2012年5月6日日曜日

GW観劇 その4:美女と野獣(再び・・・)



ゴールデン・観劇・ウィークの鑑賞作品第4弾は再び『美女と野獣』です。
前回、4月29日は久しぶりに福井さんが演じるビーストを拝見し、
改めて『美女と野獣』の素晴らしさを教えて頂きました。

そんな中、僕が福井さんファンなのを知っている嫁さんが、わざわざ、
S席3列目のチケットを入手してくれることに・・・。
「あなた福井さん好きなんでしょ?いつまでビースト演じてくれるか
分からないから、観れる時に行っておいでよ!」と、
素晴らしい配慮をしてくれたお陰で福井ビーストを再び観ることが出来ました。
※今回、お一人様『美女と野獣』となった関係上、嫁さんは昨日、
お一人様『キャッツ』をみにいってるんですけど(笑)。


よく友人にからかわれます・・・
同じ演目を、そう何度も続けて観て飽きないのか?と。

そういった発言には、続けて観たいと思わない作品は2度目はすぐには観ないよ!
というのが僕の回答なんですけどね。
そういう意味で『美女と野獣』は繰り返し観るに耐える
物語の奥深さを持っている作品だと僕は思っている次第です。


奥の深い作品というのは、はっきり言って毎回観る度に、
印象や感想が変わっていきます。観る側の感情やコンディション、
そして座る席の場所によって、作品を鑑賞するときの感想というのは
大きく影響を受けるものなんですね。
そして、印象や感想は自分だけでなく、演じる側のキャストの皆さんの
組み合わせによっても色々と変わってきます。仮に同じキャストでも
観客の反応によって舞台上で演じる俳優さん達の
勢いも変わってくるような気がします。



さて、今日の『美女と野獣』ですが、個人的には前回以上に
新しい発見に溢れた舞台となりました。


まず、キャスト。主要なキャストは前回とほとんど
変更がなかったのではないかと思います。
ビーストは福井さん、ベルは鳥原さん、Mrs.ポッドは織笠さん、
ルミエールは百々さん、コッグスワースは青羽さん、
モリースは種井さん、ガストンは田島さん、ルフウは遊佐さん・・・。
前回と全然変わりありませんね(笑)。


ですが、個人的な印象として、今日の舞台は前回の舞台以上に感動的でした。
これは座席の影響が大きいのかもしれません。
前回は2FのC席でしたが、今回は前から3列目のS席ですからね・・・。


3列目で観れたお陰か、俳優さん達の細かな仕草、舞台照明の絶妙な加減、
舞台セットの入れ替えの絶妙なタイミングなど、
C席ではあまり分からないようなことがよ〜く見え、感じることが出来ました。


特に俳優さん達の細かな演技がオペラグラス無しで観れると、
舞台に対する感情移入も変わってくるようです・・・。
今回の舞台はいつも以上に引き込まれました!


特にベルを演じる鳥原ゆきみさん。これは席のせいか分かりませんが、
前回観た時以上に可愛らしくなっている!!!なんで!?僕の気のせい!?
と思うくらい可愛かった。


もちろん4月29日に観たときも非常に上手で可愛らしかったんですけど、
今日は極めつけの可愛らしさを発揮していた気がします。
なんなんだろうなー?この印象の変わりっぷりは・・・。

もしかすると、僕の中で鳥原さんのイメージが偏見なく「ベル」として
観れるようにインプットされたのが原因かもしれません。
なぜなら、前回はそれまで鳥原さんがコーラスラインで演じていた
小柳ルミ子ばりの”ボインとプリン”のイメージが
かすかに頭に残っていましたからね(笑)。
今回は、そのイメージが完全に払拭された状態で演技を観れたので、
よけいに可愛く感じられたのかもしれない・・・。


でもね、やっぱり今日の出来が凄まじく良かったんだと僕は思いたいです。
そして、凄まじく良かったのは、ベルを演じた鳥原さんだけではありません。
福井さんを始めとする他の俳優さん達も凄く良かった。
そして、凄く良かったがために色々と新しいことを教えられました。

