2009年6月29日月曜日

出家の覚悟/アルボムッレ・スマナサーラ、南直哉

以前、人は死ぬから生きられる/茂木健一郎・南直哉についてエントリーを行いました。

これまで日本の仏教に対する私の印象は、
「所詮、日本の仏教は日本教の葬式仏教だろ?
 戒律を破棄して結婚している坊さんがなんで坊さんやれんだ?」
というものでした。
よって、南さんの仏教観について触れたときには非常に衝撃的でした。
こんなお坊さんが日本にもいたんだ!!と嬉しくなったわけです。
その考え方に激しく共感できたわけです。

南さんの本をもっと読みたいし、さらにはゴーダマ・シッダールタについても
体系的に勉強したいと思い、色々本をあさっているのですが、
今回読んだ『出家の覚悟 日本を救う仏教からのアプローチ』はストライクでしたねー。

この本は、仏教は心の科学だといって憚らないスリランカの比丘である
アルボムッレ・スマナサーラさんと恐山の院代でいらっしゃる南直哉さんとの対談集です。

この対談、非常に示唆に富んでいて、大いに共感できました。

そして、今回、この本を読んで確信しました。
日本の仏教はゴーダマ・シッダールタの教えを実践しているわけではないんだと。
日本の仏教は宗教というより職業なんだという思いを非常に強くしました。

日本では僧院に入って、サンガの中でまじめに志が続けば、
きちんとお坊さんの道をまっとうできる、というようなシステムがありません。
日本の仏教教団は、いわば住職教団なのです。
つまり、僧侶として立つには、一カ寺の住職にならないと
出来ないような仕組みになってしまっている。
                    ~南さんのお話より~

とか

「あなた、自分のやっていることが、仏教だとわかっているのか」というレベルの人間が、
目の前に、今まさにお坊さんになろうとしているのです。
これはとてもリアルな問題なのです。
                     ~南さんのお話より~

あまり引用していると気が滅入ってくるのでこの辺でやめましょう。
共感した内容に行きましょう。


スマナサーラさん曰く

だから仏教は、「信仰は駄目」なのです。

その理由が素晴らしい。

お釈迦様は理性にもとづかない信仰は、ばくちのようなものだと思っていたようです。
証拠があるものなら、信仰するという概念は要りません。
信じても信じなくても、真実はそのままなのです。
(中略)
仮に何か信仰したら、それをペンディング(留保)にしなくてはいけません。
理性を保って、常にデータが入り次第訂正する状態においておかなくてはいけないのです。
何かを堅く信じる、信仰するということは、自分で自分の首を吊るようなものです。

仏教とゴーダマ・シッダールタを見直しました。
本当の仏教、ゴーダマの教えは科学的だったんですね!!


凄い話はまだまだ続きます。

南さん曰く・・・

今おっしゃった「人間の論理などごみのようなもの」ということで私が非常に共感するのは、
仏教をヒューマニズムのように、「人間的な教え」だとして語ることは
間違いではないかと思うからです。
仏教が「人間の、人間による、人間のための教え」とは、全然質が違うと思うのですよ。
つまり、人間のあり方をトータルに見つめ直すには、人間とは別のところから見る力がないと、
無理だろうと思うのです。

さらに続きます。
これは結構痺れました。

だから、「ちょっときついかなあ」と思いましたが、
中学生くらいになればわかると思ったので、この前、中学の講演で
「夢を捨てろ」という話をしたのです。
みんな、呆然。壇上の講師が十五歳の子供に向かって、とにかく「夢を捨てろ」
というのですから、みんな凍りついてしまった。
ぼくは言ったのです。
「十五歳にもなれば、今からプロ野球選手になりたい、
歌手になりたいと思ってなれると本当に思っている人は、
この中にもそんなにはいないだろう」と言ったのです。
リアルに考えて、「自分が、本当にプロ野球の選手になれると思うか」と。
この夢にこだわっているうちに、自分がなすべきことを
スポイルして失っていく人間がいっぱいいるのです。
世の中には司法試験に挑戦すると称して、実際にはまともな勉強もせず、
親のすねをかじって遊んでいる輩が何人もいるわけです。
「ぼくの夢は」などと言って、夢をもつということは、逆に言えば
現実を”劣化”させてしまうことになるのです。
だからこそ、「大人になるということは、夢を捨てていくことだ」と言ったのです。
「夢を捨てていくことに耐えていくことが、大人になることなのだ」と言ったら、
水を打ったようになりましたね。
(中略)
夢をもつことはいい。しかし、大人になるということは、
夢と自分との距離をちゃんと測れなくてはいけないのです。

