2009年7月31日金曜日

知の編集術/松岡正剛

”編集仙人”セイゴオ・マツオカの編集工学を垣間見る・・・

今月も今日でおしまいですね。
そして、自分のブログを振り返ったら、今月は棚橋さんの『デザイン思考の仕事術』しか
本の感想をエントリーしてないではないではないですか。
あららららー、です。

ほんと7月はチョーうんざりな月でした。
「助けてくれぇー」と悲鳴をあげそうになるような月でもありました。
「自分で何とかしろ」とどこからともなく聞こえてくるような月でもありました。
秘蔵宝鑰の序論を繰り返し読んだ月でもありました。

空海、いいですよー。
そのうちブログにエントリーしますが、空海の文章は最高の名文ぞろいですね。
死ぬまでに一度は読むことをお勧めします。

悠悠たり悠悠たり はなはだ悠悠たり
内外のけんしょう千万の軸あり
杳杳たり杳杳たり はなはだ杳杳たり
道をいい道をいうに百種の道あり
書たえ諷たえなましかば本いかんがなさん
知らじ知らじ吾も知らじ・・・
思い思い思うとも聖もしることなけん
牛頭草をなめて病者を悲しみ
だんし車をあやつって迷方をあわれむ
三界の狂人は狂せることを知らず
四生の盲者は盲なることをさとらず
生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く
死に死に死に死んで死の終わりに冥し

『秘蔵宝鑰』の序論より

さて、話し変わって今月最後にご紹介する書籍。
それは松岡正剛さんの『知の編集術 ~発想・思考を生み出す技法~』です。


この本は、噛めば噛むほど味が出る私にとってはとっておきの1冊です。
噛めば噛むほど、と書きましたが、この本との最初の出会いは大学2年生の時です。
その時読んだ感想・・・編集工学の全体像が全然わからなくて、何をいいたいのかがわからない本。
但し、編集というものの奥の深さが何となくわかったような気になる本。
というのが一番最初の感想だったんですねー。

あれから、約10年。
2,3回読み直しましたが、読むたびに少しづつ、この本の印象が変わってきました。
そして、今回、読み直した時には、さらに新しい顔を見せてくれました。

そう。私にとってこの本は、自分の思考の柔軟性にあわせて、
その表情を四季のように変える変幻自在の編集本なんです。

このエントリーの最初にも書きましたが、
エディトリアル・エンジニアリング(編集工学)の創始者、松岡正剛さんが書いたこの本には
残念ながら体系的なエディトリアル・エンジニアリングの話はでてきません。
あくまでエディトリアル・エンジニアリングを垣間見ることができるだけです。
おそらく、エディトリアル・エンジニアリングを体系的に学ぶには
セイゴオ先生が塾長をつとめる編集学校ISIS(イシス)に入学するしかありません。

ここまで読んだ皆さん、なぁーんだ、なんていうなかれ。
エディトリアル・エンジニアリングの全体象はつかめなくても、
その全体像を想像するためのヒントは山のように詰まっています。
編集というものを見つめるための視点や手ほどきが軽快なリズムでポポンポンポンと
ページの間から飛び出してきます。

そして、すべてを読み終えたあかつきには、この本にもあるように
編集はめっぽうおもしろい”ということに自然と気がつくでしょう。

この本は、ある意味でエディトリアル・マジシャン、編修仙人松岡セイゴオの
知の技法が垣間見れる滅茶苦茶贅沢な一冊なのです。


◆目次

第1章 編集は誰にでもできる
第2章 編集は遊びから生まれる
第3章 要約編集と連想編集
第4章 編集技法のパレード
第5章 編集を彩る人々
第6章 編集指南・編集稽古

全6章、260ページからなる本です。



◆編集工学ってなんだろう

セイゴオ先生は言います。

われわれのまわりにはさまざまな情報がいっぱい満ちていて、
その情報がハダカのままにいることなく編集されているのですが、では、
どのように編集されているかというと、これがなかなか取り出せません。
そこで、これらをいくつかまとめて取り出して、その取り出した方法を
さまざまな場面や局面にいかすようにしてみようというのが、「編集術」になります。
また、そのようなことをあれこれ研究して、そのプロセスを公開することを
「編集工学」(エディトリアル・エンジニアリング)といいます。
編集工学の定義、お分かりになりました?


◆未曾有の編集世界を歩き回るためのコンパスとして

1.編集は遊びから生まれる
2.編集は対話から生まれる
3.編集は不足から生まれる

1.編集は照合である
2.編集は連想である
3.編集は冒険である
この本を読みすすめるに当たって、セイゴオ先生は
知のコンパスとして上記のキーワードを残してくれています。

昔の私は、この意味がわからなかった・・・。
でも今はおぼろげながらにわかる「気がする」。


◆編集的なモノの見方を身に付けると何ができる?

さまざまな事実や事態や現象を別々にほおっておかないで、
それらの「あいだ」にひそむ関係を発見できるようになります。
さらに、それらを組み合わせることで新しい発想を生み出す視点が獲られます。

私はほぼ確信しています。
セイゴオ先生の編集的なモノの見方や仕事術、そして棚橋さんのデザイン思考やその仕事術。
これらはそのうちフツーに仕事術のスタンダードになっていくだろうと。

悪いことは言いません。
まだ読んでいない方は、こんなブログ読んでいないで、早く本屋に行きなさい。





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