2012年10月13日土曜日

タウ・ゼロ(TAU ZERO)/ポール・アンダーソン

~ 地球との繋がりも何もかも絶えた500億光年の彼方で人は何を思う ~



『タウ・ゼロ』・・・
壮大でした・・・ひたすら壮大な物語でした・・・。



ここ2日、連続でSF小説を読み感想をエントリーしてきました。
そして、今夜もSF小説についてのエントリーです。
作品のタイトルは『タウ・ゼロ』です。

タウとは何か?そしてそれがゼロであるとはどういうことか?
タウとはτと書き、光学的な深さ、光学における透明さを表す
指標を意味するようです。本文中には計算における因子としてしか
紹介されないので、Wikipediaで調べました(爆)。

そして、それがゼロになるとはどういうことかと言うと、
簡単に行ってしまえば、あるモノの速度(ここでは宇宙船)が
光の速度と等しくなることを意味します。

タイトル解題。『タウ・ゼロ』、τ=0、
つまり光の速度で移動する宇宙船ということですね。


タイトルの説明はさておき、この作品・・・。
これまでの2作と比べるとまさしく徹底的にSFという感じがしました。
この本は一般的にハードSFの金字塔と言われているようですが、
この作品がハードSFである所以・・・これはさすがの僕にも理解できました。
だって、激しく突き抜けた作品なんだもん。
もうね、かなり逝っちゃってるよ(笑)。

どこまで逝ったかって?最初にも書いたけど、地球を出発して500億光年!
銀河系抜けて、次の系にまで逝くぜ・・・
これがハードじゃなくてなんなのさ?って想像力がスパークしています。
徹底的に果てしなく突き抜けている作品に初めてお目にかかれました(笑)。


話のあらすじはこんな感じ。
核戦争が起きた後の地球が舞台になっていて、
スウェーデンがリーダー国となって文明の再興が計られています。
馬鹿な大国はドンパチやり過ぎて地球をメタクソにしちゃうので、
スウェーデンがリーダーとして文明の再興に勤しんだり、第二の地球を求めて
他の恒星系の探索に出向いているような世界なの。

そんな時、32光年(※)彼方の乙女座ベータ星第三惑星に人類が住めるかもしれない
星が見つかります。それをキッカケに、そこへの調査隊50名が選ばれます。
選ばれたのは、もちろん超一級品の脳みそを持った男女25人ずつの計50名です。
この50名が恒星船であるレオノーラ・クリスティーネ号に乗り込んで、
バビュ〜ンと宇宙に飛び出していくわけさ。

目的地までは32光年あるんだけど、タイトルのタウ・ゼロのスピードで
進んでいくと一般相対性理論が働くので、観察する側は
32光年掛かるように見えても乗組員は大体5年くらいしか時間を
感じないんだけどね。だから、往復10年掛かった場合、
地球では64年の歳月が流れたことになり、
文明はかなり変わっている可能性があるわけね。
知り合いも大半は死んでるでしょう・・・。

それゆえ、地球を出発する際、50名それぞれがセンチな気分になったり、
新しい惑星で生活することを想定にパートナー探しを初めて
くっついたり離れたりと、まぁ、想像に難くない事象が起きるんだけど、
概ね平和な日々が続きます。
しかし、問題は地球を出発してから3年目に起きました。

宇宙船が誕生ホヤホヤの小惑星と衝突してしまうのです。
そして、その結果、ブレーキがぶっ壊れてしまうからさぁ大変。

この宇宙船。宇宙を飛び交う人間には極めて危険な放射線や何やらを
動力源として船内に取り込んでエネルギーにしてしまう
メカニズムが採用されているため、エンジンを止めたらそく人間は死んじゃう。
だから、止まることを許されない宇宙船になってしまうわけ。

そして宇宙はつづくよどこまでも、よろしくひたすら進む進み
どこまでも逝ってしまう・・・おそらく霊界も越えたね、こりゃ。

おそらく太陽系も滅びたであろう年数が経つくらい逝っちゃう。

そんななかで50名の船員たちは何を思いどういった行動を起こすのか?
そして、この宇宙船と乗組員達はどうなってしまうのか?

そこを読むのがこの作品の醍醐味かと思います。
本当ね、普通の想像力って何?と思うくらいブッ飛んでいて壮観ですよ。
SFって想像力をここまで拡張できるのか!とえらく感心しました。

でももっと感心したのが、この作者、
宇宙以上に人間心理がよーく分かっている!
僕が一番感心したのはそこだったりします。

とまぁ、概要紹介はこの辺で、あとは皆さんが実際に読んで感じてください。
それではよい宇宙の旅を!!



(※)
光の速度で32年後に到達できる距離。因に光は1秒で地球を
7週半できる速度を持っていることは小学校でならいましたよね。




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