2013年1月27日日曜日

美女と野獣:前楽に行ってきました





日付が変わってしまいましたが、1月26日(土)に大井町にある劇団四季の「夏」劇場にてミュージカル『美女と野獣』を観てきました。ここでの上演は明日をもって千秋楽となります(次は北海道で公演だそうです)。残念ながら千秋楽の座席は抽選で外れてしまったので、前楽である今日、感謝の意を混めて観劇してきたという次第です。


『美女と野獣』を初めて観たのは2011年の2月か3月くらい(正確な時期は?)。それから約2年が経ちますがはかれこれ15回以上は観劇したでしょうか?僕の観劇キャリアの中でも、『美女と野獣』の観劇回数は『キャッツ』に続いて多いものとなります。
※『キャッツ』は2年で60回以上観たけど(爆)

そのくらい、この作品には思い入れというか愛着があります。それが終ってしまうと思うと結構寂しいものがありますね・・・。

さて、何度も観ているこの作品ですが、今日観てまた色んなことを教わりました。今日の舞台は過去に観た『美女と野獣』のトップ1、2を争うくらい完成された舞台でした。特に佐野さん演じるビーストと坂本さん演じるベル、早見さん演じるMrs.ポッドが僕には神がかった演技に見えました。もちろんこの3人だけではなく、モリースもガストンもコッグスワースもルミエールもみんな良かったですよ。でも先の3人はハンパ無く出来が良かった!

佐野さん・・・。この人のビーストは台詞以外に細かい仕草が一つ一つがビーストの心情を語りますね〜。いや〜上手い!ほんと〜に上手い!!歌も抜群にうまいのですが、それ以上に演技者として桁違いにレベルが高い!!おまけにメチャクチャ素顔がかっこいい。四捨五入すれば50歳になろうという年だというのに、なにあのカッコヨさ・・・。演技も歌もうまくて顔もイケメンで細身の長身ときていますから、もう言うこと無しですね。

言うこと無しですが、やっぱり今日の演技は神がかっていた・・・。
佐野さんの演技力を持ってして、今日、初めてビーストの歌の意味を肌で感じました。



どこまで続く、罪の償い、たった一度の間違い。
魔女は去って、再び来ず、どうしたらいい私は?
誰か、教えて欲しいのだ、私はどう生きる?



ビースト最初の慟哭ですが、歌のみならず、ここの仕草が上手かった〜。ビーストの絶望を歌っているわけですが、その仕草がビースト自身のジレンマを上手く表現していました。一生懸命悩んでいるけど、何をすればいいか全く理解できていない感じ。甘やかされて育ったボンボンが、ボンボンなりに悩むけど解決の方向性が全く見えなく絶望に苛まれている様な感じが本当に上手かったです。

そして、次が一幕最後の締めとなる”愛せぬならば”のシーンですね。



哀れな奴め、この醜さで、あの人に思い寄せる。
恥にまみれて、もだえ苦しむ。
みよ、行く手には闇が待つ・・・。
もはや、望み消え、夢破れて、だが追うは幻・・・。
もはや、時は去り、悲しみに心は凍り付く・・・。
愛無しには生きてはゆけぬ、もゆる想いあの人に捧ぐ・・・。
あの人無しに生きてはゆけぬ、この想いがもし届かぬのなら、命さえもいらぬ。
こうした定めに、いつかは出会う。もう取り返しはつかぬぞ。
あの人求め、愛を求めて、命求め想いを寄せる。
彼女の愛が我が呪いを解き放つことが出来ぬならば、救いなどもういらぬぞ。
滅ぼせよこの身を。



ここも本当に凄い演技でした。最初は自己憐憫を表す仕草で歌い、後半にかけて次第に自己に対する憤り、そして最後は自暴自棄のような感情をちょっとした目の使い方や表情、仕草を交えつつ完璧に演じていました。観ていて引き込まれ、そして全身鳥肌たちました。結局、この時点でのビーストってベルを愛しているわけじゃないんだよね。綺麗な女性だなー、この人と愛し愛される関係がつくれりゃ忌々しい魔法がとけて漸く人間にもどれるんのになー、くらいの腹づもりなんだよね。自分勝手に彼女の自由と父親を奪ってしまったことに対する引け目を感じてもいるわけですし。でも、僕の事情もわかってよ〜というヘタレな自己中的な気持ちも捨てきれない・・・。

