2012年11月12日月曜日

CATS横浜千秋楽


〜 ありがとうキャッツ、そしてさようなら 〜


僕の人生を振り返っても、ここまで引き込まれ、魅了され、考えさせられ、
楽しませてもらった作品はキャッツ以外ありません。

2010年のクリスマス(12/24)に嫁さんに連れられ初めて観劇してから約2年・・・。
あっという間でした。ほんと感慨深いものがあります。
僕個人でも2年間で50回以上観劇し、いくら投資したかわからないくらい(笑)。
(観劇の殆どが嫁さん同伴なので、二人で100回以上は観たね)

結構飽きっぽい僕が、なぜこれだけハマったのでしょうか?
せっかくの機会なので振り返っておこうと思います。


◆キャッツの衝撃
キャッツの衝撃とテーマを掲げてみましたが、実はキャッツを初めて観たときは
そんなに感動しませんでした。もちろん詰まらないとは思いませんでしたが、
「あれ?いつ物語がはじまるんだろ?」と思っていたら終ってた、みたいな
ちょっとあっけにとられた印象の強い作品だったんですね。
そんななかでもマジシャン猫のミストフェリーズ(以下、ミストと略)の
ミッション「デュトロノミーを探せ!」だけは楽しかったんですけど(笑)。
嫁さんは僕より一足早くキャッツを観ており、既にハマっていたので、
僕が面白くも詰まらなくもないという感想を聴いて、胸を痛めていたようです。

僕がキャッツに衝撃を受けたのは、忘れもしない、2011年3月11日の
東北大震災のあと4月のはじめに観たときです。以前も書きました
震災では実家の両親が被災し、なかなか連絡が取れなかったり、
僕は僕なりに会社から5時間かけて歩いて帰宅したりと、こころがざわついた
状態がしばらく続いていたわけです。
そんな僕を見ていた嫁さんが4月に入ってから「CATSに行こう!」と
提案してくれました。僕も、ミストのマジックを観るのは悪くないなと
思っていましたので嫁さんについていくことに・・・。

そこで観たキャッツが本当に本当に僕にとっては衝撃的だったんですね・・・。
1幕最初の「ジェリクル・ソング」から電撃が走り、2幕目のガスのシーンで
ポロポロ・・・。そして、ミストのシーンで涙が止まらなかった。
そしてグリザベラが天上に昇る場面では嗚咽しましたからね(苦笑)。

僕はキャッツの舞台に、生命の誕生、躍動、そして死と再生を直観したのです。
この衝撃は大きかった。ほーんと大きかった。歌、踊り、台詞、演技、
照明、その他諸々が大きな感動だけでなく大きな問いを
自分に与えてくれたように感じたわけです。
一言で言えば「なんなんだこの作品は!?」といった驚きですね。

特にいくつかの役と役者さんには大きな衝撃を受けたのを覚えています。

まず、マンカストラップ(以下、マンカスと略)とそれを演じる武藤寛さん。
この方の演技と歌と存在感、そして安定感は強烈でした。
Mr. ”正義”とでもいえるかのような武藤さんのマンカス・・・
一発で魅了されました。それくらいかっこ良かったのです。
※その武藤さんもちょっと前に四季を退団されてしまい哀しい限りです(涙)。

それから、アスパラガス(以下、ガスと略)とそれを演じる飯田洋輔さん。
この方のガスの台詞は刺さりました。メチャクチャ刺さりました。
そして、今日も飯田さんがガスを演じてくれた。
そしてやっぱり刺さったし泣けました。声と演技が突き抜けているのです。

そして、ボンバルリーナ(以下、ボンと略)とそれを演じる西村麗子さん。
この方のボンは凄い。ほんと凄い!あまりに凄くて、僕はいつも心では
ボンバル麗子様と敬称でお呼びしているくらい(笑)。
何がそれほど凄いのか?
・まずもって、スタイルが抜群!手足長いしボンのメイクもちょー似合う!
 →ボンは成熟した雌猫的立ち位置だけど、まさにそれを体現している
・しなやかな動きとダイナミックなダンス(静と動をどちらもっている)
 →一つ一つの動作にムダが無くてひたすら美しいんだわ
・立ち振る舞いにボンバル麗子様なりの哲学を感じられること
 →絶対美を追求する孤高の猫的な雰囲気を醸し出している。まさにジェリクル!
※今は遠いナイルの岸辺に旅立たれており、千秋楽では会えませんでした(泣)。

最後はミストを演じた松島勇気さん。この人のミストはなぜか泣けた。
とくに、延々とクルクルくるくる回ってフィニッシュをするところ・・・。
なんというかな、震災後のざわついた気持ちを全て吹っ切ってくれるかのような
印象を与えてくれたんだよね。持てる力を振り絞って今を生きる!という
力強さとしなやかさに溢れたミストを松島さんが演じてくれたお陰で、
ほんと心が軽くなった。1ターンにつき涙が一粒こぼれたよ、ほんと。
今日の千秋楽は松島ミスト・・・
あのときを思い出して今日は泣きそうになりました。

その他の役、役者さんもほんと素晴らしい演技をされていて、
あっという間にキャッツの魔法に掛かってしまったわけです。
2011年のクリスマスには既に観劇回数が30回を越えてましたから、
ほんと異常なくらい劇場に通っていたんですね・・・。
※毎週土日劇場に行ってたような・・・。

2011年に沢山観劇し、自分なりのキャッツ理解が出来上がってきたので、
2012年は月に1、2回に抑えましたけど、それでもなお、
何度みても飽きない、何度みても発見があり、何度みても考えさせられ、かつ
感動させられる唯一無二のスーパーミュージカル『キャッツ』・・・。
大げさでもなんでもなく、キャッツは僕にとっては一つの奇跡だと思います。



そんな奇跡の舞台も横浜からいなくなっちゃうのかと思うと、
やはり寂しいものがあります・・・。
思い出の沢山詰まったこの劇場も、暫くすると取り壊され、
ビルでも建つのでしょうね・・・。





◆千秋楽のキャッツ
思い出話はこのくらいで、今日のキャッツの感想へ・・・。
千秋楽である今日のキャッツ、昨日に引き続き観てきたわけですけど、
もの凄く素晴らしい僕の歴史にのこる印象深い舞台でした。

まず、キャストですが、今日の主役はこの方々。




僕が観てきた2年間でも、それぞれの役を色々な方が演じてくれました。
キャッツの舞台ははっきり言って主役がいません。ジェリクル全員が主役です。
ですから、キャスト24名全員がベストな演技をしてくれないと
最高の舞台にはなりません。そこがキャッツの面白さでもあり、
難しさでもあると思っています。そして、今日の舞台はどうだったか?
本当、みなさん素晴らしい最高の舞台を作ってくれていました。
一人一人がほんとーに素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれた・・・。

・グリザベラ/早水さん
劇団四季が誇る至宝の歌声は今日も顕在!
ジェリクル舞踏会に一人混じれず、階段の上で溢れる悲しみを押し殺して
ジェリクルに投げかける視線は、それだけで泣けてきました。
僕個人としても最高のグリザベラだと思います。


・ジェリーロラム、グリドルボーン/秋さん
これまで観た秋さんのジェリロ&グリドルのなかでも最高の出来でした!
最後のジェリロが秋さんで、かつあの演技がみれてホントーに良かった。
それほど今日の秋さんは素晴らしかったです。
僕は朴さんや、辞めちゃった金平さんが演じる優しい優しい
ガスに寄り添うジェリロが大好きだったんですね。
でも今日の秋さんが演じたジェリロは、ジェリロのカタチの一つの完成形
だったのではないでしょうか?少なくとも僕にはそう思えました。
24匹の猫それぞれが、ジェリクルとして高貴に気高く孤独に耐える強さを
もっていなければいけない。秋さんの演じるジェリロは、ガスに
優しく寄り添いつつも、ガスの力を信じ、励まし、激励し、奮い立たせる
優しく可愛くちょっぴり頼りがいのあるジェリロ。
そんなジェリロに誘われ、奮い立った爺さん猫のガス・・・。
僕はガスが奮い立って最後の演技を見せようとする姿に泣かずにはいられなかった。
あのガスは秋さんジェリロのサポートあってのものだと思いました。
凄いよ秋さん!ほんと感動しました!


・ジェニエニドッツ/鈴木さん
ジェニエニドッツで鈴木さんを越えるオバさんネコは
当分出てこないのではないか・・・と思うくらい僕にとっては鉄板である
鈴木さんのジェニエニドッツ!今日も可愛くニコニコしながら
ネズミちゃんとゴキちゃんを躾けていました。ほんとパワフルで素敵です。
でもね、ジェニエニドッツ・・・
グリザベラにはもう少し優しくしてあげようね、って無理か(笑)


・ランペルティーザ/山中さん
山中さんのランペもほーんと可愛らしくて素敵です。
僕も嫁もランペのなかでは一番すきかも。
仕草もそうだけど、特に声が可愛らしいのよね。
マンゴージェリーとのペアのシーンではほんとに可愛い泥棒って感じで、
いつも微笑ましくなります。あの微笑ましさが観れなくなると思うと
やっぱり寂しいですね。


・ディミータ/坂田さん
一言で言うと最近のキャッツの舞台では雌猫最強の戦闘力と存在感ではないかと
密かに思っています(笑)。ボンバル麗子様がいれば、
多分二人で最強だとおもうけど、いまはいないので、坂田さんが最強w。
僕個人としてはやっぱりディミータは坂田さんだな〜。
身体は小柄な部類かもしれないけど、動きのキレがハンパ無いです。
笑うとすんげー可愛いんだけど、真剣な顔になるとかなりダンディー!
2幕開始時に、坂田ディミータがタントミールを威嚇するシーンを観て、
僕は「坂田ディミータは、おそらくX-MENウルバリンの嫁だ!」と思ったくらいw。
坂田さんが「シャーッ!」と爪で宙を裂くと、ほんとにアダマンチウムでできた
爪が飛び出たのではないかと思うくらい、カッコいい!
坂田さんは、コーラスラインのソロを観たときから僕の中では別格なのです!


・ボンバルリーナ/相原さん
僕の中ではボンバル麗子様の正当継承者という勝手な位置づけで、
個人的に萌ボンと読んでいる一押しの猫ちゃん。まだ20歳だとか・・・。
171cmの恵まれた身体、手足が長く、動きにキレがあってほんと素晴らしい!
麗子様がいないのは哀しいけど、萌ボンがかなり素晴らしい成長を
見せつづけてくれるので僕としてもとりわけ嬉しいところ。
今日もその若さと勢いでとてもキレのあるボンバルリーナを見せてくれていました。
Naming of CATSのシーンではあろう事か、萌ボンが僕をロックインしてくれて
猫の名前について色々と語ってくれた。はっきり言って、僕は舞い上がってしまい
彼女が何を言ったのか一つも覚えていません。
萌ボン超綺麗〜と、見とれていただけです(爆)。
デビューした週に観たときは、まだボンのお化粧もものに仕切っていなかったと
思ったけど、今やボンとしての存在感と貫禄すらただよっています。
素晴らしい女優さんへ進化してくれました。
そんな素晴らしい萌ボン・・・ボンバル麗子様を越えるには何が必要だろう?
更なる飛躍へ向けて・・・。
1.萌ボンならではのボンバル哲学の表現
2.ランパスキャットの肩の上で行うY字バランスの完成度向上
この2つだろうか?
2は練習すればすぐ出来るのかな?1はどうだろう?
萌ボンはスピードとキレのあるロックテイストな動きが魅力だと思うのよね。
それをどう哲学まで昇華させ、演技中の普段の佇まいに滲ませていくか・・・。
勝手なことばかり言っているけど、ほんと素敵なボンバルリーナ。
これからもどんどん成長していって欲しい女優さんです。


・シラバブ/五所さん
もう、本当にね、五所さんのシラバブの仕草は愛らしい。
まさに子猫!ジェリクル舞踏会でのシラバブは天使のような可愛らしさでした。
あの純粋無垢の可愛らしさで、グリザの手をとるシーンは今日の山場の一つでした。
本当に素晴らしい演技をありがとうございました。


・タントミール/高倉さん
人ってこんなに美しく動けるものなのか、といつも息をのむほど美しい
立ち振る舞いを見せてくれるのが高倉さんのタントミール!
歩き方、手のあげ方ひとつひとつが絵になる、ちょっと別格のタントミールです。
その美しい立ち振る舞いは今日も変わらなかったです。
雌猫にもマジシャン猫がいるとすれば、それは高倉さんの演じる
タントミールしかあり得ない。高倉さんの動いたあとには
光のシルエットが見えるような気がするもんね。


・ジェミマ/小笠さん
僕が9回目の観劇をした際にある約束をしてくれた思い入れのある女優さんです。
ジェミマは誰がなんと言おうが、僕にとってはオマキさんのジェミマが一番!
今日のジェミマもほんと〜に良かったです。子猫的あどけなさと、
大人の仲間入りをしているかのような力強さの切り替えがオマキさんは
とっても上手なんですよね。踊りも歌声も素敵ですしね。
この方が要所要所で決めてくれるから舞台が活きる!
今日もそんなシーンが多々ありました。


・ヴィクトリア/斉藤さん
斉藤さんが演じるヴィクトリアはいつもニコニコしていて慈愛の聖母みたいです。
僕の中ではヒロモトさんのヴィクトリアと人気を二分しています。
今日見せてくれた1幕最初の月光浴シーン、舞台中央で観たせいか
ほんとうに綺麗で優雅でした。斉藤さんのヴィクトリアも動作のあとに
光のシルエットが見える気がしています。


・カッサンドラ/蒼井さん
カッサを演じた女優さんは色々いらっしゃいましたが、僕の中では暫く前から
蒼井カッサが鉄板になっています。歌うまい、可愛い、ダンスは上手って
もう言うこと無いでしょって感じなんですよね。
今日のタンブルとカッサとの二人のダンス、優雅な様が目に焼き付いています。


続いては男性陣!


・オールドデュトロノミー/山田さん
山田さんのデュトは個人的に最近のNo1デュトです。
一番最初に観たときは、こりゃまたボヨヨンなデュトがでてきたな〜と
軽い衝撃を受けましたが、「ぼんやぁ〜り〜夢を〜」の箇所で
このデュトいい!!と思ったのを思い出します(笑)。
そして、千秋楽のデュトは神々しかった・・・。
デュト様の最後のメッセージ、決して忘れません!


