに必要なのが、「チーム」をつくることなのだ。新しい価値観も、新しいパラダイムも、ひとりだけの力では世の中に広めていくことは難しい。自分とビジョンを共有し、その実現に向けて行動する仲間を見つけ出して、初めてスタートラインに立つことができる。

・やりたい仕事、属したい組織がなければ自分でつくるしかない

・組織のメンバー全員が「次の日も、その次の日も、いっしょにいることを疑わない状態」に陥った組織は、人員の新陳代謝がなくなり、新しい何かを生み出す活力が失われ、やがて滅びていくことが避けられないのである。

・友だちが自分を規定する。
 ※太っている人の友だちは、太っていることが多い。

・教養とは「自分と違う世界に生きている人と会話ができる」こと

・見晴らしがよい場所に行け。見晴らしがよい、というのはその会社が扱っている商品やサービスを通じて、業界全体を取り巻く状況を含めて、広く理解することができるという意味だ。

・ブートキャンプで自分を鍛えろ

・継続的なイノベーションをおこし続けるためには、異なるバックグラウンドのメンバーを同じ組織に所属させておく必要があるのだ。

・成功というのは、その人のまわりの人の成功によってきまる

・チームアプローチのキモは、ヒーローが活躍する「神話」のスキームにある

・むしろ人は「でかすぎるビジョン」を掲げる、「穴だらけの人物」に注目する。

・最初に「でかすぎる重を描いてみる」ことで、その実現に向けて努力していくうちに、回り道をしているようでありながらじょじょにビジョンが現実のものとなっていくのである。

・最初に掲げるビジョンは大きければ大きいほどよい。と同時に、それは多くの人が共感できる普遍的なものでなければならない。

・ビジネスの世界でも、会社をゼロから起こすと言う人は、世間の多くの人が従事するルーティンの仕事が勤まらない、軽率でそそっかしいタイプであることが多い。しかしそのような「おっちょこちょい」な人間が一人もいない社会では、新しいサービスや画期的な新製品、これまでになかった産業が生み出されることも、けっしてないのである。

・不確実な状況の中では、自分でいかに必要な仕事を見つけるかが大切となる。

・卓越したチームでは、「凡庸な人」が居心地の悪さを感じるぐらいの厳しさが必要だ。チームに貢献する(バリューを出す)ことへのプレッシャーがないところでは、「非凡な人」は退屈し、「凡庸な人」だけが残ることになる。「楽しさ」を求める人だけでチームをつくると、全員が「お客さん」モードになってしまい、当事者意識が失われてしまうのだ。

・自分はどういう使命を帯びているのか、どんなビジョンを描いているのか、それを他人に上手に伝えることが重要になる。そのために行うのが「自分のラベリング」である。「私はこういう人間で、こんなことを企てています」ということが一目で伝わるように自分にラベルを貼るのである。

・ストーリーを人に話す時に大切なのは、その話に「ロマンとソロバン」があるかどうだかだ。

・ロマンを実現するには、それと同じぐらいソロバン(お金、時間、労力のコスト計算)をきちんと考える必要がある。

・自分のラベリングやストーリーを語ることの目的は、チームの仲間候補に「なぜあなたと仕事をしたいのか」を理解してもらうことにある。相手に取って「なぜ自分が必要とされるのか」はキャリアを選択するうえできわめて重要な判断材料となるからだ。

・そのようなチームが取り組むプロジェクトは、リソースがぎりぎりであるがゆえに「一人の失敗は、全員の失敗」となる。だがその緊張感こそがミッションの成功には不可欠なのである。

・夢を語り合うだけの「友だち」はいらない。貴方に今必要なのは、ともに試練を乗り越え、一つの目的に向かって突き進んでいく「仲間」だ。SNSで絡んだり、「いいね!」するだけの「友だち」はいらない。必要なのは、同じ目標の下で、苦楽をともにする「戦友」だ。友だちも仲間も他人から「配られる」モノでh無く、自分自身の生き方を追求することで、自然にできあがっていくのだ。


ちなみに、瀧本さんご本人のインタビュー記事がDHBRのWebサイトに掲載されています。記事タイトルを見ると、本書の趣旨がそのまんま書いてあります(笑)。

■イノベーションを興すのに友だちはいらないんです。
http://www.dhbr.net/articles/-/2300