2009年7月30日木曜日

よい企画とよい文章

今月は、来月からチームメンバーになる新人さん3名のトレーニングに携わっています。

研修期間は1ヶ月あり、頭5日間くらいで開発に必要な基本知識を
座学と演習によって身に付けてもらいます。
そして、残りの3週間で、学んだ内容をいかに自分の携わるビジネスに適用していけばよいかを
自分で企画し、それをフィージビリティしてもらうというカリキュラムになっています。

フィージビリティのテーマ設定は「他社、もしくはチームに貢献できる内容」であれば
何でもよいということにしています。
ですので、企画、実施、進捗管理、成果のまとめ、発表までを自分で主体的にこなす必要があります。

もちろん、丸投げではなく、毎朝、朝会をやって問題点や進捗を確認しますし、
定期的にQAの時間をとっています。

そんな研修を、ここ数ヶ月運営してきたわけですが、今月の研修生を見ていて
ある、当たり前のことに改めて気づかされました。

まず、1つ目。
それは、企画のためのアイデアというものは、常に直感的に浮かび上がるということです。
そして、その直感は、実は、「長い間集中して考え抜くこと」を通してしか獲られないということです。
継続した思考無き所に、直感はありえないと言い換えてもいいでしょう。

今月の研修生3名を見ていて、改めて痛感しました。
見所のあるテーマ設定を行う人物は、頭2日間での座学のときから、
何かを意識的に探しつづけています。その観察力たるや、新人とは思えぬほど大したものです。

一方の、テーマを決めることができない人物というのは、座学は座学、演習は演習、
フィージビリティはフィージビリティと、すべてがワンショット的なものの見方をしていることに気づきました。

学んだり、経験したことがすべてぶつ切りで、本人の中にそれぞれの経験の相関をつくれないんですね。
なので、「座学で学んだあの内容は、開発するときのここの注意点だったんだ!!」などという学びが
悲しいことに皆無なんです。質問された時に手取り足取り指導してやっと理解してもらえる程度・・・。

何気なく自分が取り組んでいる作業に対して、常に疑問の種をまき、
疑問と疑問の間に何らかの関係性を作れないかを考え続ける。
考え続けて答えが出なければ、いったん回答は保留して、別の作業に取り組む。
そんなことをやっているうちに、ふとしたきっかけでこれまで考えていた問題の関係性が思いつき、
結果として魅力的な企画の種が生まれる・・・。

これまで指導してきたなかで、筋のいい企画をするタイプというのは概ね、こんな人たちでした。

面白いことをやるためには怠惰ではいけません。
何かしらの負荷を自分にかけ続けていると、
何かの拍子にポンッとアイディアが出てくるのだと思います。

これが改めて気づいた内容の1つ目です。
次は、2つ目。

明日が研修最終日だということで、研修生の成果報告書をレビューしているのですが、
ここでも一つ気づきがありました。
考えてみれば当たり前なのですが、指導する時の教訓として明記しておこうと思います。

ビジネスにおける駄目な、もしくは意味不明な文章を書く人は、決して文章が下手なのではなく、
そもそも自分が何を伝えようとしているのかを自分自身が理解できていないのだ。

そうですよね。
自分が理解できていないことを、他人に簡潔に説明できる人なんていません。
そもそもわかっていないから、書いている途中で文章が意味不明になるのです。

これに気づいて、成果報告書が上手くかけない研修生への対応をちょっとかえてみました。
時間と手間は掛かりますが、こんな対応です。
まず、自分がある対象に対して、わかっていることだけを箇条書きで書いてきてもらいます。
文章のフォーマットは、
「私は、○○について、Aをしっています。Aとは□□です。」
知っている内容と、知っていることの説明、これを知っている個数分だけ列挙してもらいました。

次に、列挙した内容間の関係を整理してもらいました。
似たような内容のものをグルーピングしたり、順序だててもらったりを色々と情報を編集してもらったわけです。

そして、自分相手に知ってもらいたい内容をキーワードとして2,3個列挙してもらった上で、
これまでの情報を数行の文章にまとめてもらいました。

するとどうでしょう。思ったほか、1回目の文章である程度意味の通った文章が書けるではないですか。
「やりゃー、できんじゃん。」と褒めたところ、「もうちょっと整理できそうなので、直してもって行きます」と喜んでいました。


これまで色々な人を指導してきて、たいていの人ができてしまうので、当たり前だと思っていた内容も
人によっては当たり前ではなかったりするんですね。

今回の件を通して、当たり前が当たり前として成り立っている根拠というものにもの凄く強い興味がわいてきました。
当たり前を実現する方法をとりだして、整理しておくことも
これからは大事だったりするのかなぁーなんて考えている今日この頃です。



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