・アスパラガス=グロールタイガー=バストファージョーンズ/飯田さん(兄)
一番最初に観て涙したガス!最後も飯田さんのガスでよかった・・・。
飯田さんはガスで魅せられてからは、美女と野獣のビーストや、
壁抜け男のデュティーユなどの主役をずっと追いかけてきましたが、
大役を終えて帰還されたガスは初めて観たときとは
ひと味もふた味も違っていました。なんと言うんですかね?
貫禄というのか余裕というのか分かりませんが、飯田さんが演じる
ガスにより深みが加わった気がしました。
千秋楽のガスの演技は秋さんジェリロの素晴らしい演技に支えられ
記憶に焼き付くような泣けるガスでした。僕はガスの台詞にいつも
ハッとさせられます。ガスの生き方やメッセージにはいつも
背筋をシャンとしないと!という独特のメッセージがあるのです。
飯田さんのガス、忘れません・・・。



・マンカストラップ/萩原さん
僕の中でMr.マンカストラップと言えば、武藤さんなのですが、
その武藤さんが1年半の鉄人衣笠ばりのでずっぱりスケジュールを終えて
バタッと舞台から姿を消してしまわれた・・・。
誰があの武藤さんのマンカストラップを引き継ぐのだろう?と思っていた時に
出てきたのが、超絶イケメン猫の萩原マンカストラップでした。
顔良し、歌良し、踊りよしの素晴らしいマンカストラップが新しくキャッツの
舞台に登場してくれたことによって、安心して舞台を観ていられます。
昨日、今日とマンカスに握手してもらえましたが、お客様を大事にする姿勢も
武藤さんに負けていないと思いました。
キャッツの舞台には欠かすことの出来ない大事なリーダー、マンカス!
どうぞ広島へ行っても皆を導いてください。


・ラム・タム・タガー/飯田さん(弟)
ガスを演じる飯田さんの実の弟が飯田達郎さんですね。
飯田さん、初めてキャッツデビューしたときはスキンブルシャンクスでしたけど、
これはちょっとヤバかったね。歌はうまいけど、太くて動きが鈍くて(苦笑)。
ありゃりゃ、オペラ座で子爵様を演じてたときはチョーカッコ良かったのに
一体どうしちゃったの?って感じでした。それが、3週目くらいから
タガーにコンバート。そこからの飯田さんは抜群に良くなっていきました!
もともと声はお兄さんに負けないくらい素敵な声で、
かつハンパ無い声量がありました。それが、タガーになって開花しきった
ような印象です。特に飯田タガーは、歌のアレンジがどこか芝さんに似ていて
僕はかなり好きです。ほんと飯田さんはタガーにシフトして正解ですね。
はっちゃけ具合含めて、かなりタガーが似合っています。
最後は猫を代表して挨拶までされていましたから、このまま広島でも
ファンを魅了して欲しいですね!


・ミストフェリーズ/松島さん
Mr.ミストフェリーズと言えば、僕の場合はやっぱり松島さんだな・・・。
理由は最初に書きましたので繰り返しません。
僕は松島さんのミスト、それからボビーチャイルドに魅了され続けています。
松島さんのパフォーマンスからはいつも勇気を頂いていました。
僕は松島さんは加藤敬二さんの継承者的存在だと勝手に思っています(笑)。
どこへ行っても元気で素晴らしい演技を魅せ続けてくれるでしょう。
本当にこれまでありがとうございました。


・マンゴージェリー/斉藤さん
斉藤さんのマンゴーは常に安定感があります。今日も抜群の安定感!
そして斉藤マンゴーはメイクがメチャ上手くて、かなりイケメンマンゴーです。
うちの嫁さんなんか、一度、ネーミングオブキャッツで斉藤マンゴーに
視線をロックインされて、終日夢見心地だったことすらありましたから・・・。


・スキンブルシャンクス/劉さん
スキンブルシャンクスといったらこの人しかいないでしょ〜、
というくらい僕が観たスキンブルは劉さんが演じられていました。
そして劉さんのスキンブルはかなりイケてる!
劉さんのスキンブルは初めて観たときからいいなーと思っていましたが、
劉さん最高!だと思ったのが、キャッツのオフステージイベントがあった時です。
グロールタイガーのシーン解説において、ファッションショーの様な
ワンシーンがあったんですけど、そこでの劉さんスキンブルが
もう言葉にならないほど面白くてお茶目だったんですね。
それ以降、僕の中で劉さんスキンブルは常に定位置です。
千秋楽も劉さんでよかった〜。劉さんスキンブルとともにキャッツご一行は
夜行列車で広島へ旅立つんでしょうか?スキンブルお達者で〜。


・コリコパット/横井さん、カーバケッティ/一色さん
コリコとカーバはキャッツの中でもソロシーンが無いのでなかなか
印象に残らないかもしれません・・・。キャッツを観てしばらくは
そう思っていました。でも違う!コリコとカーバはジェリクルソング、
バストファージョーンズ、ジェリクル舞踏会などほぼ全てのシーンで、
ソロではないながら重要な役回りを演じているんです!
コリコとカーバの良さを感じられるようになって、キャッツ小学校の
年長さんになれます(笑)。目を凝らして、よ〜く観ていると、
コリコとカーバがとても大事な仕草をしていたり、お茶目な仕草をしていたりと
色んなことが分かってきます。そして、千秋楽の横井さん、一色さんは
みごとその重要な役をつとめてらっしゃいました。
カーテンコールで二人の姿を見て、僕は目頭が熱くなりました。
横井さん、一色さん、本当ありがと〜。



・ランパスキャット/永野さん
ミストも演じることが出来る永野さん。永野さんのダンスはほ〜んと
軽いしキレまくっています。僕は彼のダンスが大好きです。
今日はミストを松島さんが演じてらっしゃるので、永野さんがランパス。
そして、永野さんのランパスは一言、美しい!
キャッツの舞台を観て、男性のダンスがここまで美しいと思ったのは
永野さんのランパスキャットだけです。流れるようなキレのあるダンス。
漫画「北斗の拳」に南斗水鳥拳の伝承者レイという男がいます。
技が美しく、観るもの全てを見とれさせるほどの美しい拳をもっている。
実写版の北斗の拳が撮影されたら絶対に永野さんがレイ役だね!
と思うくらい、永野さんのダンスは綺麗です!!
ダンスって見る人の何かを昇華できる可能性があるんだということを
僕は永野さんに教えて頂きました。今日はその永野さんのダンスはもちろんのこと、
ポーズの取り方もピカイチでかっちょいいーということを見せてもらいました。
永野さんのダンスは僕にとっては救済のダンスでもあります。
どうかお怪我などされず、そのダンスで見る人を救い続けてください。
ありがとうございました。


・ギルバート/瀧澤さん
僕の中では文句無しNo1のキャッツ最強のギルバートが瀧澤さんです。
瀧澤さんのギルはメチャカッコいい!!!
グロールタイガーとの一騎打ちのシーンは瀧澤ギルじゃないと僕は満足できん!
そのくらい瀧澤さんのギルバートは素晴らしい!!
この人、身体能力凄すぎじゃね?というくらいアクロバチックな動きを
やすやすと決めてくれるんだよね。観ていていつも唸ります。
そして千秋楽でも唸りました!!
瀧澤マンゴーもいいけど、やっぱりギルだよ、ギル!
瀧澤さん、いつもカッコいいパフォーマンスありがとー!


・マキャヴィティ/川野さん
一際ダイナミックなマキャビティ。それが川野マキャヴィティ!
ジェリクル舞踏会の時のダンスはいつも川野さんしか観てなかったっす。
数人でジャンプすると一人だけおかしなくらい滞空時間ながいんだものw。
あれを観ずに1幕はおわれません。今日も素晴らしく打点の高いジャンプでした。
そしてマキャヴィティのコスチュームを来た川野さんは
「お前は仮面ライダーか?」というくらいムッキムキのマッチョ!
あの筋肉があっての滞空時間なんだろーなーと一人で妄想しています。
僕もああいう超合金ボディが欲しーなー、ということでジムで鍛えます!
川野さん、いつも素晴らしいパフォーマンスと握手をありがとー!
※僕はC席鑑賞が多くて、いつも川野マキャに握手してもらってました。


・タンブルブルータス/光山さん
キャッツでは珍しく常にカッサンドラといちゃいちゃしているタンブルくん。
昨日も千秋楽そっちのけでカッサンドラばかり観ていたね・・・。
そりゃ、なにをおいてもカッサンドラは大事なハニーだからしょうがないか!
でもタンブルくん、いつも舞台を降りて客席にくるときは凛々しくて
カッチョよかったよ。一人のときは紳士なんだねw。でも舞台にもどると
すぐカッサンドラの側で彼女のガーディアンばりに寄り添っていたね。
なんかタンブルくんを観ていると佐野洋子の『100万回生きたねこ』を思い出すよ。
タンブルくん、最後の最後まで愛するカッサの側にいてあげるんだよ。
君だけは客そっちのけでカッサを愛でることを許してあげるから(笑)。
・・・ただの馬鹿だな、ミーは(爆)。



とまぁ、キャスト表にそって一人づつこれまでの鑑賞記憶を
振り返りながら思いつくままに綴ってみました。
思い出すと切りがありませんね・・・涙。
それだけ僕にとってはかけがえの無い、素晴らしい舞台だったんですね・・・。

しばらくは、僕がこの舞台から何を学び取ったのかを振り返りながら、
キャッツの広島公演の成功を祈っていようと思います。

そして、そのあとの仙台公演!
仙台は僕の実家ですので、必ず応援にいこうと思います。

キャッツ関係者の皆さん、ほんと、僕が住む横浜で3年も公演してくれて
ありがとうございました。心からお礼申し上げます!


2012年10月24日水曜日

ガニメデの優しい巨人/ジョン・P・ホーガン

〜 2500万年の時を越えてガニメデの優しい巨人は何を思う・・・ 〜


先輩からの紹介をキッカケに読み始め、いっきにハマったSFシリーズ・・・。
僕のSF読書歴のなかで、文句無しのNo1に輝いたのが
先日エントリーした『星を継ぐもの』でした。
これは面白かった、本当に面白かった。読まないなんて勿体ないくらい・・・。

エントリーにも書きましたが、『星を継ぐもの』は
合計4部作の全5冊なんですね、実は。

そして、何気にこの本の感想をわがチームの親分に報告したら
僕が産まれた頃にハードカバーの初版本で読んでいたとのこと(爆)。
それでもって、「このシリーズは全部面白いが、俺が普段言ってることを
理解しようと思うなら、はやく『内なる宇宙』まで読め!
あれはメチャクチャ面白い!!!」と力説する始末(笑)。

素直に信じる謙虚な僕は、他の本の優先度を下げ、本屋に行って
残りのシリーズをまとめて購入し、早速、第二部を読み終えた次第です。
300頁くらいの内容なので、前作同様2時間少々で速攻読み終えました。


そして今、言いようの無い余韻に浸っている次第です・・・。
ダンチェッカー、ええのぉ〜ってね。

興味をもった方は、前作から読みましょうね。
今作は、前作からの続きになっていますから、本作から入ると
面白みが25%くらいに減っちゃいますよ。


あらすじはこんな感じ。

木星の衛星であるガニメデで前作で発見された2500万年前の宇宙船。
こいつの調査をしていたら突如、未確認宇宙飛行物体が近づいてくる・・・。
現れたのは巨大な宇宙船で、そこから現れたのは人間がガニメニアンと名付けた
宇宙人だったとさ。相対性理論よろしく、ガニメニアンは宇宙を光速で
彷徨って、漸く帰還したら2500万年たってたとさ、という展開。
ここから話は前作で解かれなかった謎の解読に一気に入っていきます。
そして、そのやり取りがまたスピーディーでスリリングで
知的興奮に溢れてるのなんの・・・。
そのやりとりを通して、ある重大な謎が解明され、
ガニメニアンと人類は最終的に・・・。

という感じです。
前作同様、ホーガンの世界観は愛すべき健康的な楽天主義に貫かれており
読んでいて嫌な感じはまーったくしません。
それどころか、数千万年スケールで生命や人類の成り立ちを知ることにより
宇宙、地球、生命、人間の素晴らしさとチッポケさを
骨の髄から噛み締めさせてくれます。
僕はこのシリーズを中学時代に読んでいたら、間違いなく専攻は理系だったでしょう。
そう断言できるくらい、サイエンスの領域に興味を、
そしてロマンを頂かせてくれるホーガンによる圧巻の筆致です。
34歳になった今読んでも、「改めて物理や数学、生物を勉強し直そう!」と
思わせてくれますからね。


「何故か私は、人類が彼らの期待を裏切ることは無いという気がするのだよ、ヴィック。もう最悪の段階は通り越したんだ」



素晴らしいSFって、一つの思想であり一つの哲学であり一つの希望なんだなって痛感しました。そして、サイエンスとテクノロジーという人類が手に入れた武器も強力であることはもちろんのこと、その武器をもとに壮大な夢というなの構想を描き、その実現を我が手で成し遂げると言う意志。これこそが人間を進化させてきたんだろーなーって思うわけです。そして、僕のチームのエンジェル親分が言う「夢を見る力を勉強しろ」とはこういうことなんだろーなー、と秋の夜長に物思いに耽るのでした。
遥か彼方の惑星を思い浮かべながら・・・。




 

2012年10月13日土曜日

タウ・ゼロ(TAU ZERO)/ポール・アンダーソン

~ 地球との繋がりも何もかも絶えた500億光年の彼方で人は何を思う ~



『タウ・ゼロ』・・・
壮大でした・・・ひたすら壮大な物語でした・・・。



ここ2日、連続でSF小説を読み感想をエントリーしてきました。
そして、今夜もSF小説についてのエントリーです。
作品のタイトルは『タウ・ゼロ』です。

タウとは何か?そしてそれがゼロであるとはどういうことか?
タウとはτと書き、光学的な深さ、光学における透明さを表す
指標を意味するようです。本文中には計算における因子としてしか
紹介されないので、Wikipediaで調べました(爆)。

そして、それがゼロになるとはどういうことかと言うと、
簡単に行ってしまえば、あるモノの速度(ここでは宇宙船)が
光の速度と等しくなることを意味します。

タイトル解題。『タウ・ゼロ』、τ=0、
つまり光の速度で移動する宇宙船ということですね。


タイトルの説明はさておき、この作品・・・。
これまでの2作と比べるとまさしく徹底的にSFという感じがしました。
この本は一般的にハードSFの金字塔と言われているようですが、
この作品がハードSFである所以・・・これはさすがの僕にも理解できました。
だって、激しく突き抜けた作品なんだもん。
もうね、かなり逝っちゃってるよ(笑)。