ビーストがベルへの想いを深めていくのは”何かが変わってから”。
狼からベルを救い、傷の手当をしてもらい、図書館でお互いの共通点を見つけ理解を深め合っていく一連の状況を通して、ビーストは思考の軸足を自分から大事な人へと少しずつ少しずつ動かしていく、もしくは動かされていく・・・。

そして、今日、ハッ!とさせられたのが、このタイミングで”人間に戻りたい”がルミエールやコッグスワース、Mrs.ポッドたちによって歌われる・・・。

この構図が凄まじく上手い演出だと思いました。
そして佐野さんの仕草がもの凄く大事ことをビーストが学んでいることを表現していました。

ここって単純に絵柄だけみると二人が上手くいきそうなので、魔法が解けて人間にもどれるかも〜!人間に戻りたいし、もどったらこんなことできるのになぁ〜!みたいな呑気な感じなんですけど、佐野さんのちょっとした仕草がそれ以上のことをここのシーンにはあるんだよということを教えてくれたような気がしました。

「恋する」という出来事を通して、わがままで自己チュー、そして望むことは何でもやってもらってきたボンボンな王子が、自己の挫折を総括し人間として他者(ベル)との関係性の構築と、その関係性において行為の交換によって他者からの承認が得られるんだということに少しずつ気付いていく。望めば何でも手に入った王子が一方的に望んでも手に入らないものがあるということをベルを通して教えてもらう。まー人の気持ちとか心なんだけどね。

そして、それが人間なんだ、と。関係性の中で生きているのが人間だ、と。そういうのを徐々に理解しているかの様な仕草を佐野さんがしていたわけです。そこで”人間に戻りたい”が歌われるから、佐野さんの仕草が発するメッセージが増幅される効果がわるわけですね。ここは本当に演出、歌、演技が全てかみ合っていて本当鳥肌たちました。そして泣けたね(笑)。

そして、ビーストとベルは夕食を共にし、素敵な時間を共有しながらお互いの想いを深めて行くであります・・・。そして、その先の出来事・・・。
愛するが故のビーストの行動ですね。ここの佐野さんも神でした(涙)。


もはや望み、遠くに去り、呪いを解く愛の言葉・・・。
聴くことはない、ただ過ぎた、時の流れただ待つのみか・・・。
死がいつかは、この呪いを、消し去る日々を・・・。



一幕最後の”愛せぬならば”をリプライズするシーンですが、ここの表情や仕草にはもう1幕最後にあった様な自己憐憫や自暴自棄の要素は全くありませんでしたね。ただひたすら、愛したベルのことを思うが故の苦しさに打ちのめされている感じです。初めて心から愛した人を、愛故に失ってしまった。失ってみて、その愛の大きさに気付き、さらに打ちのめされる・・・。いや〜、佐野さんのここの歌と演技はマジで神でしたよ。僕は両目と鼻からウォーターフォールって感じになり、よめさんからハンカチを借りてなんとかその場を凌ぎました。


でまた、佐野さん演じる一つ一つのシーンに呼応するかのように愛情溢れた小さい仕草と素敵な表情をつくる坂本さん演じるベルが堪らんわけです。今日の坂本さん演じるベルは、個人的には僕の理想とする女性像のひとつの完成系ですね。死ぬほど可愛かった!芯が通っていて綺麗で知性がある。謙虚で前向き、おまけに勇気があって可愛いときた・・・。嫁にもこういう女性になって欲しいもんです。

二人をバックアップする美女と野獣のテーマソングを歌う早見さん・・・。キャッツのグリザベラでみせた天使の声、健在でした!!聖なる絶対領域に連れて行ってくれる早見さんの歌がきけて今日は本当に良かったです。

とまぁ、暖房のない自分の部屋で寒さに凍えながらかじかみまくった手で書いているので、何を言いたいんだか分からなくなってきました(爆)。
要は美女と野獣サイコーってことです。

観てない方は機会があったら是非みてみてくださいね!




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