破壊的なコメントですよね。
中学生にはちょっと早いと思いますが、大学生くらいになったら
肝に銘じておきたい真実だと思います。
懐かしいなぁ・・・。
中学3年の時に大きく夢が破れたのをきっかけに、心に誓ったことを思い出します。
自分なんて大したことない。夢は寝てみるものだから、自分がやれることを
精一杯やればいいんだ。好奇心さえうしなわなければいい。
運命が自分を必要とすれば、何がしかの役割が与えられるはず。
必要とされなければ凡人として普通に生きてくたばろうと。

そんなことを心に誓いつつも、高校まではぼんやりとした将来の希望というか
夢っぽいものはありましたが、大学入ってからは全部なくなりました。
夢や志という言葉に踊らされる感覚が非常に邪魔くさくなったんですね。
んなもんなくても生きていけるからいいや、みたいな心境になりました。
なんかこう書くと世捨て人みたいですけど、決して世捨て人ではありませんよ。

さて、本書において一番共感した部分をご紹介しておしまいにしましょう。

スマナサーラさん曰く・・・

「生きる目的は何でしょうか」とよく聞かれますが、そう聞かれたら、
私ははっきりと「何の目的もありません」と答えるでしょう。
「何の目的もない」と言われると、とても大きな穴=空虚感ができるでしょう。
私の話は嫌だと思うかもしれません。けれども、それは事実です。
だったら、なぜそんなに私はがんばっているのでしょうか。
生きていると、いろいろと人が助かっているようだから、しょうがなく生きているのです。

生きることに意味を探すのは無意味なんですよ。
実存主義哲学でも「実存は本質に先立つ」というサルトルの言葉がありますが、
ほんとその通りとしか言いようがありませんよね。

だって、我々は知らないうちに(意識がない)生まれて、意識ができるようになったら
好き嫌い関係なしに自分だったわけなんですから。
なんで私はあなたじゃなくて私だったの?なんて聞いたところで誰もわからないわけです。

だから、自分探しなんてやっても見つからないんです。論理的に絶対に。
あなたがあなたである以上、あなたは自分なんて探せないんです。
自分が自分を探すなんて無理です。

私が思うに、残された方法はひとつだけ。
自分を認識するには自分以外の他者が必要です。
自分への認識は他社との関わりの中でしか培うことができません。

だったら、他人の役に立つように、他人に迷惑を掛けないように生きてみる。
この方法で生きるということは自分がその生き方を己の意志で選ぶということです。
意味はないけど他人との関わりの中でできるだけ役に立つようにいきてみよう。
これは自分の欲望であり願望でもあります。要は人のためといいつつ動機が不純なんです。

であればどうするか。
見返りなんか求めないことです。
これが私の生き方。

そういう意味で、ゴーダマの生き方や教えは今の私に恐ろしいほどの共感をもたらします。



2009年6月27日土曜日

私の本棚?