どこまで逝ったかって?最初にも書いたけど、地球を出発して500億光年!
銀河系抜けて、次の系にまで逝くぜ・・・
これがハードじゃなくてなんなのさ?って想像力がスパークしています。
徹底的に果てしなく突き抜けている作品に初めてお目にかかれました(笑)。


話のあらすじはこんな感じ。
核戦争が起きた後の地球が舞台になっていて、
スウェーデンがリーダー国となって文明の再興が計られています。
馬鹿な大国はドンパチやり過ぎて地球をメタクソにしちゃうので、
スウェーデンがリーダーとして文明の再興に勤しんだり、第二の地球を求めて
他の恒星系の探索に出向いているような世界なの。

そんな時、32光年(※)彼方の乙女座ベータ星第三惑星に人類が住めるかもしれない
星が見つかります。それをキッカケに、そこへの調査隊50名が選ばれます。
選ばれたのは、もちろん超一級品の脳みそを持った男女25人ずつの計50名です。
この50名が恒星船であるレオノーラ・クリスティーネ号に乗り込んで、
バビュ〜ンと宇宙に飛び出していくわけさ。

目的地までは32光年あるんだけど、タイトルのタウ・ゼロのスピードで
進んでいくと一般相対性理論が働くので、観察する側は
32光年掛かるように見えても乗組員は大体5年くらいしか時間を
感じないんだけどね。だから、往復10年掛かった場合、
地球では64年の歳月が流れたことになり、
文明はかなり変わっている可能性があるわけね。
知り合いも大半は死んでるでしょう・・・。

それゆえ、地球を出発する際、50名それぞれがセンチな気分になったり、
新しい惑星で生活することを想定にパートナー探しを初めて
くっついたり離れたりと、まぁ、想像に難くない事象が起きるんだけど、
概ね平和な日々が続きます。
しかし、問題は地球を出発してから3年目に起きました。

宇宙船が誕生ホヤホヤの小惑星と衝突してしまうのです。
そして、その結果、ブレーキがぶっ壊れてしまうからさぁ大変。

この宇宙船。宇宙を飛び交う人間には極めて危険な放射線や何やらを
動力源として船内に取り込んでエネルギーにしてしまう
メカニズムが採用されているため、エンジンを止めたらそく人間は死んじゃう。
だから、止まることを許されない宇宙船になってしまうわけ。

そして宇宙はつづくよどこまでも、よろしくひたすら進む進み
どこまでも逝ってしまう・・・おそらく霊界も越えたね、こりゃ。

おそらく太陽系も滅びたであろう年数が経つくらい逝っちゃう。

そんななかで50名の船員たちは何を思いどういった行動を起こすのか?
そして、この宇宙船と乗組員達はどうなってしまうのか?

そこを読むのがこの作品の醍醐味かと思います。
本当ね、普通の想像力って何?と思うくらいブッ飛んでいて壮観ですよ。
SFって想像力をここまで拡張できるのか!とえらく感心しました。

でももっと感心したのが、この作者、
宇宙以上に人間心理がよーく分かっている!
僕が一番感心したのはそこだったりします。

とまぁ、概要紹介はこの辺で、あとは皆さんが実際に読んで感じてください。
それではよい宇宙の旅を!!



(※)
光の速度で32年後に到達できる距離。因に光は1秒で地球を
7週半できる速度を持っていることは小学校でならいましたよね。




2012年10月12日金曜日

星を継ぐもの/ジェイムズ・P・ホーガン

〜 月面で発見されたのは5万年前の人間の死体だった 〜




連日のSF名作特集でございます。
今日読んだのは、先輩にお勧め頂いたSFの古典である
ジェイムズ・P・ホーガンの『星を継ぐもの』です。

昨日のエントリーでご紹介した『幼年期の終わり』・・・
これはこれでかなり最高でしたが、僕個人としては本作品の方が
引き込まれましたし、最後は大いに唸りました。
「そうきたか!!」って感じで(笑)。



この作品、一般的にはハードSFと呼ばれているそうなのですが、
正直、僕には何がハードなのかは皆目検討がつきませんでした。
そのかわり、僕はこの本を読んで、これはもちろんフィクションなんだけど、
SFというジャンルを超えて超一級のサイエンス・ロマン
という称号を与えたい気持ちでいっぱいになりました。

それだけではなく、この作品は超一級のミステリーでもあります。
登場人物である天才物理学者のヴィクター・ハントと、彼を多少ライバル視している
生物学者のクリスチャン・ダンチェッカーのテンポの良いやり取りは
シャーロックホームズのホームズとワトソンのペアさながらです!

僕はドイル作のシャーロックホームズシリーズはほとんど読んでいますが、
あれに負けじと劣らぬサイエンスをベースにした名推理が展開されます。
そしてその論理展開は、かなりぶっ飛んでいるけど物語展開の上手さに
よってかな〜り説得力ある話として訴えかけてくるから、これまた壮快なわけです。

最後の最後で明かされる、タイトルの星を継ぐものという所以については、
読んでいてかなり胸が熱くなりました。


それにしても、この作家・・・どんだけすごい想像力と構想力を持っているのかと
本気でぶったまげます。何せ、本エントリーの最初に書いた一つのファクトから
先端科学の知識を総動員し、アイディアと想像力と構想力で
僕たち人類に欠けていたミッシングリンクを埋めちゃいますからね(笑)。


これが壮快でないわけがない!


月で5万年前の人間の死体が発見された。
たったそれだけのフィクショナル・ファクトを与えられたら
僕たちははてさて一体どんな物語を考えつくでしょうか?

まだ読んでない方は、この問いを頭に入れて、是非、この土日で
チャレンジしてみてください。いい意味であなたの物語は裏切られ
大いなる読後感を得ることが出来るはずです。


僕は正直、この本を読んだ後に少年のように宇宙に興味が出てきました。
見果てぬ宇宙の果てには何があるのか?
地球の成り立ち、宇宙の成り立ち、太陽系、銀河系、惑星に恒星・・・。
地質学や生物学、物理学に化学と、いわゆる理科系とよばれる学問を
真剣に勉強したいと思う気持ちでいっぱいになっています。


そして、あらためて学問の力、人の推論する力、論理する力って
神秘的なほどにスゲーなーと思うようになりました。


ほんと「知る」という行為は何にもまして
僕には快楽なんだなーということを痛感する次第です。




オマケ
読み終わってから知ったのですが、実はこの作品、
全部でシリーズ4本立てになっているようです。
もちろん、『星を継ぐもの』だけでも十分成立する大傑作!
でも、第2、3部も珍しく大傑作らしいですよ。
僕も、このあと引き続きホーガンの作品にチャレンジしたいと思います。


それでは皆さん、よい読書の旅を!




幼年期の終わり/アーサー・C・クラーク

〜 いまこそ、読むべき名作SF 〜


だそうです。そう、帯に書いてあった(笑)。
僕はあまりSFというジャンルの本を読みません。
より正確には小説は大学を卒業してからほとんど読まなくなりました。

そんな僕がSFを読もう!と思って幾つかの作品をまとめ買いした時期があります。
それはレイ・ブラッドベリの『華氏451度』を読んだときです。
いまから4年前の2008年ですね。(その時の感想はこちら


初めてハヤカワSF文庫の作品として『華氏451度』を買って読んだ時に、
何気にSFって科学をベースにした思想、ないしは哲学をフィクショナルに説いた
素晴らしい作品があるんだな〜という新鮮な感動がありました。

だったら、もっとSFよんでみよーということで、5、6冊Amazonで購入したのが
本書『幼年期の終わり』でした。しかし、僕の小説読破意欲はその後に仕事が
忙しくなったことも重なり、急速に衰えることに・・・。

そんなこんなで買ったはいいけど、
ずーっと本棚の奥の奥に眠ることになったのでした(苦笑)。

そんな作品ではありますが、何気に最近読書する時間が
取れるようになったこともあり、またジャンル問わずに色々と読もうという気が
起きてきました。そんななかでふと目に留まったのがこの作品・・・
『2001年宇宙の旅』で有名なアーサー・C・クラークの、
最高傑作との声もある『幼年期の終わり』です。


読んでみた感想・・・超傑作!!の一言。ほんと傑作です。
なに?この展開。なに?この構想力。なに?この寂寥感・・・。

本作の概要を簡単にまとめると以下のとおり。
話は3部構成で出来ています。


第一部
人類が宇宙に進出した、まさにその日に
巨大な宇宙船団が地球の空を覆う。
人類よりはるかに高度な技術と知能を有するエイリアン。
その代表はカレルレンという名だが、決して姿を人前には現さない。
地球側はカレルレンのカウンターパートとして国連事務総長の
ストルムグレンが選ばれ、彼のみがカレルレンとの会話を許される。
エイリアンが地球に来た目的は一切明かされぬまま人類は柔らかな
管理下におかれ平和裡に過ごしていくことになる。
いつか自然に人類はエイリアンのことを
上帝(オーバーロード)と呼ぶようになる。



第二部
50年後、人類が我々を受け容れる準備が整った、ということで
エイリアンが漸く人前に現れる。エイリアンを想像していた人類が
目にしたその姿はまさに○○そのものだった・・・。
最初はショックだった人類も、次第にその姿に慣れ、また平和な生活が続く。
しかし、オーバーロードの真の目的が何なのかに疑問を持った若者が
遂にある方法でオーバーロードの宇宙船に潜り込み、彼らの惑星へ飛び立つ。



第三部
平和すぎて何もやることがなくなった地球では一部の人間が
人間らしい生活をすべく科学者達が周到に準備をし、
ニュー・アテネという人工都市を孤島に作り出す。
そこで生活をしていたある家庭の子供達にちょっとした異変が起きる。
異変が異変を誘発し、遂にオーバーロードが地球に来た真の目的が明かされる。
二部でオーバーロードの星に行ってた男が地球に帰ってくるが、
そこには男が見たこともない人類の状態があった。
そして、オーバーロードは男に幼年期が終わることを告げ、
地球を去っていく・・・。


まぁ、こんな感じです。

僕は正直、第二部を読み終えたタイミングで、
オーバーロードに人類が侵略されて、それに気付いた人類が抗戦し、
勝利を収めて宇宙史における人類の幼年期が終わったってことになるのかな?
と想像していましたが、僕のちっぽけな想像力はことごとく裏切られました。
そしてアーサー・C・クラークの想像力は強くしなやかでした。

特に最後のシーンはもの凄く切なく寂寥感に溢れています・・・。


本書は第二部あたり方、人類に対する哲学的考察の視線が出てきて
かなり考えさせられる物語展開になります。そして最後は叙情詩のような
切ない描写が・・・。勿論これはSFのお話です。
しかし、ほんと我々は今後どういう方向で進化していくのでしょうか?
考えさせられる、ほんと素晴らしい超傑作でした!


読まないと、絶対損するね、こりゃw。



 

2012年10月9日火曜日

Garden Cress/2012年オフシーズン

今年も行ってきました!オフシーズンのGarden Cress(ガーデンクレス)!!

越後湯沢の岩原スキー場ゲレンデ内にあるペンション、ガーデンクレスに
オフシーズンに行くようになったのは今年で2年目でしょうか。
いつもはボードをしに、岩原へ行くんですけどね。

2年前に目を手術してボードが出来なかったため、だったらオフシーズンに
伺ってみよう!ということで始めたオフシーズンツアーも今年で2年目になりました。
オフシーズンということで、越後湯沢近辺の観光を兼ねたプライベートツアー
なんですけど、越後湯沢は奥が深い!まだまだ未見の地が沢山ありました。

さて、本エントリーではその一端をご紹介!


10月6日の朝9時に横浜の自宅を愛車パジェロ・ミニで出発し、
環八を越えて関越自動車道へ・・・。あいにく環八も関越も連休始めのせいか
渋滞してました。高坂SAを抜けた辺りから高速も空いてきて、その後は
一気にバビューンと越後湯沢まで突っ走りました。
自宅から越後湯沢まで、休憩を1回入れて4時間かからないくらいで到着しますので
悪くない距離ですね。先々週は実家の宮城に車で帰りましたが、
休憩込みで9時間近くかかるのでそれに比べりゃあっという間です。

天気はあいにくの曇りではありましたが、朝ご飯を殆どとらず
お腹をすかせて越後湯沢へ。そしてまずはお気に入りの大源太湖へ!

大源太湖は越後湯沢駅から車で20分かからないくらいのところにあります。
そしてここは本当に景色がきれいなのよね。
今回、僕が行ったのは10月6日ということで、まだ紅葉は始まっていませんでしたが、
紅葉シーズンは特に綺麗。紅葉になってはいなくても、ここの緑は本当に綺麗だし、
空気も美味しい!都会の排気ガス臭い空気とは雲泥の差ですね(笑)。

大源太湖についた時間が13時過ぎだったこともあり、まず始めにランチ!
ということで大源太湖の湖畔にあるダヴェルナ・ヴィチーニという
素敵なレストランで昼食をとりました。
釜で焼いた焼きたての美味しいパンを食べさせてくれる
非常に素敵なレストランです。大源太湖に行ったら寄らないと勿体ないよ。





パスタ2品とスープ、それからアッソと呼ばれる焼きたてパンの
スペシャルセットを注文しました。上図はアッソスペシャルの写真です。
かなり美味しかったですけど、写真左にある生ハムが
特に悶絶もんの美味しさでした。パスタも超美味しかった!