前置きが長くなりましたが、今日は俳優さん達の素晴らしさを織り交ぜつつ、
そのことを書いておこうと思います。


まず、『美女と野獣』という物語の構成について。
美女であるベルと、魔法にかけられ野獣と化した王子が主役な訳ですが、
この2人の運命が物語論として絶妙に絡み合い、
その上でハッピーエンドになっているということ。

神話学者のジョゼフ・キャンベルは『千の顔をもつ英雄』において
神話のカタチを大きくは以下の3つだと書いています。

1.セパレーション(別離、別れ)
2.イニシエーション(儀式、旅立ち)
3.リターン(帰還)


野獣の足跡を追っていくと・・・、

◆セパレーション
魔法にかけられ日常を追われ、野獣として呪われし国の
住人となることを運命づけられる。

◆イニシエーション
ベルと出会い、夕食の儀式を境にベルを心から愛するようになる。
そして、愛故にベルを旅立たせる。

◆リターン
ベルの愛により、野獣の生を終え、王としてこの世界に復活を果たす。



一方のベルは・・・、

◆セパレーション
愛する父の身代わりとなるため、日常生活に終わりを告げ、
囚われの身となる。

◆イニシエーション
野獣に命を救われたことをキッカケに、野獣との関係が変化していく。
そして、夕食の儀式を境に野獣への愛が芽生えるが、
野獣により父の元へと旅立たせられる。

◆リターン
ガストンの魔の手が野獣に迫るのを伝えるべく、
野獣のもとへ帰還を果たす。


どうでしょう?
野獣とベル、それぞれにセパレーション、イニシエーション、リターンがあり、
二人の運命が交差するところに物語が、愛が、王の帰還が生まれていますよね。

これはほんと見事な構成だなと思ってしまいます。


そして、次に音楽。
これも効果的で本当上手いな〜と唸っちゃいます。

まずベルのテーマ。これは「我が家」ですよね。
この「我が家」がどこで歌われるかと言うと、セパレーションの部分です。
セパレーションで歌われる「我が家」は、セパレーションにふさわしく、
パパとの別離にうちひしがれながらも、いつか我が家に帰ることを夢見て
自分を何とか奮い立たそうという意志に溢れた歌詞ですよね。


それから、これと同じメロディーラインで、ベルのリターンにおいて
「夢叶う」が歌われます。ベルの大きな心情的マイルストーンでは
このテーマが流れる。それも「夢叶う」の時は、ベルのリターンと
ベルと野獣とのセパレーション(死別)という2重の意味になっている。



一方、野獣のセパレーションにおいては、まず「絶望」が歌われ、
その次に「愛せぬならば」が続きます。


それから、リターンで王として甦った野獣がベルと歌う「夢叶う」の後半、
”二人の願い、二人の命、二人の心に溢れるのは〜”という部分が
「愛せぬならば」と同じメロディーライン、テンポはもちろん違いますけど。


特に野獣の場合は、「愛せぬならば」のメロディーラインが、
イニシエーションとしてのベルを送り出した後のシーンでも
「愛せぬならば(リプライズ)」として効果的に使われます。
これも上手いね〜〜〜!!!
もともとセパレーションフェーズで使われていた「愛せぬならば」を、
イニシエーションフェーズでも使うことにより、イニシエーションフェーズにおける
野獣の2度目のセパレーション的気分を上手く表現していて素晴らしい!!


ちなみに、ベルと野獣の共通のイニシエーションテーマソングは、
それこそ「美女と野獣」ですよね。二人の関係が変化する、夕食の儀式で使われる
テーマソング・・・舞台の最後にハッピーエンドの
エンディングソングとしても使われる。これは上手い、上手すぎるよ!!