今日は土曜日。
奥さんが友達と朝から外出しているので、
私はひとり自宅でのんびりしておりました。

たまには部屋の掃除でもすっか、
と思って自分の部屋に篭り、時間が経つこと3時間・・・。

掃除するも何も、本がありすぎて何も出来なかった(爆死)。
自戒の念をこめて部屋の現状を写真にとってみたけど、
私の本棚は既に窒息状態。

私のお小遣いの大半を注いで購入した知的遺産である書籍の数々が
無残にも床にあふれ出してしまっている現状・・・。

なんとか綺麗になんねーもんかな?
引越しするしかないかなぁ・・・。



洋服ダンスの上も本だらけ・・・。

本だらけで廊下に出る道がない・・・

本棚は既に満杯っす・・・。

勉強机の足元(左側)も本だらけ・・・。

勉強机の足元(右側)も本だらけ・・・。

机の上も本だらけ・・・。

実は、廊下とリビングと寝床にもこの半分くらい散在しているの・・・。
読みたい本がどこにあるかわからない最悪の本棚が自分の部屋でございます。

ソラセミ君。
小説で一財産築いて、私に本をいっぱい置ける家をプレゼントしてください。

成功は保証されていないが、成長は保証されている

CONさん

ご無沙汰しております。
先日はコメントにて近況をご報告下さり、本当にありがとうございます。
まだこのブログを読んでくださっていたんですね(笑)。

試験の結果は残念でしたが、
CONさんがモチベーションを取り戻されたようで何よりです。
次のチャレンジ、上手くいくといいですね。
頑張ってください。


ところでCONさん、こんな言葉知ってますか?
結構好きな言葉なんですよね、これ。

成功は保証できないが、真剣に生きた者には成長が保証されている

これまでのコメントから推測するに、CONさん、周りの人たちが遊びほうけている(?)ときに、
目的達成のために一生懸命勉強されていましたよね。
場合によっては孤独だったかもしれません。

でもね。そういう奴って、強ェーんだよ。
なぜならそういう奴って、必ず成長しているから。
その成長は短期でみると、思うような成果を自分にはもたらしてくれないかもしれないけど、
長期でみると必ず成果をもたらしてくれる。これは経験上100%です。
ふと振り返ったときに、意外と自分が望んでいたところに近づいていたりするもんです。

なので、常に全力で真剣に取り組みながら、
目の前の結果に一喜一憂してください。
結果が良くても悪くても、必ず次につながりますから。
今後も何かに躓いて転んだら、すこしだけ一休みして、ささっと起き上がっちゃおう。



・・・ブログでの出会いっていうのも、まんざらではないですね(笑)。




若者は、選挙に行かないせいで、4000万円も損してる!?/森川友義

「書を捨てよ、町に出よう」改め、「この書を読もう、投票所へ行こう」


以前、このブログにて森川友義先生の政治解説ブログをご紹介しましたが、
なんと、このブログの内容が書籍としてブラッシュアップされ販売されることになりました。

そして、まだ発売されていないこの本が、今、私の手元に・・・。
幸運なことに、この本の読者モニターに応募したら当選しちゃったんですね。
読者モニターに応募して当選したのはこれが人生初です。
結構うれしいもんですね。

ディスカヴァー社の皆様、本当にありがとうございました。

さて本題です。
この本の著者である森川先生は、
一般市民、特に若者がよく知らない日本の複雑怪奇な政治メカニズムを
やさしく丁寧に解説できる能力を持った政治学博士です。

何事でもそうですが、ものごとの本質や構造を把握したうえで、
簡潔に説明するには相当の知識と力量が必要になります。
こういう仕事というのは本当に力のある人にしか出来ない仕事です。

とくに日本の政治メカニズムについては全体を把握することすら難しい。
これはやってみればわかります。
お恥ずかしい話ですが、
私も大学時代に「自分が住んでる国の政治メカニズムくらい知ってないと恥ずかしいよね」と思い、
色々調べたましたが、結局はよくわかりませんでした。
挙句の果てには
「知ったところであまり役にたちそうでもないし、自分には直接関係ないからいいや」
と匙を投げた次第です。

私の場合、政治学の基本的な文献には目を通してきたので、
海外の政治思想などはなんとなくわかっているつもりですが、
自分たちの足元の政治メカニズムについては全くお手上げという
なんとも情けない状態がこれまで続いてきたわけです。

そんな矢先に見つけたのが森川先生のブログで、読んでみて目から鱗が何枚も落ちました。
このブログのお陰で、私は改めて政治メカニズムを勉強しようという気になったわけです。
というより、政治メカニズムを知らないと回りまわって自分に損害を及ぼすんだ、と気づかされたわけです。

どんだけ害があるかって?
現在70歳代の老人と、24歳~35歳くらいまでの世代間の受益格差を比べると
その差はなんと4000万円だそうです!!!!!!!!!!!!!!!