食事の後はお散歩ということで、大源太湖を嫁さんと二人でハイキング。
ヴィチーニの手前のお店で売っているソフトクリームを頬張りながら
ニコニコして歩いている嫁さんが印象的でした(笑)。

大源太湖、最近の台風のせいか、折れた木々が湖畔に浮かんでいました。
でも深い緑に包まれて、相変わらず綺麗でした。
写真はこんな感じ。



希望大橋

希望大橋から真下を覗くと魚がいっぱい!
100円でえさを買って撒くと凄まじいことに(爆)

希望大橋から反対側を覗くと四十八滝が見える

希望大橋から四十八滝の反対側を見ると湖面が見える!
ボートに乗ることもできるけど、ミーはボート怖くて乗れません(爆)



大源太湖散策の後は、おまちかねのガーデンクレスへ伺いチェックイン!
15時30分くらいかな?日没までまだ時間があったので、
ガーデンクレスが持っているテニスコートで嫁さんとテニスをしました。
嫁さん、大学時代テニス部だったこともあり、ミーより断然上図!
1時間くらい汗を流したあとは、ガーデンクレスの露天風呂で汗を流し夕食へ。

ガーデンクレスは基本的にコースのディナーを出してくれるんですか、
今回はオーナー夫妻と一緒にBBQをすることに!
かれこれWinterシーズンを含めてガーデンクレスには8年?近く
お世話になっていますがオーナー夫妻と歓談しながら食事をするのは
これが初めてです。6時から夕食でしたが、BBQをしながら色々会話をし、
食事の後はコーヒーを頂きながら歓談は続きます・・・。
気付いてみればあっという間に23時です。楽しい時間というのはあっという間に
過ぎてしまうんですね(笑)。非常に素敵な思い出になりました。
オーナー夫妻、本当にありがとうございます!!


さて2日目。
天気予報はあいにくの雨、でしたが朝は雲の合間にお日様がチラホラ・・・。
ということで、予定していたルートに加え、オーナー夫妻&スタッフの方に
教えて頂いた場所を車で散策することにしました。

最初に行ったのが日本三大渓谷のひとつと言われる清津峡です。
ここは良かった!本当良かった!!素晴らしいの一言です!!!

越後湯沢から車で1時間かからないくらいの場所ですが、
都会じゃ間違いなく目にすることの出来ない絶景ですね。
越後湯沢に来たときは是非、清津峡に行くことをお勧めします。

写真はこんな感じ


トンネルを進んでいくと所々に景色の見える場所が。計4つあるよ。

景色の見えるところから眺めるとこんな感じ。

最終地点ですね。

この絶壁の景観がスゲーんだな。


清津峡を満喫した後は、予定していた八海山へ!
でも午後になると雨が降ってきました、
そして八海山の展望台は雲だらけとのこと(爆)。

でも、折角だからと、テンションの低い嫁さんを励ましロープウェイで
八海山の4合目にある展望台まで!

・・・ロープウェイを降りると、そこは雲国だった・・・。
とまぁ、川端康成よろしく、見渡す限り雪じゃなくて雲だらけ(笑)。
なーんもみえまひぇーん。

でもね、一応、展望台と八海山の神様が
祭られているところに入ってお参りしてきました。

本当は綺麗な景色が見えるんだそうですが、
僕としては八海山は、神の住む霞がかった山ということで全然楽しめました。

展望台からの景色はこんな感じです。どう?絶景でしょ。




八海山の後は、龍谷寺を経由して雲洞庵というところへ。
「雲洞庵の土踏んだか」という言葉があるくらい新潟では有名なところです。
「愛」の男、直江兼続も幼少の時ここで修行したんだとか・・・。

とにかく、期待せずに訪問しましたが、かなーり良かった!
樹齢400年クラスのスギが神木としてまつられる、
いわゆるパワースポットみたいなところでした。

雨のなかを傘をさして見て回りましたが、
ここはかなり趣き深くていい場所だったな〜。

写真はこんな感じ。

「雲洞庵の土踏んだか」・・・この石畳の下1mのところには
1石1文字で法華経の経典が記されものがぎっしり詰まっているんだそうです。
この石畳をあるけば法華経を歩いたことになりご利益があるんだそうです。
だから、「雲洞庵の土踏んだか」ってわけですね。

石畳に入る手前の門。立派な門構えです。




「雲洞庵の土踏んだ」後はガーデンクレスへ。
お風呂を頂いた後はお待ちかねのディナータイム。
今日はフルコースのディナーでした。ここのディナーはほーーーーんと美味い!
なぜにペンションでこんな豪華で美味しいコース料理がでてくるんだろ?
というほど美味しいんです。

そして、今回「も」やられた・・・。
思うに僕たち客の満足というか感動というのはある種のポジティブ・ギャップから
産まれるのではないでしょうか?1000円払って「まぁ、こんなもんだろうな」という
サービスが施されれば別段、客は感動なんてしません。

金額とサービス内容が想定内の時、
客はそのサービスを「当たり前」と思ってしまう。
まぁ、なんというかゲンキンな生き物ですね、客という人間は・・・。

でも、8年近くお世話になっていて、ここのディナーだけは
「こんなもんだよね」と思ったことが1度たりともない。
毎回、いい意味で予想を超えた何かがあり、いい意味で裏切られ続けている。
今回もやられた。ほんとーにいい意味でやられた!
それも1品目のオードブルからね。
事前に、なんとなくこういうものが出るかな〜と想定していたんだけど、
「そうきたか!」、そして「これってこんなに美味しいの!」と
ビックリするアイディアで僕たち夫婦をもてなしてくださる・・・。

まさにプロフェッショナル!!

オーナーさんとスタッフさんの素晴らしい腕により出来上がった
コース料理の最後は、オーナーの奥様でらっしゃるノリコさんの
スイーツが出てきますが、これもやられた・・・。

僕は勝手にノリコさんのことを天才パティシエと思っているんだけど、
今回もやっぱり天才パティシエだと思ったよ。嫁と二人で唸ったもんね。
うーん、ぐうの音もでないくらいに美味しかった!完敗です。
※そもそも何に勝負しているんだという話ではあるんですけど(爆)

一通り、コースを食べ終わった後。
レストランの明かりが落ちて、テーブルのキャンドルの
明かりだけになったところでオーナーとノリコさんと
もうひとりのシェフさんがケーキを持って「おめでとうございます」
といって特製ケーキを持ってきてくれました。

そう、今回は僕と嫁さんの結婚8周年の記念でもあるので、
事前に天才パティシエ・ノリコさんにお願いして特製ケーキを
作ってもらっていたのでした。勿論、嫁さんには内緒。
これには嫁もビックリしたらしく、感極まって涙しておりました。
※フッフッフ、男性諸君、女性はサプライズに弱いものなのだよw。
 彼女、嫁さんにはたまにサプライズを与えたまえ。

後から、3日間の思い出で何が一番印象に残った?と
嫁さんに聞いたら、このサプライズだったそうで、狙いは成功ってね(笑)。

因に、この写真はノリコさん特製ケーキを食べ尽くした後の最後の4分の1ピース。




こうして2日目の夜はお腹いっぱい、感動いっぱいで動けなくなって
20時すぎに終ったのでした・・・。
ほんと食べ過ぎて身動きとれず、ベッドに入ったら自然と寝ちゃってた(爆)。



そして、ほんと楽しい時間はあっという間で・・・。
最終日がやってきました。

この日は、奥只見湖の遊覧船ツアーに挑もう!ということで、
車で越後湯沢から90分ほど走り、奥只見シルバーラインという
約22kmにもわたるトンネルというか洞窟みたいな場所を走って
奥只見湖までいきました。奥只見湖・・・ここはかなりいいところだ。
清津峡にならぶ絶景でしたね。

奥只見湖・・・織田裕二が主演の映画『ホワイトアウト』でも
撮影協力していた日本でも1、2を争うくらいでっかいダムです。
そして、そのダムを囲む山々の綺麗なこと綺麗なこと・・・。

本当、ここは日本ですか?ともうくらい綺麗なところでした。
写真はこんな感じ。

正面のやまは東北一高い山だそうです。

奥只見ダムの堤防?です。堤防から右を向くと
其処にはダムというか、壮大な湖が・・・。

遊覧船で出発〜。




奥只見湖はほんと素晴らしい眺めの場所でした。
越後湯沢方面へ旅行するなら外せないオススメスポットです。

あまりに綺麗で素晴らしい景観だったので、ダムの堤防で・・・。

劇団四季の加藤敬二さんになりきったつもり(爆)

マイケルジャクソンと変な踊り(爆)



とまぁ、羽目を外して踊った為、奥只見の妖怪と化したわけですが、
本当に開放感に溢れたいい場所でしたよ。是非、行ってみてください。

さて、この後は・・・。
越後湯沢に戻り、遅めのランチということで、
TwitterならぬHegitter(爆)をしてきました。

新潟と言えばヘギ蕎麦。ヘギ蕎麦の老舗といえば小嶋屋ですよね。
越後湯沢の駅内に支店が入っており、そこのヘギ蕎麦を頂いてきました。
※本店は十日町にあるそうですが、帰り道から大きく外れるので、支店に・・・。


ヘギ蕎麦と天ぷらです。瑞々しくてこしがあってチョー美味い蕎麦!
蕎麦が好きでない嫁も、ここの蕎麦だけは美味い!といって食べます(笑)



ということで、あっという間に終った連休でした。
本当、ガーデンクレスのオーナー夫妻やスタッフ&シェフの皆さんのお陰で
今年のオフシーズンも素敵なガーデンクレスの旅を満喫することが出来ました。
改めて、こころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

来年のWinterシーズンにまたお会いできることを楽しみにしております。
それまでお元気で!

2012年10月5日金曜日

夢十夜/夏目漱石

「こんな夢を見た。」で始まる十夜の夢・・・。

夏目漱石と言えば、僕らが普段お世話になっている千円札・・・。
昔は表紙からこちらをクワッと眺めていましたっけな。

この作品、夏目漱石の短編の中でもとりわけ引き込まれた不思議な作品です。

夏目漱石は小学校のときから名前だけは聞いていました。
『坊ちゃん』だとか『我が輩は猫である』とか、いわゆる近代日本の国語に
とても大きな影響を与えた文学者であり知識人というのが学校で習った漱石像です。
でも、作品はまともに読んだことがありませんでした。

次に漱石の名前が僕の中で大きくなったのは大学生の頃。
国際政治の授業で、明治時代を生き欧米列強を見て知った漱石という像を
教えられたのがキッカケでした。

千円札のおじさんから、時代に正面からぶつからざるを得ない状況に追い込まれ、
神経衰弱を起こしながらも時代と闘い続けた知識人
というイメージに変わっていきました。

それでも、当時、僕は漱石の作品なんか一つも読んでいなかった。
漱石の日本についてのエッセイの断片を齧ったくらいでした。


そして社会人になって7年目のときかな・・・、
iTunesのオーディオブックで夏目漱石の夢十夜を見つけたのは。

僕の中に漱石が再び現れた。
そして、これはいい機会だと思って即、オーディオブックを購入し
聞いてみて驚いた・・・。

なんて意味深で、かつ美しくメタフォリックな短編をかけるのだろうと。
次の日すぐに本屋に行って、岩波文庫の夢十夜を買いました。

読んでみて本当に唸りました。
漱石の時代背景を十分知っているわけではありませんが、
おそらく時代と真剣に格闘し、希望を持ち、ウチひしがれ、憔悴した男の
叶わぬ夢や、我々の出自に対するしずかな警告、その他諸々漱石の
情念が一夜一夜に美しく表現されていることを感じたからです。

今回、本エントリーを書く為に読み直してみて、
より一層その想いを強くした次第です。

いいキッカケなので、改めて漱石の全体像を掴むべく、
その作品の主だったもとの、彼が生きた時代を
読み直してみようかと思いました。





2012年10月3日水曜日

トヨタ生産方式/大野耐一

この本は、たしか2010年の始めに読んで読書感想を書きました。
ですので、今回のエントリーは2度目のエントリーとなります。

しかし、最初のエントリーはBloggerとは違うブログサービスを利用して書いたため、
本ブログには残っていません。さらには、前に使っていたブログサービスは
使い勝手がいけてないため、頭に来てアカウントごと削除しちゃいました(爆)。
ゆえにインターネットのどこを探しても残っていません。

ですので、気を新たに初読のつもりで本書を読み直し、
感じるところを思うままに綴ってみたいと思います。


まず、本書の著者である大野耐一さんとはだれか?
誰もが知っているトヨタ自動車(当時はトヨタ自動車工業)の元・副社長であり、
世界的にかんばん方式で有名なトヨタ生産方式を作り上げた人物です。


その大野さんが自らトヨタ生産方式を作った背景や
その方式のベースとなる思想を語ったのが本書と言うわけです。


僕がこの本を読んだきっかけは、以前つとめていた会社で行われていた
全社改善活動の担当者に選ばれたことでした。
トヨタTPSの考え方を参考に、自社業務を色々と改善していきましょう
という方針のもとでの活動でしたが、当時の僕はどーにもこーにも
改善という言葉があまり好きではなかったのです。

やれ、ムダ取りだ、整理整頓だ、5Sだ、と改善というと身の回りの
非効率的な作業を改めていくという方法ベースの活動に見え、
どーにもこーにもやる気が出ず、改善活動自体がムダじゃね?
というあり様でした。

しかし、改善活動の担当にも選ばれたことですし、
一度ここで改善活動というコトの本質を考えたいと思うようになりました。
であれば、世界的にも「Kaizen」で通じるトヨタ生産方式の生みの親の
本でも読んでみるか、ということで本書を手に取ったと言うわけです。
※1:因に、Kaizenと英語で言っても通じますが、
英語では「Continuous Improvement」と言うようですね。
一緒に仕事をしたフィリピン人が教えてくれました。

※2:本書はAmazonで購入しましたが、購入した翌月に会社から
プレゼントされました。同じ本2冊持っててもしょうがないので、
片方はBookOffに売っちゃいましたが(苦笑)。


手に取って読んでみて、めちゃくちゃ目から鱗がおちました。
そして、改善という言葉に対する印象が180度かわりました。

今回は、その辺を中心に本書のエッセンスを振り返ってみたいと思います。


まずは、本書の構成から。

◆目次

まえがき
本書に寄せて
第1章 ニーズからの出発
第2章 トヨタ生産方式の展開
第3章 トヨタ生産方式の系譜
第4章 フォード・システムの真意
第5章 低成長時代を生き抜く
付録
あとがき

本書は231ページで構成されています。
2、3時間もあれば読めちゃうボリュームですね。




231ページのなかに色々と感心することが記載されているのですが、
僕なりにエッセンスだと思うところを箇条書きでピックアップしてみます。


・トヨタ生産方式なるものは、戦後の日本の自動車工業が背負った宿命、
すなわち多種少量生産という市場の制約の中から生まれてきた。

・当時、欧米では自動車工業の大量生産方式が確立されており、
まともに勝負したのでは日本の自動車産業が成り立たないという危機感があった。

・敗戦後すぐ、当時の社長である豊田喜一郎が「3年でアメリカに追いつけ。
そうでないと日本の自動車産業は成り立たんぞ」と大野に明確な指示を出している。

・豊田喜一郎は豊田英二に「自動車事業のような総合工業では、自動車の組み立て作業にとって」各部品がジャストインタイムにラインの側に集まるのが一番よい、と言ったが、これがトヨタという企業の啓示となっている。


