2011年8月25日木曜日

クレイジーフォー・ユーの魅力

できればいいな〜♪ やればできる〜でしょ〜♬




瞬間風速的に『CATS』を上回って僕を魅了しているミュージカル・・・。
それがこの『クレイジーフォー・ユー』です。

8月13日に初めて観劇して、心の底から感動に震えさせてもらいました。
古き良きアメリカ時代を背景に、男女のハートフルな恋愛物語を
ガーシュインの素敵な音楽とテンポの良いタップダンスと笑いで
一杯にしたのがこの作品。

1度見て雷に撃たれたような衝撃を受けましたが、
何にこれほど衝撃を受けたのか分からず、そしてあの楽しさと感動が忘れられず
8月20日にもう一度観に行ったわけです。

その後、『クレイジーフォー・ユー』の劇団四季オリジナルキャスト版と
オリジナルロンドンキャスト版を手に入れ、聴き比べてみて
改めて劇団四季の『クレイジーフォー・ユー』がどんだけ凄いかを
再確認した次第です。


それにしても、なにゆえこの作品はこれほど
自分にとって魅力的なんでしょうか?
絶対不動かと思われた『CATS』を瞬間風速的に越える
その魅力って何だろう・・・。
色々と考えてみて、いま分かった範囲の感想を
少しまとめてみたいと思いました。



ストーリー

劇団四季の作品紹介ページにストーリーが紹介されていますが、
典型的なアメリカン・ラブコメディといえるでしょう。
僕自身、ラブコメは好きな方ですが単にストーリーだけであれば
ここまで感動はしないはず。ストーリーを彩る他の要素があってこそ・・・。





ダンス

他の要素の一つがダンスです。
このストーリーはダンス無しには成立しないでしょ!
というくらい楽しくワクワクする観ていて感動的な
ダンスシーンが沢山あります。

特に、前半最後の”I Got Rythm”のダンスシーンは必見です。
あのタップダンスを観て感動しない人はいないのではないでしょうか。

俳優さん達の感情がそのままダンスになったよう・・・。
コミュニケーション・・・決して台詞だけでは成り立っていないことを
証明してくれます。色んな表現方法をもっているんですね。ほんと素敵です。





音楽

そして、この作品を彩る大事な要素、
間違いなくガーシュインの珠玉の名曲の数々。
この舞台を観る前からガーシュインの音楽は大好きでした。
特に映画『巴里のアメリカ人』で聴いた”I Got Rythm”は最高でした。

この舞台では、僕の好きな”I Got Rythm”の他にも聴いていると
踊りたくなったり、嬉しくなったり、泣きたくなったりと
音楽の万華鏡ともいうべき作品が沢山詰まっています。

そして、ガーシュインの名曲を劇団四季が舞台にする際に
素晴らしい日本語の詩を付けているんですね。
僕は最初、"I Got Rythm"を日本語の詩で聴くなんて信じられませんでした。
正直、ちょっと馬鹿にしていたくらい。
しかし、実際に舞台に行って松島ボビーや秋ポリーが歌っているのを聴くと、
言葉ひとつひとつが優しく楽しく心にスッと入ってくるではありませんか。

正直マジックかと思いました。

調べてみると、この作品の歌詞は劇団四季の関係者だけでなく、
ガーシュイン愛好者でイラストレーターでもある和田誠さんが
担当しているんですね。そして、またこれが素晴らしいんです。
曲と合わせて口ずさんでいるとその素晴らしさが分かります。
原曲でふんだんに使われている韻の調子を損なうことなく、
日本語で小気味良く韻を踏んでいるんですね。
恐れ入りました、ホントーに。

僕が大好きな1曲に「Nice Work If You Can Get It」があります。

これが原曲ではこんな詩になっていますが・・・

(原曲の最初の部分)
The man who only live for making money
Lives a life that isn't necessarily sunny;
Likewise the man who works for fame --
There's no guarantee that time won't erase his name
The fact is
The only work that really brings enjoyment
Is the kind that is for girl and boy meant.
Fall in love -- you won't regret it.
That's the best work of all -- if you can get it.
Holding hands at midnight
'Neath a starry sky...

Oh that is nice work if you can get it.
And you can get it -- if you try.
Strolling with the one girl
Sighing sigh after sigh...
Oh nice work if you can get it.
And you can get it -- if you try.




これが和田さんの手に掛かると・・・


お金のために働く人
名誉ばかりをほしがる人
そんな人生つまらない
若い時は二度とこない
たからほんとの人の幸せ
彼と彼女が顔見合わせ
恋に落ちること
それこそ素敵な仕事
星空の下 手をつなぎましょ

できればいいな
やればできるでしょ

肩を寄せて
ささやきましょ

ああできればいいな
やればできるでしょ


どうですか?
見事、日本語の詩でも韻を踏んでいますね。
そして、これを歌う、松島勇気さんやCDではオリジナルキャストである
加藤敬二さん演じるボビー・チャイルド。
この人たちの歌声がまた素敵なんですよね・・・。

この歌が流れるシーンは、愛するポリーを一旦はあきらめて
NYに帰ってきたボビーが、劇場を前にふとポリーを思い出し、
彼女への愛を再確認し、「ポリィィィ〜〜〜〜」と叫んで
銀行家の跡継ぎとかそういう一切合切を捨てて
彼女のもとへ走り出すシーンなんですよね。

僕はいつもこのシーンを観ると泣けてきます。

♬〜お金のために働く人
名誉ばかりをほしがる人
そんな人生つまらない
若い時は二度とこない
たからほんとの人の幸せ
彼と彼女が顔見合わせ
恋に落ちること
それこそ素敵な仕事
星空の下 手をつなぎましょ〜♬


人は生きるためには稼がなければなりません。
多少の名誉をほしがるのも人の常。
でも、そういうものよりも彼が愛したもの。
歌と踊りと彼の最愛の人、ポリー。
彼女のためにすべてを放り出してひたすら走り出していく・・・。

「できればいいな♬」から「やるしかないだろう♬」と覚悟を決めて。
この姿こそ僕が純粋に憧れ応援し共感する男の姿。
愛する女と一緒にいなくて何が人生じゃ!!と。

おそらく僕の中にある日常では出すことのできない
強烈な幻想というか妄想を、もの凄く純粋なかたちで実行し、
最後はハッピーエンドに昇華してくれるボビー・チャイルド。
この役柄に僕は何かを託しているんでしょうね。
「仮託」という方法を使って、想いを昇華し日常に戻っていく・・・。

ほんと、このミュージカルは色々なことを僕に与えてくれる
かけがえのない美しく愉しい最高のミュージカルです。

このミュージカルに関わった関係者全員に乾杯!!


皆さんもいかがですか?
こちらが劇団四季版。
加藤敬二さんがボビーで、保坂知寿さんがポリー。
このコンビ、鉄板です。




こちらはロンドンキャスト版です。
これはこれで素敵。


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