この原因の一つが、政治メカニズムを知らず、政治に興味を持たず、
選挙での投票をサボタージュする若者にあると知ったら皆さんはどうしますか?

何も知らずに将来的に負債を背負わされるのを良しとしますか?
そろそろ私たち24歳~35歳の若者(?)も
本気で政治を知らなきゃいけないみたいです。

そんなこと言われても、何していいかわからないし・・・と思ったあなた。
もうすぐ発売される森川先生の書籍をお読みなさい。
その名も
『若者は、選挙に行かないせいで、4000万円も損してる!? 
                        35歳くらいまでの政治リテラシー養成講座』

非常に長いタイトルですが、ここまで文章を読んでくださった方にはその意図が理解できるはずです。
今回改めて、この本とベースとなったブログを比較してみましたが、圧倒的に書籍のほうが
洗練されていますし、若者が知らなければならないポイントが明確になっています。
改めてブログから書籍になるための加工プロセスの凄さを思い知らされました。

大げさでもなんでもなく、この一冊があれば日本の政治のメカニズムが分かるようになっています。
この一冊を読んだ上で、新聞の政治・経済欄を読んでみると、見方が変わってきます。
少なくとも私は変わりました。

良くも悪くも凄い本というのは、読み手に甚大な影響を及ぼします。
本当にものごとを「知る」ということは、自分が「変わる」ということを意味します。
私の定義では、読み手を変えてしまう力を持った本、これこそが良書の条件です。
そういう意味で、私にとってこの本はまぎれもない良書です。

ページ数が206、Discover携書(新書サイズ)で、値段が1050円(税込)。
2時間くらいあれば読めてしまうはずですので、若者の必須リテラシーだと思って読んでみてください。


【目次】
はじめに

第1章 若者は政治によって損をしている!?
・世代会計からみた受益格差 14
・世代間受益格差は、世代間投票率の違い!?
・だから、若い人は損している
・世代別政治リテラシーの格差は?

第2章 主役は、「有権者」のはずだけど……
・ 「有権者」を政治学的に解釈すると……
・ 国会議員と有権者の関係は、八百屋さんとお客さんの関係と同じ!
・ 市場経済と違って競争が働いていない
・ ここまでのポイントを整理すると
・ 賢い人ほど選挙に行かない? 「合理的棄権仮説」
・ 賢い人ほど、政治に無関心? 「合理的無知仮説」
・ 政治リテラシーゼロの人は誰に投票すべきか?
解決策その1 「鉛筆を転がして決める」
解決策その2 候補者の「顔」で選ぶ
解決策その3 政党で選ぶ
解決策その4 小選挙区と比例代表を別々の政党の名前を書く
・ 政治リテラシーが高い有権者はどうやって候補者を選ぶべきか?

章末特別講座
最近の政治学の研究から1遺伝子レベルで投票行動は決まっている?
最近の政治学の研究から2「五感と選挙」

第3章 実は「国会議員」の力は弱い!?
・ 国会議員とは何をする人か?
・国会議員の権力は実は弱い
・「メジアン有権者の定理」
・日本共産党が弱くなると、自民党も弱くなる?!
・マニフェストは読む価値があるのか?
・国会議員の「派閥」
・民主党の派閥
・いったい何人、総理大臣が交代するのか?

章末特別講座 国会議員のバックグランド
その1 2世、3世、4世議員問題
その2 国会議員の学歴
その3 国会議員の性差
その4 国会議員の前職

第4章 「特別利益団体」を知らずして政治は見えない
・ 政治に絶大な影響力の特別利益団体
・特別利益団体と有権者、国家意義委員の三角関係
・切っても切れない? 特別利益団体と国会議員との関係
・パワーの源泉その1 政治献金
・パワーの源泉その2 組織票
・パワーの源泉その3 自民党員の影響力
・「特別利益団体」のことを知らないままでいていいのか?