・アメリカを知り、アメリカに学んだ上で、日本の風土にあった
方法を作り出さないと勝てないことを肝に銘じていた。

・行き着いたのが多種少量生産でかつ原価を安くする方法の開発だった。

・日本の経済風土にあったオリジナルな方法を追求するという発想から、
他社や先進国が簡単に理解できない、さらにはイメージすらしづらい
「かんばん」や「ニンベンのある自働化」を実践し、強調してきた。

・トヨタ生産方式の基本思想はジャストインタイムと自働化を軸とした
徹底したムダの排除にある。

・脱常識を働かせ「後工程が前工程に必要なものを、必要な時に、
必要なだけ引き取りにいく」「前工程は引き取られた分だけ作ればよい」
という発想で生産方式を作った。

・生産工程をつなぐ手段としては、何をどれだけ欲しいのかをはっきりと
表示しておけばよい。そしてそれを「かんばん」と称して工程間を
回すことによって必要な生産量をコントロールするという発想に至った。

・生産効率の追求は原価低減が目的である。かかっただけの原価に
利潤を上乗せして値段を決定する原価主義の考え方は、
最終的なツケを消費者に回すようなもので、これはNG。

・トヨタの具体的な企業目標は豊田喜一郎の「3年でアメリカに追いつけ」である。
そして人間も企業も目標がハッキリしているからこそ行動が活発になる。

・トヨタ生産方式の基本思想および基本骨格は、いずれもはっきりとした
目的とニーズがあって具体化されてきた。今でもトヨタの現場の改善は
ニーズに基づいて行われている。ニーズの無いところで行われる改善は
思いつきや効果のない投資である。

・農耕民族的な発想でいつも手元に在庫を抱えておくというのはやめないといけない。
狩猟民族になって、必要なものを必要な時に必要なだけ調達する
勇気をもたなければならない。勇気と言うよりそれが現代工業社会の常識である。

・ムダの徹底排除には基本的な考えとして、原価低減に結びついて意味ありとする。
そのために、必要なものだけをいかに少ない人間で作り出すかを重要視する。
一人一人の作業者の能率だけでなく、ライン、工場全体として成果が上がるように
ものを見ていく。

・先が完全に読み切れない以上、状況が変わればやり方を変えるのは当然である。
また変化に対応できるよう現場の体質を作り上げていくこと、自分自身の頭を
柔軟に保つことこそがビジネスでは重要なのである。

・チームワークこそ全て

・大切なことは、余力を常日頃からハッキリさせておくことである。
余力があるかどうかが明確でないと、結局、判断を誤って原価を高めてしまう。

・企業経営はきわめて現実的でなければならない。
将来のビジョンを描くことも大切ではあるが、それはあくまでも
地についたものでなければならない。

・人間味のある環境を作ることによって、はじめて「少人化」も本物になる。

・作業の改善といっても、生産現場を熟知せずにはなにごともできない。
生産現場に終日立ち尽くして見よ。そうしたら何をしなければならないかが
自ずとわかる。

・豊田喜一郎は自らの知能をもって白人に大恥辱を雪がねばならぬと言っていた。
白人が公然と日本人に、日本人は現代文明に対して何を貢献してるんだ?と
馬鹿にしていたのがよほど頭に来ていたらしい。

・「標準」とは生産現場の人間が作り上げるべきものである。
けっして上からのお仕着せであってはならない。そうしないと進歩の為の
標準にはなり得ない。

・私は今の情報化時代に生きるには、表面を流れる情報の渦に巻きこまれることなく、とうとうと底を流れる情報の本質に迫ることが大事なのだと思う。



とまぁ、いろいろと僕が刺さったフレーズを
僕なりの言葉に少し編集してピックアップしてみました。


豊田喜一郎の戦争には負けたけど知能戦には負けてなるものか!!!
という執念とでも呼べるような志と「3年で追いつく」というシンプルな目標。
そして、少量多品種をジャストインタイムで!というアイディア。

すべてはこれらの目標を実現するために・・・。
改善の本質ってこんなところにあるんだろーなーと痛く感心した次第です。

さらに、ピックアップした言葉をよくよく噛み締めると、
ここには目標達成の為の「アジャイル」「自己組織化」「チームワーク」
「脱常識の発想」など今のビジネスシーンでもトピックとして
注目されているものがすでに現出していることに驚かされます。

時は1978年3月。僕が産まれる1ヶ月前に、この本は上梓されています。
今は亡き大野さんに、時間を越えた敬意を払いたいと思う。


おまけ
Amazonの書評をみるとこの本を称して「経営について書かれてない」「大野は経営者としてアマチュアだ」とある。アホか?この本はトヨタ生産方式を正しく理解し、運営していって欲しいから書いたと「はじめに」断られている。
僕たちがこの本から学ぶべきは、独特の生産方式を成立させている
想いや思想なのである。あとは各々が自分の職場で自分なりの想いを醸成し、
オリジナルな方法や生産方式を成立させるべきなのだ。



2012年8月17日金曜日

A cat is not a dog/猫は犬に在らず





本日は奥様の誕生日ということで、二人で一緒にCATSを観てきました。
もともと、僕は仕事がどうなるか分からなかったので、お休みの予定を
入れていませんでした。嫁さんは誕生日CATSを予め計画していましたが(笑)。

よって、僕は昨日急遽チケットを手配したため、嫁さんとは違う席に
適当に座って観劇することに・・・。


僕自身、3週連続でのCATS観劇なのですが、
先週からグリザベラを鈴木ほのかさんが演じられています。
そして、この方、凄まじくグリザベラを演じるのが上手い!!!
もちろん歌も上手なんですけど、それ以上にグリザベラとしての表情や
立ち振る舞いが上手いのです。
グリザベラが最後に歌うメモリーから天上への昇天、カーテンコールまで
久しぶりにウルウルしました(笑)。

今日は鈴木さんが演じるグリザベラを通して感じた
CATS理解をしたためておこうかと思ってエントリーをしています。

テーマはエントリーのタイトルに書いた「猫は犬に在らず」です。

多くのジェリクルはなぜグリザベラに頭を垂れ、
自ずとデュトロノミーのところへ彼女を導いて行ったのか?

もともと、CATSの世界は、年に一度のお祭りをジェリクル達が楽しみ、
最後にデュトロノミーが一匹の猫を選び出す、というのが基本シナリオです。

それが、最後に狂うわけですよね?
だって、デュトロノミーは数多の猫達の中から
グリザベラを指名したわけじゃないもん。

ジェリクル達が勝手に、「昇れ、天上へ!光浴びて行くのだ!」と
グリザベラに道を譲っていくわけです。

ここにはCATSを解読する一つのヒントが隠されていると僕は思います。

グリザベラとはなんなのか?ジェリクルとはどのような猫なのか?
そもそも猫ってなんなのか?
という問いを考えるヒントが・・・。

このヒント、CATSで歌われる歌の歌詞から考えてみたいなーと。


まず、ジェリクルキャッツとはどのような猫なのか?というところから。
ジェリクルキャッツとは、人間に飼いならされることを拒否して
逆境に負けずしたたかに生き抜き自らの人生を謳歌する強靭な思想と
無限の可能性と行動力を持つ猫です。

哲学者ニーチェの言葉をもじれば超人ならぬ超猫みたいな存在、
それがジェリクルキャッツですね。

そのような猫を1匹だけ選べるのがオールド・デュトロノミーという
賢者&リーダー的立ち位置の猫です。
そしてこの猫がこんなことを言います。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

幸せの姿、つかの間に消える 
永遠(とわ)の幸せ望むなら、心に深く求めるのだ
そしてついに思い出をたどって甦り
新しいかたちで生まれ変わった命こそ
本当の幸せの姿なのだ
もう永遠に変わらず永遠に消えない


ムーンライト仰ぎ見て月を
思い出を辿り歩いてゆけば
出会えるわ幸せの姿に新しい命に

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

新しいジェリクルの生命を授けられるただ一匹の猫・・・。
その条件らしきものがここでは示されています。
でも、非常にメタフォリックで一意にコレが正解とはいいづらい。

ただ、グリザベラはこのメッセージを他の猫から離れたところで
ひとり寂しそうに聞いている。そしてメッセージを聞き終えた後で、
何かを胸に秘めながら消えていきます。
※2幕最初のワンシーンで、このときグリザベラは
舞台下手の2階にひっそりとたたずんでいるので、
舞台を観てるとグリザベラの動きは全くわかりませんので注意!

そしてラストのシーン。
グリザベラが勇気を振り絞って慟哭のようにメモリーを歌います。
途中、心が折れてしまい、その場にしゃがみ込んでしまうのですが、
今日グリザベラを演じた鈴木ほのかさんはここの仕草が凄まじかった!!!

絶望と悲しみにウチひしがれ、その場に崩れ落ちつつも
前を向き、両手は地べたを這いずり回しながら、
それでも前に進もうとするかのような仕草。

そこに手を差し伸べるかのようなシラバブによる天使の声・・・。
折れた心を立て直し、グリザベラは明日へ向かって歌い切ります。
そして、ひっそりと舞台を去ろうとする・・・。

そう、ここだ!ここのシーンにこそ回答があるはずなのだ!
では、ここにあるものは一体なんなんでしょう?

僕には明確に「ジェリクル」そのものだという直観があります。
特に今日の鈴木さんのグリザベラを観てそう思わずにはいられませんでした。

CATSの世界ではジェリクルが天上に昇ります。
ジェリクル以外は天上に昇れません。
では、24匹の猫のうち、どの猫が一番ジェリクルの精神そのものだったか?

先にも書きましたが、ジェリクル・キャッツとは、

人間に飼いならされることを拒否して
逆境に負けずしたたかに生き抜き自らの人生を謳歌する強靭な思想と
無限の可能性と行動力を持つ猫です。

その精神を地で見せつけてくれたのが、
最後のグリザベラの姿ではないのでしょうか?


周りの猫達も、グリザベラに真のジェリクル魂を観たからこそ、
率先して手をとり、デュトロノミーのもとへ
いざなっていったのではないでしょうか?

だから、天上に昇ったグリザベラを観て

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ジェリクル集いて、喜びたたえよ!
永遠の生命に輝く、光り浴びる今宵・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

と歓喜したのではありませんか?



では、デュトロノミーは最後に観客とジェリクル達に
なにを学ばせたかったのでしょうか?
これももう明確ですねw。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
いかがです皆さん、猫の生き方は
大いなる心持ち、誇り高く強く
生きているでしょう?もうお分かりのはず
とても似ているあなたと
とても似ているあの人と
とても似ている人間と
さぁ、猫にご挨拶を
忘れてはいけない、猫は犬に在らず
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


最後に、グリザベラ・・・。彼女は一体何者だったのでしょうか?
僕にはグリザベラはすべからく猫と人間が持つ受け容れがたい部分、
もっと言ってしまうとキリスト教で言うところの
「原罪」に相当する存在だと思いました。

だから、みな眼を背けるし、受け容れもしない・・・。

しかし、最後にグリザベラの勇気によって、残されたジェリクル達にも
明日への希望が紡がれる・・・夜が訪れ、やがて次の朝がやってくる。
生命の果てしないループが回り続ける・・・。

CATSは僕にとってそんな物語を暗示しているミュージカルに見えます。

みなさんにはどう映るんでしょうか?
よろしければお聞かせ願いませんでしょうか。



2012年8月6日月曜日

アイーダ観劇:5度目の感想





先週に引き続き、観てきました『アイーダ』。これで5回目の観劇です。

ゴールデンウィークに初めて観劇した時は
まったくもっていいと思えなかった舞台ですが、
1ヶ月後に2度目の観劇をしてからはドツボにハマりました。
それ以降は観れば観るほど深みにハマっていく

そして、先に書いた通り今日が5回目の観劇ですね。

思うに好きになった、もしくは気になった舞台というのは
一定期間に3回以上観ないと理解できないんでしょうね。

僕は4回目の観劇から段々と泣き所や感動のポイントが決まってきました。
泣き所や感動のポイントで感動で泣けるか、感動できるかで
おおよそその日の舞台の完成度が分かるようになってきました。

物語にはストーリの展開上、重要なマイルストーンが
幾つかあるものですが、僕の場合、大体3回くらい観劇すると
物語と音楽と演技と証明とが自分の身体に一通り収まり、
観劇のポイントが出来上がってくるみたいです(笑)。
※ほんとは観劇一発で理解できるといいんですけどね(苦笑)。

僕がこの舞台を鑑賞する時のポイントにしていることの一つが、
ラダメス、アムネリス、アイーダの3人のギャップ表現です。

ラダメスは将軍としての顔、息子としての顔、婚約者としての顔、
そして、ひとりの男としての顔ですし、アムネリスは、
王女としての顔、婚約者としての顔、そして(女)王としての顔ですし、
アイーダは奴隷としての顔、娘としての顔、王女としての顔、
そして、ひとりの女としての顔です。

物語進行上、重要な立場を担う3人ですが、この3人が状況状況で
表情、仕草、歌う際の声のトーンを上手〜く切り替えてくれると
もの凄く奥の深いギャップがそれぞれの役に生まれます。
そしてこのギャップですが、単なるギャップではなく、
少しの空白を作っておかなくてはいけません。
ギャップ+空白があると、観ている側はその空白を埋めたくなるので
自ずと感情的にコミットせざるを得なくなるんです・・・。

そもそも、役にも音楽にも空白が残っていないと、
観客が参加する余地がないのです。少なくとも僕はそう思っています。

そして『アイーダ』のような舞台は役者さんの演技にも歌にも癖というか
コブシ系の要素があるとリピート鑑賞できなくなる。
物語がとてもドラマチックなので、下手に俳優さんが癖をだすと
鑑賞に堪えられなくなるわけです。『アイーダ』は演じ方を間違うと
下手なメロドラマみたいになっちゃいかねませんからね・・・。
そういう難易度の高い舞台であることが4回目の観劇の際に
よ〜く分かりました。

そして、過去の鑑賞では一度もそのような失敗はありませんでしたから、
俳優さんが凄まじい稽古を行い、真剣に舞台に望まれていることが分かります。
観れば観るほどそれが分かったので、僕はハマっていったんだと思います。


このハマりようは『CATS』並みかもしれません。
通算観劇回数で言っても、『オペラ座の怪人』に並びつつありますし・・・。


さて、そんな『アイーダ』ですが、
この舞台が僕にとって究極になる事件が先週発生しました(笑)。

ラダメス将軍に福井晶一さんがキャスティングされたのです!