ということで、物語の構成とそれを引き立てるメロディーの使い方、
改めてこの2つは凄いなーと思わされました。

その他、3つ目として、物語の中の愛の描き方が素晴らしいと思いました。
僕が見つけたこの物語における愛のカタチは以下の4つです。

(1)ベルと野獣における男女の愛
(2)モリース(ベルの父)とベル、
Mrs.ポッドとチップ(ポッドの息子)における親子の愛
(3)ルミエールとコッグスワースにおける友との愛
(4)ガストンにおける自己愛

愛のカタチとして、基本的なものは網羅されていますよね。
足りないものとしては、兄弟愛くらいでしょうが
この作品に兄弟は出てきませんからね(笑)。


そして、最後に4つ目。
これはなんと言っても、舞台を成り立たせている役者さんの演技です。

上記に挙げた愛のカタチそれぞれで、俳優さん達が非常に素晴らしい
演技を見せてくださいました。

まずは、福井さんと鳥原さんのコンビ!!
座席の関係もあるかもしれませんが、福井さんの演技も前回観たときよりも
一つ一つの仕草、表情が凄く良かったと思いました。
個人的には福井さん演じる野獣の喜怒哀楽の表現がとても好きなんですね、僕。
荒々しい野獣の仕草もあれば、甘えん坊の王子、凛々しい王としての仕草・・・。

福井さん堪らんよ・・・。
今日は、ベルを見送る「さぁ、行って!」の台詞で大泣きした(爆)。

鳥原さんも、一つ一つの仕草がウルトラ可愛らしい!!
パパと一緒に歌う「二人で」の時の、変わり者と言われて
自分に自信をなくしている表情とか。「我が家」を歌うときの、
これからくるであろう運命を必死に引き受けようと自分を奮い立たせようとする
不安と決意の微妙なニュアンスとか。野獣と夕食を食べる際、階段の下で待つ
微妙な恋心のニュアンスとか・・・あれもこれも挙げれば切りがない!!
でも一番素敵だったのは、ハニカム野獣の顔にそっと手をやり、
自分に視線を向けさせるときの顔!!
あの顔は、きっと世界中の男という男を虜にせずにはいないはずだ!!
犯罪級の可愛らしさ・・・
この顔を見るためだけに、世の男性は劇団四季「夏」劇場に足を運ぶべきだ。


それから、ベルのパパを演じた種井さん。
この人の声量は凄まじいですね!!キャッツのオールドデュトロノミーのときも
素晴らしかったが、個人的にはモリース(パパ)役の方が好きだなー。
はまり役です!!正直、ベルと歌う「二人で」のシーンで
種井さんがモリースを演じると絶対泣いてしまう。
種井さんが醸し出す、父としての包容力とベルへの大きな愛・・・。
これがあの声量で歌われるのだから泣かずにいられるか!!


そして、僕の大好きなMrs.ポッドを演じる織笠さん。
僕は、織笠さんがMrs.ポッドを演じると「ミセスポッドの助言」の歌と、
舞台最後にチップが人間に戻ってママの胸に飛び込んでくる時のシーンで
涙ボロボロになってしまう。織笠さんの歌はどこに秘密があるんだろうね?

”このお城は〜、素敵なとこ〜、あなたに喜び与えます、”

までは我慢できるんだけど、その後の・・・

”、きっと〜。いつか〜、夢も〜、叶う〜”で絶対涙が出る(爆)。

一体自分にどんなコトが起きているのだろうか?
よく分からないので、僕は織笠マジックと呼ぶしかない。


もちろん、百々さんと青羽さんの掛け合いも最高っす!
僕は青羽さんが百々さんに言う「怖いんだよぉ〜」という台詞が凄く好き!

ガストン演じる田島さんも、いつもかっちょええーよ。
あの人無しにはベルと野獣が引き立たないよ〜。
僕が田島さん演じるガストンを観て、舞台版の『美女と野獣』が
ディズニー映画の原作を凌駕したと思ったくらい!!



ほんと俳優さん達、素晴らしい演技をありがとうございます。
美女と野獣、最高っす。




















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