僕は『美女と野獣』で福井さんを観て以来、
その素敵な演技に魅了され続けてきた一人です。

そんな福井さんが演じるラダメスってどんななんでしょう?と
いてもたってもいられなくなり、
先週嫁に頼んでチケットをとってもらった次第。

福井ラダメスを観た感想はどうだったかというと・・・
一言、僕のイメージするラダメスにピッタリでした。
もう、完璧!!!

これまで過去3回は阿久津さんが演じるラダメスを観てきました。
阿久津さんのラダメスもウルトラかっこいいですし、
世の『アイーダ』ファンはおそらく皆、阿久津ファンだと思います。
でも、男の僕からすると福井ラダメスこそが僕のイメージにピッタリ!
※あくまで僕のイメージですからね(笑)。

ゾーザーという権力欲の強い父親に、生まれた時からレールを敷かれ、
婚約相手まで決められてしまい、形の無い手かせを嵌められたようで、
常に疑問や不満を心のどこかに感じているエジプトの将軍、これがラダメス。

阿久津さん演じるラダメスは、親への反抗から
常に戦場に出て戦い、おそらく幾つものワンナイトラブを繰り返し
心の空虚をみたしてきたであろう、ってなイメージです(笑)。
どちらかというとプレーボーイ的な印象がありました。
これはこれで良い。阿久津さん、
ラダメスを演じると恐ろしいまでに美しいのでw。


それに対し、福井さん演じるラダメスは、
心の空虚を戦に捧げることで満たす漢(オトコ)って感じで、
アムネリスという大事な大事な幼なじみが婚約者として
決まっている手前、女性を粗末には扱わない男気溢れる将軍ってイメージ。
※これ、完全にモーソーですけど(爆)。


そんな漢(オトコ)である福井ラダメスが、真実の愛を見つけて
突っ走るわけですので、僕としては俄然、こちらに軍配が上がります。
僕は男より漢(オトコ)の方がすきですから(笑)。

そしてね、福井さん歌も演技もチョーうまいんだわ。
『美女と野獣』の2幕以降で野獣がベルに恋するがごとく、
アイーダを愛してからの顔が凄まじく素敵すぎる!!
これは僕の独断ではなく、嫁も言っておったw。

先に『アイーダ』のポイントはギャップだと言いましたが、
福井ラダメスを基点とするギャップ発動のビリヤードは観ていて壮観!
凄まじいよ、本当に!

ラダメスがなりふり構わず漢(オトコ)の気持ちを素直に謙虚に
アイーダにぶつけるもんだからアイーダも心を揺すぶられちゃって
もの凄く大きなギャップを産む。そしてそれを拷問のように見せつけられた
アムネリスの可哀想なこと可哀想なこと・・・。

ラストのシーンなんて、アムネリスがラダメスに何とか命を救うべく
精一杯の愛情を注いでるのに漢(オトコ)ラダメスは上の空で
アイーダの素晴らしさを語る。そしてアイーダはラダメスを救うよう
アムネリスに懇願する・・・。
アムネリスの悲惨さのコントラストここに極まれり!

その悲惨さを精一杯乗り越えて、二人を見守っちゃうし、
遠い未来に置いても時の定めか?生まれ変わった二人を博物館で
優しく見守る慈愛の神さながらの包容力・・・。

僕は福井ラダメスの登場した先週のアイーダをみて、
これでもか!!というくらい泣きました(爆)。

そして今日!!
やっぱり同じくらい泣けました。
僕にとって福井さんのラダメスは凶器にちかい(笑)。

そんな素敵な福井さんではありますが、今日はもっと素敵なことが!!!

舞台終了後のオフステージトークに
福井さん、朴さん、光川さん、有賀さん、飯野さんが登場してくれました。

これだけでも嬉しいのに、なんとなんと!
最後のジャンケン大会で、嫁がまさかの景品をゲットし、
福井さんから景品を手渡しされ、
おまけに握手までしてもらえるという珍事が!!

僕も隣に座ってたので、間近でご本人を拝顔しましたが、
メチャかっこ良かったー。嫁は胸キュンして死にそうになったそうです(爆)。


まー仕方ないよね。福井さんカッケーンだもん。


ちなみに、本エントリーのトップにある写真がその景品です。
『アイーダ』特製ハンカチで、裏には福井さん、朴さん、光川さん3人のサインが!!
サインを撮影しようとしたら嫁に怒られたので、サインの無い方を掲載(笑)。
サインは嫁の宝物だから一般公開しないそうでw。



とまぁ、今日の『アイーダ』はこれまで以上に感動に溢れた舞台でした。

さて、『アイーダ』も残すところ後1週間です。
僕は千秋楽のチケットもゲット済みですので、来週は来週で
精一杯応援してこようと思います。

来週のキャストは誰でしょうかね〜?いまから楽しみです。

ちなみに、今日のキャストです。


2012年8月5日日曜日

CATS観劇:8251公演




今年の11月11日で横浜キヤノン・キャッツシアターから去ってしまう
ミュージカル『CATS』。

もう見納めになってしまうので、可能な限りチケットを購入し、
月2回のペースで観劇予定を入れている次第です。
めでたく千秋楽もチケット取れましたし、これからは
今まで以上に1回1回の公演と真剣に対峙し、
少しでも『CATS』の世界の奥深さを拾おうと思っています。

ということで8月1発目の『CATS』を昨日観てまいりました。
座席はS席回転で、タガー握手席です。

昨日のキャストは以下の通り。






これまで散々書いてきた『CATS』の感想・・・。
もういい加減に書くこと無いだろ?と言われそうですが、
観るたびに発見があるのがこの作品のいいところです!

今日はその辺のお話を少し、記録として残しておこうかと。

キーワードは以下の2つです。
1.円環と止揚(ループ構造とアウフヘーベン)
2.希望


この作品をご覧になられたことがある方であればお分かりの通り
『CATS』の舞台は都会のゴミ捨て場です。
ここに年に一度、満月が青白く輝く夜に、
人間に飼いならされることを拒否し、逆境をものともせず、
強靭な思想と行動力で逞しく生きている”ジェリクル・キャッツ”
(宝石のようなという意味でジェリクルね)が集まってきます。

作品において出てくる猫は27匹で、演じる俳優さんは24人です。
(1人3役を演じる猫が1匹、1人2役を演じる猫が1匹)


キーワードの一つ目である円環(ループ構造)と止揚(アウフヘーベン)
ですが、これは今回の舞台を観てあらためて強く感じました。
観劇3、4回目からずーっと感じてはいましたが、もう、
40回以上観たんだから間違いないでしょ!?という感じです。

ループ構造は『CATS』の音楽ついて、
間違いなく当てはまります。

先に音楽から言うと、オーヴァーチェアの音楽って、
ある猫が天上に昇った後の音楽そのまんまなんですよね。
(オーヴァーチェア始まって2分くらい経ったところの音楽)

そしてオールド・デュトロノミーが猫からのご挨拶を歌った後、
ラストの決めのところで流れる音楽もオーヴァーチェアの音楽の
ラスト30秒付近と全く同じ。

『CATS』の音楽はオーヴァーチェアに始まり
オーヴァーチェアに終っています。これ、ループ構造ですね。

一時期、毎週『CATS』を観ていたときは、オーヴァーチェアが始まると
「あぁ、先週の物語が終わり新しい物語がはじまるんだなぁ〜」なんて
感慨に耽ったものです(笑)。

では、『CATS』のループ構造は音楽だけかというと、
僕は物語も実はループ構造にあるのではないかと強く感じています。
しかし、ただのループ構造ではなく
アウフヘーベンを伴ったループ構造であると。

これはオリジナル・クリエイティブチームの
トレーバー・ナン氏が凄いのか劇団四季の代表である
浅利慶太氏が凄いのか分かりませんが、
『CATS』の演出をみるとどーにもこーにもアウフヘーベンを伴った
ループ構造であるとしか思えないのです。

舞台の最後でグリザベラが天上に昇り、デュトロノミーが挨拶して終りますが、
あの舞台を観ると、天上に昇った猫は実は、天上の世界で
タントミールとしての新たな生命を与えられて、
またあのゴミ捨て場に戻って行ったんだなと思えて仕方がありません。

そして、天上の世界という新しいゴミ捨て場には、
また別な27匹の猫がいる・・・。

そして、そこでもグリザベラが選ばれ、最後は天上に昇るがそこもまた
都会のゴミ捨て場である・・・そういう今いる世界から
一つ上の世界には行くのだけれどもそこもまた同じ世界。
変わるのは自分の立場だけ、というある意味フリードリヒ・ニーチェが描いた
永劫回帰の世界を見せられているかのようです。

世界が何度同じ様相で巡ってきても、今ここにある瞬間が
同じように巡ってくることを望むという、
強い生の肯定思想、それが永劫回帰の思想。

それは、生を疎かにしない超人にのみ引き受けることが出来る、
存在と意志との自由の境地でもあります。ニーチェはそう説きました。


昔は高慢ちきなウルトラ美猫であったであろうグリザベラ・・・。
それが身を落とし、娼婦になり皆に蔑まれ、それでも私の人生を歩む!
という強い決意のもと決別のメモリーを歌い、
ジェリクル達の前を去っていこうとする・・・。

どんな境遇に陥ったとしても、自らの人生を肯定し、
一人歩く決意をするグリザベラ・・・。
それを観ていたネコたちがグリザベラがみせたものこそが
ジェリクルの証なんだと、不安と孤独の中でみせた勇気、それこそが
真の希望であり天上へ導かれる条件なんだと知る・・・。


ループ構造の世界において、先に挙げた2つ目のキーワードである
希望をみせることで、アウフヘーベンを成し遂げ、次のループ構造へと
進んでいく・・・。


今の僕には『CATS』はそのようなメッセージを
発しているような気がしてなりません。


11月11日まで、『CATS』はどんな新しい顔を見せてくれるのでしょうか?
今後も眼が離せません。


まだ観てない人は是非、この機会をお見逃しなく!!


【おまけ】
今回の座席は回転S席で、タガーと握手できました。
握手の際、「めっちゃかっこ良かったよ!」って一言いったら
”誠に光栄です!”とでもいうかのような
胸に手を当てた仕草をしてくれました。
田邉タガーは天の邪鬼ではなく実はジェントルマン?

そして、僕が敬愛してやまないボンバル麗子様が北海道での
ライオンキングの仕事を終え、今回の舞台では
ボンバルリーナにカムバックしてくれました。

舞台にいる時に目が合ったので、口パクで「最高でした!!!」と
想いを伝えたら、なんと!!!普段のボンの握手ルートではないにも関わらず
僕のところに来て僕と嫁に握手をしてくれた!!

来る分けないと思っていたので、あっけにとられて握手しちゃったけど、
後から思い出せば出すほど、もの凄く素敵な思い出を
プレゼントしてくださったんだなーと、
ボンバル麗子様への敬意がさらに高まりました(笑)。

嫁がいみじくも「麗子さんのボンはボンのあるべき姿だよね!」と
言っていましたが、まさしくその通り!

ダンスのキレ、観客へのパフォーマンスと気遣い&おもてなし・・・。
まっことプロフェッショナルという言葉に相応しいネコ。
それがボンバルリーナ演じる西村麗子さんだと思いました。


それから、夏のシーズン限定でウチワを貰いましたw。

2012年6月10日日曜日

2度目のアイーダ!!




本日、人生2度目となるアイーダ観劇に行ってまいりました。
初めて観たのがGWの5月6日ですから、約1ヶ月ぶりの鑑賞ですね。

そして、初回はC席での観劇でしたが、今回はS席の2列目ど真ん中!!

んでもって感想はというと「ヤバすぎ」の一言!!
今日観たエビータはやばかった、ほんとヤバかった・・・。

ラスト20分は滂沱の涙がこぼれたよ。


アイーダ、初見では分からなかったけど、今日S席でじっくり観て
色々と発見と感動がありました。


アイーダ、ラダメス、アムネリスの3者3様の愛の形だけではなく、
3者3様の成長の形がこの舞台には描かれているんだなーって。

まずは、3人の簡単なプロフィール分析から。

手始めにラダメス。

ゾーザーという権力欲の強い父親に、生まれた時からレールを敷かれ、
婚約相手まで決められて疑問や不満を心のどこかに感じながらも、
敷かれたレールから脱線することができない男。
僕はラダメスが何ゆえすぐに戦場へ行きたがるかをこう分析する。

①戦場に行かないとアムネリスとすぐに結婚させられそうで嫌だった。
→敷かれたレールの終着駅だということが自分にも分かってたんだろう。

②死と隣り合わせの戦場でしか、自分の生を実感できなかった。
→敷かれたレールを歩くだけの人形のような自分を忘れさせてくれるのが
死と常に隣り合わせとなる戦争だったんだろう。
「自分の人生」というものを感じられないラダメスが唯一
生きているということを強く実感できるのが、
一歩間違えば死ぬという、緊張感溢れる戦場であることは想像に難くない。

③親父と同じで征服欲が強かった。
→親父に反発しつつも、世界は俺のためにある!というオーラでてるからね。

まー、こんな人物ですわ。


次はアムネリス。

ラダメスの小さい頃からの幼なじみで、ファラオの娘。
王の娘として浴びせられる他者からの視線を重荷に感じている絶世の美女。
王女としての気品を保とうとすべくオシャレで身を包み、うちなる苦悩を
他者に悟られまいとする、何気に健気な乙女でもある。
望みは愛するラダメスに愛されることか・・・。
観ていてほんとにいじらしくなる乙女だね。


最後はアイーダ。
ヌビア国の王女で、侍女たちと川辺をお散歩中にエジプト軍にとっつかまり
一夜にして王女から奴隷へと転落した悲劇の王女。
ただし、王女自身はどんな立場に置かれようとも天性の気品と自由を愛する心、
王女としての気高さは失わない。芯の通った生まれながらの女王のような存在。
ちなみに最初は自分の気の向くままに好きなことをやっている
オテンバ娘のようなところもある。


こんな3人ですが、ラダメスがアイーダに出会ってしまったがために、
運命の歯車が大きく回り出すというのがこの物語の骨格だ。

そして、3人の愛の形は以下の通り。

①アムネリス→ラダメス
これは一方通行の愛。ラダメスと結婚して、政治などとくに気にせず。、
愛に包まれた生活を送りたいと願う。でもラダメスにその気がないから
いつも不安でしょうがないわけね。ラダメスの気を引くためにも、
常日頃から自分磨きを欠かさないところは表彰もの!!

②ラダメス→アイーダ
奴隷の身でありながら自由で気品があって気高い姿勢に、
敷かれたレールを歩くだけの自分がだんだん間違ってんじゃねーか?と
揺さぶられる。そして自然と気高く自由なアイーダを愛してっちゃう。

③アイーダ→ラダメス
祖国を虐めるにっくき敵国の将軍ということで最初は嫌うわけだが、
ラダメスの自分に対する想いと、自国にすらいない謙虚で素直な姿勢&
イケメンぶりに徐々に徐々に両想いになっていく。

このとおり②、③でわかるようにアイーダとラダメスは最初は色々あるが、
両想いになっていくわけである。ここで一番報われないのが①のアムネリス。

であるがゆえに、この物語の出来はアムネリスが自分の愛を
どのように昇華していくかが一つの見せ場となる。
この愛の昇華っぷりを発揮する過程が、アムネリスの王女から女王への
成長の物語というわけだ。

ちなみに、ラダメスの成長はパパの敷いたレールを脱線し、
自分の心に忠実に生きる決断をし実行をするところがポイントだ。

アイーダは、自分の人生を楽しんでいただけだったが、
奴隷となっているヌビアの民の想いを背負い、王女から女王へと
苦悩しながら脱皮していく様がポイントであろう。
アイーダの切なさの極みは、王女として民の期待に応え父親である国王を
エジプトから脱出させた後、愛するラダメスとの
悲劇の愛を選択するところにもある。


とまぁ、色々書きましたが、こういう物語展開をもの凄いハイレベルな演技で
観客に届けていたのが今日の舞台でした。


アイーダを演じる秋さんは、ほーんとDNAレベルで王女の風格を持っている
とても美しい女性ですし、アムネリスを演じる大和さんは、イシスの転生か?
と思うほど最後は神々しく慈愛にとんだ気品のある王女になっていく。
そしてラダメスを演じる阿久津さんはセクシーでパッションに溢れてるし。
さらに、脇を固めるアンサンブルのダンサー陣。
ゾーザー軍団はウルトラカッコいいし、女性陣も凄く素敵。
特に加藤久美子さんのダンスはウットリするほど素敵なダンス。
観るものを魅力してくれる。恒川さんも素敵だったなー。


そんなこんなで、舞台が発するパワーを2列目でモロに浴び、
神々しいアムネリスの涙に心うたれまくり、ラダメスとアイーダの健気な愛に
心引き裂かれ、結果として滂沱の涙を流すことになったわけです。

あ〜、アイーダ・・・最高の舞台だよ。





2012年5月20日日曜日

CATS観劇


つい先日、哀しいお知らせが・・・。
ミュージカル『CATS』が今年の11月11日をもって横浜から去ってしまうことが決まりました。いずれは来るであろうその日が決まると、なんとも寂しい感じがしますね。

ということで、あと6ヶ月少々、時間とお金の許す限り、『CATS』を観て、色々なことを考えようと思います。・・・ということで、まずは本日、1ヶ月半ぶりに観てまいりました、キャッツ。


久しぶりに観た(とは言っても間、1ヶ月半しか空いてませんけど・・・)『CATS』ですが、今日はいろいろと考えさせられることの多かった舞台となりました。

まず、本日の出演者です。

グリザベラ:早水小夜子
ジェリーロラム=グリドルボーン:朴 慶弥
ジェニエニドッツ:鈴木釉佳之
ランペルティーザ:山中由貴(○)
ディミータ:増本 藍
ボンバルリーナ:相原 萌(○)
シラバブ:江部麻由子
タントミール:原田真由子
ジェミマ:齋藤 舞(○)
ヴィクトリア:馬場美根子(○)
カッサンドラ:藤岡あや(○)
オールドデュトロノミー:米田 優
アスパラガス=グロールタイガー/バストファージョーンズ:橋元聖地
マンカストラップ:萩原隆匡
ラム・タム・タガー:荒川 務
ミストフェリーズ:岩崎晋也
マンゴジェリー:田中宣宗(○)
スキンブルシャンクス:劉 昌明
コリコパット:新庄真一
ランパスキャット:永野亮比己
カーバケッティ:齊藤太一
ギルバート:安江洋介
マキャヴィティ:安芸雅史
ンブルブルータス:松永隆志


2011年4月から本格的に『CATS』を鑑賞し始めて、約1年で鑑賞回数は40回を越えましたが、これまでは全ての回に”武藤寛”の名前がありました。僕にとっての武藤さんは連日休みなくパーフェクトなマンカストラップを演じ続ける鉄人でした。
※途中1回だけ、急遽マンゴジェリーとして出演していましたけど。

その武藤さんの名前がキャストから初めてなくなっていました。
これは正直、寂しかったですね〜。でも仕方ないですね・・・。
ここ1年、休み無しで演じ続けられていたので、少しゆっくりして頂き、また素敵な勇士を見せて頂きたいと思います。

その他、出演者のうち上記で(○)を付けた人が初めて見る方でした。
マンカストラップ役の荻原さんも2回目で、最近『CATS』にアサインされましたね。


『CATS』、キャストの半分くらいが新しい方になっているようです。
※中には、私が知らないだけで、昔から演じてた人が『CATS』の舞台に
戻ってきただけかもしれませんが。

でも、僕には『CATS』のキャストが次ぎのフェーズに向けて入れ替わってきているように感じました。次なる地で、新たな『CATS』を始めるべく新旧交代、もしくはベテランと若手を混ぜ合わせて後進育成を始めたのかのよう・・・。

舞台進行も、『CATS』の基本に忠実なスタンダード、ある意味原点回帰のような印象を受けた舞台でした。あくまで僕の印象ってだけですけどね。

しかし、この原点回帰したかのような舞台だからこそ『CATS』の魅力をこれまでとは違った意味で感じることができました。

これまでクドイほど書いてきた『CATS』の魅力ですが、改めて振り返ってみると僕には以下の5つになります。

1.音楽/歌
2.ダンス
3.照明
4.舞台と客席の一体感
5.創発される物語解釈


上記1は言うまでもなく、アンドリュー・ロイド・ウェバーが作った耳に残る、心躍る、心地よい珠玉の名曲の数々です。そして、それを歌う役者さんの声も魅力ですね。

2のダンスも言わずもがな。ジェニエニドッツとゴキブリ達のタップダンス、スキンブルシャンクスと仲間達で踊る愉快なダンス、ディミータとボンバルリーナが魅せるミステリアスなデュエットダンス、ミストフェリーズが魅せるマジカルダンスなどなど『CATS』は魅力的なダンスで溢れています。

そして3の照明。これも効果的に使われていますよね。
僕はオールドデュトロノミーが夜空を満点の星空に変えるときの照明や、グリザベラが天上に昇るときの照明が特に効果的だなーといつも感心します。

4についても誰も異論はないでしょう。他の舞台と違い、猫が頻繁に客席に降りてきますし、カーテンコール時には猫が観客と握手してくれる・・・。これはほんと舞台と客席を一体にしてくれますよね。

そして最後の5。僕にとってはある意味でコレが『CATS』最大の魅力と言ってもイイくらい。劇団四季の他の素晴らしい作品を差し置いて、ブッチギリのリピート鑑賞の原因がこの5番目の魅力なわけです。

他の作品ってそれなりにストーリーがハッキリしていて、作品のテーマや解釈が数回観れば大体決まってしまうのが普通です。しかし、僕にとって『CATS』という作品は、その他の優れた芸術作品がそうであるように、一つの解釈を受け付けない作品なんですね。
ある視点で解釈しようとすると、別な視点からは違う解釈ができる。同じ視点で解釈したとしても、より深くより広い解釈の可能性を残す・・・そんな作品なんですよね。
舞台を通してこちらが受け取るメッセージが、その日の舞台のキャスト、そしてキャスト達のコンディション、さらには観客の雰囲気、そして自分の感情や体調によって色々な印象を与えるメッセージ展開をしてくれる、まさにキャストと観客が創発して作っていくような物語解釈であるというのが僕にとっては凄く魅力的なんですね。

これはもともと『CATS』のストーリーがもの凄くメタフォリカルであるのが理由かもしれません。猫の視線から人間を観るという視線変更が行われていますし、登場する猫が24匹、それもみなそれぞれが主役のような位置づけですから、物語を解釈するときの固定的な視線を許さないような特徴もあります。

ちなみに、今日、僕の『CATS』に対するまなざしはマンカストラップとシラバブとグリザベラのトライアングルで物語を解釈しようとするまなざしでした。

シラバブの歌に導かれたグリザベラをマンカストラップが遮り、グリザベラが魂を振り絞り明日を掴むためのメモリーを歌う、こころ折れたグリザベラをシラバブが再度歌により導き、グリザベラが昨日との決別としてメモリーを歌う。大いなる心、誇り高く強い心、そして高貴なる悲しみをグリザベラにより見せられたマンカストラップは顔をあげていられなくなる。去ろうとするグリザベラを仲間達のもとに引き戻すシラバブ、そして天上へ昇れとオールドデュトロノミーのもとへ手を引くマンカストラップ・・・。大いなる心と高貴なる悲しみ、ジェリクルが唯一のその名を掴むための条件・・・それはなんなのか?

荻原マンカスのちょっとした、うつむく仕草が僕に今日はこんなメッセージが込められた物語をみせてくれました。


そして、次に観るときには今日観たメッセージはもう見ることが出来ない。次は次のメッセージが生まれる・・・それが『CATS』という不思議な舞台なのです。

あなたには一体どういうメッセージが届くのでしょうか?
これはあなたが自分の眼と心で観て聴いて受け取ってくるしかありません。


2012年5月6日日曜日

GW観劇 その5:アイーダ



ゴールデン・観劇・ウィークも今日でお終い。
連休最終日に観た作品は『アイーダ』でした。

この作品、知り合いの女性陣みんながお勧めする作品です。
そして、インターネット上を色々検索すると
この作品を見て阿久津さんのファンになったとか、
劇団四季のファンになったという声が後を絶ちません・・・。

『CATS』のオフステージトークでも俳優さん達が
『アイーダ』を観て号泣したと仰っていたので、作品に対する期待も高まります。

それほど絶対的な人気を誇る作品『アイーダ』ですが、
涙もろい僕には珍しく、全く涙ながすことなく作品を見終えることになりました。

作品自体はそれなりに素晴らしいものだと思うのですが、
幾つかの観点で僕はそれほど魅せられはしなかったんですね。
※ここから先はストーリーのネタバレ要素もあるので、これから見る人は
読まない方がいいかもしれないことをお断りしておきます。


1つ目。それは音楽です。
この舞台の音楽は、エルトン・ジョンが担当しているそうなのですが、
僕、個人的にエルトン・ジョンの作る曲って性に合わないんですね。

どれもいい曲だとは思うんですけど、エルトン・ジョンが作る曲って
どれもこれもどこかドラマチックすぎるんですよね、僕には。

ですので、阿久津さん演じるラダメスや秋さん演じるアイーダが
一生懸命歌ってくれて、上手だなーとは思うんですが、曲自体の
さびの部分がどうしてもエルトンチックなドラマチック性があって
心の底から素晴らしい!!!と感動しきれない自分がいるんです・・・。

でも、エルトン・ジョンに苦手意識がない人は凄く感動するんだろうな、
というくらい阿久津さんも秋さんも演技&歌が素晴らしかった。

特に秋さん!
ヌビア国の女王の風格があって、存在感たっぷりで素晴らしかった!!
歌も上手だし、僕、やっぱり秋さん大好き!


阿久津さんも素敵な役者さんですね。
阿久津さんの演技を見るのは、これが初めてですが、
世の阿久津ファンがなぜに阿久津さんにべた惚れするのかが
何となく分かりました。


一言で言えばイケメンで背が高くて髪型がカッコ良くて
化粧するとかなりセクシーで声がちょっと甘くて、
愛に生きる誠実な男だからなんでしょうね。


そりゃねぇ、誰だってあんないい男に
「たとえ100回生まれ変わっても、きっと探し出すよ」
って言われてみたいわよねぇ・・・。


僕から見ても色気ある、見栄えのする役者さんだなーと思います。
個人的には、将軍なんだからもっとムキムキの北斗の拳みたいな
身体を作って欲しいと思うところではありますが(笑)。


さて、2つ目。それがエンディングです。
ラダメスとアイーダは二人揃って生き埋めの刑を受け、
死んでしまうわけですが、このシーンそのものが僕には泣けないんですね。
台詞、シチュエーションともに大半の人は一番感動するところなのでしょう。
だって、愛し合う二人が想い半ばで死んでいくわけですから、
ある意味で悲劇ですよね。

でも、正直、僕にはこのシーンが悲劇には全然見えず、
どっちかというとハッピーエンドの部類なんじゃないかと思ってしまうわけです。

確かに、死んじゃいますけど、来世での巡り会いを誓い、現世での愛を誓い、
そして死んでいくわけですから・・・。おまけに、生まれ変わった二人は
エジプトの博物館でさりげなく再び出会っていますよね。

これがね、たとえば手塚治虫の『火の鳥 ヤマト編』のように、
敵同士が愛し合ってしまったがために、最後は土の中に埋められ、
声だけが聴こえる状態で絶命してくカタチであれば
泣かずにはいられないと思いますけど、そこまで悲惨ではない。

おそらく、こういうことが頭をよぎってたので、
それほど作品に引き込まれなかったんでしょうね。


では、この作品、全然面白くなかったかというと、
そういうわけでもありません。

照明、演出、そしてアムネリスという存在が一際僕の興味をそそりました。
照明、そして作品の演出がなんといっても
ポップス感全快って感じで面白かったです。
特にアムネリスのファッションショーのようなシーンは
見ていてもの凄く面白かった。
古代エジプトと現代を繋ぐようなファッションの数々が
次から次へと出てくる様は、ほんと今様って感じがしますね。
ダンスシーンの照明や音楽もR&Bって感じでしたし・・・。

この辺は見ていて、一際愉しかったところです。

そしてアムネリス!
今回アムネリスを演じられていたのは大和貴恵さんという方でしたが、
この方が演じるアムネリスが凄まじく素晴らしい!!

身長が180センチ近くありますから、ほんと遠くから見ても
モデルさんと同じくらい綺麗なプロポーションだということが分かります。
そして役者さんとして大事な歌と演技・・・。
これは初っ端のエジプト博物館のシーンから心掴まれました。

歌、上手い!そして、顔、綺麗!!!
そのプロモーションと歌唱力と演技力とルックスと綺麗なお肌・・・。
これぞまさしくナイルの宝石!!って感じの存在。
このアムネリス、ファッションが人生って感じで最初は登場しますが、
次第にその内面が開示され、実は女王を演じることに疲れたある意味で
囚われの姫君なのであります。その疲れや渇きを癒したく、愛しのラダメスに
一方的に愛を送り続ける姿勢こそがこの作品の最大の悲劇であり見所だと、
僕は勝手に思っています。

高慢ちきな自己中女王が見せる、人間としての弱さ、ひた向きな愛・・・。
ギャップLoverな僕としては、一発でアムネリスに恋しました(爆)。

ラダメスに同情できなかったのは、アムネリスの本心を見抜けず、
自分勝手にアイーダに走った罰だ、死んで詫びるべし!!と
心のどこかで思っていたからかもしれません(笑)。

アムネリス、ほんといいですよ〜。
ラストのラダメスとアイーダに死を宣告するシーンなんかも、
大和さん振り向き様に涙を飛ばされていたからね!!
僕はあのシーンで完全にアムネリスの虜になりました。

アムネリスは悟ったんだ。
ファラオは病に冒され時期に死ぬ。
そして、愛するラダメスは女王としての自分の判断故に死んでしまう。
結局、愛するものは自分の周りからは全て去ってしまい、
解き放たれたかった女王としての宿命だけが自分にのしかかるということを・・・。

いち女性として人生を謳歌したかったであろうアムネリス・・・。
しかし、王の娘として生まれたからには、この呪われし運命には従わねばならぬ。
愛するものに死をいい渡さねばならぬ運命を引き受ける変わりに、
愛するものには愛するものと一緒に死なせてあげよう・・・。
これがラダメスにかけられるアムネリスなりの精一杯の愛・・・。
できればアイーダではなく、私を愛して欲しかった・・・。

大和さんが流した涙に、僕はこのようなメッセージを受けとりました。
いやぁ〜、素晴らしかった。実に素晴らしい!

アムネリスこそは、僕の中の不条理な英雄だよ。

そういう意味でアイーダは、僕にとって愛に生きたヌビア国王女の物語というより、
愛するものを奪われた不条理なる世界に、
一人生きることを決意したエジプト国王女の物語ですね。

はい、アムネリス最高っす!


GW観劇 その4:美女と野獣(再び・・・)



ゴールデン・観劇・ウィークの鑑賞作品第4弾は再び『美女と野獣』です。
前回、4月29日は久しぶりに福井さんが演じるビーストを拝見し、
改めて『美女と野獣』の素晴らしさを教えて頂きました。

そんな中、僕が福井さんファンなのを知っている嫁さんが、わざわざ、
S席3列目のチケットを入手してくれることに・・・。
「あなた福井さん好きなんでしょ?いつまでビースト演じてくれるか
分からないから、観れる時に行っておいでよ!」と、
素晴らしい配慮をしてくれたお陰で福井ビーストを再び観ることが出来ました。
※今回、お一人様『美女と野獣』となった関係上、嫁さんは昨日、
お一人様『キャッツ』をみにいってるんですけど(笑)。


よく友人にからかわれます・・・
同じ演目を、そう何度も続けて観て飽きないのか?と。

そういった発言には、続けて観たいと思わない作品は2度目はすぐには観ないよ!
というのが僕の回答なんですけどね。
そういう意味で『美女と野獣』は繰り返し観るに耐える
物語の奥深さを持っている作品だと僕は思っている次第です。


奥の深い作品というのは、はっきり言って毎回観る度に、
印象や感想が変わっていきます。観る側の感情やコンディション、
そして座る席の場所によって、作品を鑑賞するときの感想というのは
大きく影響を受けるものなんですね。
そして、印象や感想は自分だけでなく、演じる側のキャストの皆さんの
組み合わせによっても色々と変わってきます。仮に同じキャストでも
観客の反応によって舞台上で演じる俳優さん達の
勢いも変わってくるような気がします。



さて、今日の『美女と野獣』ですが、個人的には前回以上に
新しい発見に溢れた舞台となりました。


まず、キャスト。主要なキャストは前回とほとんど
変更がなかったのではないかと思います。
ビーストは福井さん、ベルは鳥原さん、Mrs.ポッドは織笠さん、
ルミエールは百々さん、コッグスワースは青羽さん、
モリースは種井さん、ガストンは田島さん、ルフウは遊佐さん・・・。
前回と全然変わりありませんね(笑)。


ですが、個人的な印象として、今日の舞台は前回の舞台以上に感動的でした。
これは座席の影響が大きいのかもしれません。
前回は2FのC席でしたが、今回は前から3列目のS席ですからね・・・。


3列目で観れたお陰か、俳優さん達の細かな仕草、舞台照明の絶妙な加減、
舞台セットの入れ替えの絶妙なタイミングなど、
C席ではあまり分からないようなことがよ〜く見え、感じることが出来ました。


特に俳優さん達の細かな演技がオペラグラス無しで観れると、
舞台に対する感情移入も変わってくるようです・・・。
今回の舞台はいつも以上に引き込まれました!


特にベルを演じる鳥原ゆきみさん。これは席のせいか分かりませんが、
前回観た時以上に可愛らしくなっている!!!なんで!?僕の気のせい!?
と思うくらい可愛かった。


もちろん4月29日に観たときも非常に上手で可愛らしかったんですけど、
今日は極めつけの可愛らしさを発揮していた気がします。
なんなんだろうなー?この印象の変わりっぷりは・・・。

もしかすると、僕の中で鳥原さんのイメージが偏見なく「ベル」として
観れるようにインプットされたのが原因かもしれません。
なぜなら、前回はそれまで鳥原さんがコーラスラインで演じていた
小柳ルミ子ばりの”ボインとプリン”のイメージが
かすかに頭に残っていましたからね(笑)。
今回は、そのイメージが完全に払拭された状態で演技を観れたので、
よけいに可愛く感じられたのかもしれない・・・。


でもね、やっぱり今日の出来が凄まじく良かったんだと僕は思いたいです。
そして、凄まじく良かったのは、ベルを演じた鳥原さんだけではありません。
福井さんを始めとする他の俳優さん達も凄く良かった。
そして、凄く良かったがために色々と新しいことを教えられました。

前置きが長くなりましたが、今日は俳優さん達の素晴らしさを織り交ぜつつ、
そのことを書いておこうと思います。


まず、『美女と野獣』という物語の構成について。
美女であるベルと、魔法にかけられ野獣と化した王子が主役な訳ですが、
この2人の運命が物語論として絶妙に絡み合い、
その上でハッピーエンドになっているということ。

神話学者のジョゼフ・キャンベルは『千の顔をもつ英雄』において
神話のカタチを大きくは以下の3つだと書いています。

1.セパレーション(別離、別れ)
2.イニシエーション(儀式、旅立ち)
3.リターン(帰還)


野獣の足跡を追っていくと・・・、

◆セパレーション
魔法にかけられ日常を追われ、野獣として呪われし国の
住人となることを運命づけられる。

◆イニシエーション
ベルと出会い、夕食の儀式を境にベルを心から愛するようになる。
そして、愛故にベルを旅立たせる。

◆リターン
ベルの愛により、野獣の生を終え、王としてこの世界に復活を果たす。



一方のベルは・・・、

◆セパレーション
愛する父の身代わりとなるため、日常生活に終わりを告げ、
囚われの身となる。

◆イニシエーション
野獣に命を救われたことをキッカケに、野獣との関係が変化していく。
そして、夕食の儀式を境に野獣への愛が芽生えるが、
野獣により父の元へと旅立たせられる。

◆リターン
ガストンの魔の手が野獣に迫るのを伝えるべく、
野獣のもとへ帰還を果たす。


どうでしょう?
野獣とベル、それぞれにセパレーション、イニシエーション、リターンがあり、
二人の運命が交差するところに物語が、愛が、王の帰還が生まれていますよね。

これはほんと見事な構成だなと思ってしまいます。


そして、次に音楽。
これも効果的で本当上手いな〜と唸っちゃいます。

まずベルのテーマ。これは「我が家」ですよね。
この「我が家」がどこで歌われるかと言うと、セパレーションの部分です。
セパレーションで歌われる「我が家」は、セパレーションにふさわしく、
パパとの別離にうちひしがれながらも、いつか我が家に帰ることを夢見て
自分を何とか奮い立たそうという意志に溢れた歌詞ですよね。


それから、これと同じメロディーラインで、ベルのリターンにおいて
「夢叶う」が歌われます。ベルの大きな心情的マイルストーンでは
このテーマが流れる。それも「夢叶う」の時は、ベルのリターンと
ベルと野獣とのセパレーション(死別)という2重の意味になっている。



一方、野獣のセパレーションにおいては、まず「絶望」が歌われ、
その次に「愛せぬならば」が続きます。


それから、リターンで王として甦った野獣がベルと歌う「夢叶う」の後半、
”二人の願い、二人の命、二人の心に溢れるのは〜”という部分が
「愛せぬならば」と同じメロディーライン、テンポはもちろん違いますけど。


特に野獣の場合は、「愛せぬならば」のメロディーラインが、
イニシエーションとしてのベルを送り出した後のシーンでも
「愛せぬならば(リプライズ)」として効果的に使われます。
これも上手いね〜〜〜!!!
もともとセパレーションフェーズで使われていた「愛せぬならば」を、
イニシエーションフェーズでも使うことにより、イニシエーションフェーズにおける
野獣の2度目のセパレーション的気分を上手く表現していて素晴らしい!!


ちなみに、ベルと野獣の共通のイニシエーションテーマソングは、
それこそ「美女と野獣」ですよね。二人の関係が変化する、夕食の儀式で使われる
テーマソング・・・舞台の最後にハッピーエンドの
エンディングソングとしても使われる。これは上手い、上手すぎるよ!!


ということで、物語の構成とそれを引き立てるメロディーの使い方、
改めてこの2つは凄いなーと思わされました。

その他、3つ目として、物語の中の愛の描き方が素晴らしいと思いました。
僕が見つけたこの物語における愛のカタチは以下の4つです。

(1)ベルと野獣における男女の愛
(2)モリース(ベルの父)とベル、
Mrs.ポッドとチップ(ポッドの息子)における親子の愛
(3)ルミエールとコッグスワースにおける友との愛
(4)ガストンにおける自己愛

愛のカタチとして、基本的なものは網羅されていますよね。
足りないものとしては、兄弟愛くらいでしょうが
この作品に兄弟は出てきませんからね(笑)。


そして、最後に4つ目。
これはなんと言っても、舞台を成り立たせている役者さんの演技です。

上記に挙げた愛のカタチそれぞれで、俳優さん達が非常に素晴らしい
演技を見せてくださいました。

まずは、福井さんと鳥原さんのコンビ!!
座席の関係もあるかもしれませんが、福井さんの演技も前回観たときよりも
一つ一つの仕草、表情が凄く良かったと思いました。
個人的には福井さん演じる野獣の喜怒哀楽の表現がとても好きなんですね、僕。
荒々しい野獣の仕草もあれば、甘えん坊の王子、凛々しい王としての仕草・・・。

福井さん堪らんよ・・・。
今日は、ベルを見送る「さぁ、行って!」の台詞で大泣きした(爆)。

鳥原さんも、一つ一つの仕草がウルトラ可愛らしい!!
パパと一緒に歌う「二人で」の時の、変わり者と言われて
自分に自信をなくしている表情とか。「我が家」を歌うときの、
これからくるであろう運命を必死に引き受けようと自分を奮い立たせようとする
不安と決意の微妙なニュアンスとか。野獣と夕食を食べる際、階段の下で待つ
微妙な恋心のニュアンスとか・・・あれもこれも挙げれば切りがない!!
でも一番素敵だったのは、ハニカム野獣の顔にそっと手をやり、
自分に視線を向けさせるときの顔!!
あの顔は、きっと世界中の男という男を虜にせずにはいないはずだ!!
犯罪級の可愛らしさ・・・
この顔を見るためだけに、世の男性は劇団四季「夏」劇場に足を運ぶべきだ。


それから、ベルのパパを演じた種井さん。
この人の声量は凄まじいですね!!キャッツのオールドデュトロノミーのときも
素晴らしかったが、個人的にはモリース(パパ)役の方が好きだなー。
はまり役です!!正直、ベルと歌う「二人で」のシーンで
種井さんがモリースを演じると絶対泣いてしまう。
種井さんが醸し出す、父としての包容力とベルへの大きな愛・・・。
これがあの声量で歌われるのだから泣かずにいられるか!!


そして、僕の大好きなMrs.ポッドを演じる織笠さん。
僕は、織笠さんがMrs.ポッドを演じると「ミセスポッドの助言」の歌と、
舞台最後にチップが人間に戻ってママの胸に飛び込んでくる時のシーンで
涙ボロボロになってしまう。織笠さんの歌はどこに秘密があるんだろうね?

”このお城は〜、素敵なとこ〜、あなたに喜び与えます、”

までは我慢できるんだけど、その後の・・・

”、きっと〜。いつか〜、夢も〜、叶う〜”で絶対涙が出る(爆)。

一体自分にどんなコトが起きているのだろうか?
よく分からないので、僕は織笠マジックと呼ぶしかない。


もちろん、百々さんと青羽さんの掛け合いも最高っす!
僕は青羽さんが百々さんに言う「怖いんだよぉ〜」という台詞が凄く好き!

ガストン演じる田島さんも、いつもかっちょええーよ。
あの人無しにはベルと野獣が引き立たないよ〜。
僕が田島さん演じるガストンを観て、舞台版の『美女と野獣』が
ディズニー映画の原作を凌駕したと思ったくらい!!



ほんと俳優さん達、素晴らしい演技をありがとうございます。
美女と野獣、最高っす。