章末特別講座 国会議員とお金
その1 政治献金額
その2 議員別高収入ランキング
その3 「政党助成金」とは何か?

第5章 「官僚組織」の「官僚組織」による「官僚組織」のための政治
・ 官僚は何のために働いているのか?
・官僚 ⇔ 有権者の関係は? 下僕ではなく、お上!
・官僚 ⇔ 国会議員の関係は? 法律作成も官僚にお任せ?
問題その1 官僚が法律をつくっている
問題その2 「過去官僚」の弊害
・ 官僚⇔特別利益団体の関係は? これぞまさしく「天下りシステム」
・提言! 官僚組織のあるべき姿とは?
提言1 人事権を国務大臣に
提言2 各種法人の統廃合の促進と天下りの禁止
提言3 財務省主計局の役割を内閣府に
提言4 中央官僚30万人のうち10万人は削減可能
提言5 民営化と地方分権の推進

第6章 政治を変えるのは、あなた!
・わたしたち有権者と「政治」と「政治学」
・実際の政治・政策への応用
・マクロ的見地から日本政治を考える

あとがき
参考文献


2009年6月20日土曜日

映画『トランスフォーマー リベンジ』を観ました


本日、奥さんと一緒に映画『トランスフォーマー リベンジ』の先行上映に行ってきました。

この映画、最高です。
今年19本目にして私がこれまでに観たSFアクション系の映画の中で文句なしのNo1です。
オプティマス・プライムがなんともいえないくらいセクシーでかっこよかった!!

バンブルビーは強くて可愛らしかった!!

そのほか、前作とは比べ物にならないくらい大量のロボットが出てきます。
キャストも前作とほぼ同じ人たちが出演していますが、
ロボットたちに負けじと皆それぞれ個性的でいい味出してます。

今回はストーリーもCGも文句なしの最高峰です。
オートボットをはるかに上回るディセプティコンのロボットたち。
圧倒的量の前に、今回はオートボットたちは苦戦を強いられます。
一人奮闘していたオプティマスも、生き返ったメガトロンに○○○ちゃうし・・・。


昔、調合金のロボットで遊んだことのある少年たちよ、
この映画は絶対に劇場の巨大スクリーンで観るべきです。

私はもう一回劇場で鑑賞することを決めました。


2009年6月17日水曜日

失われた風景-幼少の頃の思い出-

疲れてんのかな。最近よく幼少の頃を思い出す。

私が育ったのは宮城県の多賀城というところ。
普通に田舎なわけなのだが、自宅の目の前は山で、自然がいっぱいだった。
山には木々が生い茂り、タラノメやワラビがとれたし、夏にはカブトムシも取れた。
木々からたれている弦にしがみつき、ターザンごっこなんかもできた。
気味の悪い防空壕なんかも残っていたりしたため、自然と未知のいっぱい詰まった場所だった。
家の裏には沼があり、そこにはザリガニがいっぱいいた。
割り箸に糸をくっつけてその先にスルメヲ結わえる。
それを沼にたらしておくとザリガニがそのはさみでスルメヲ挟むので、
割り箸を引き上げればそれでザリガニさんが一匹連れるわけだ。

家の脇には小さいが公園があり、家を建てた記念に親父が桜の木の苗を植えた。
私の成長とともに苗は見事に成長し、小学校のときくらいにはお花見ができるくらいになった。
私はよくその公園で遊んでいたので、母は桜の木の成長と私の成長を重ね合わせてみていたようだ。

私が社会人になって東京に出てくるのと時を同じくして、目の前の山は切り崩され住宅街になった。
裏の沼も整備されて道路になった。家の脇の公園も取り壊され、それにあわせて樹齢20年近くになる
桜の木も伐採されてしまった。

桜の木の伐採を見ていた母は、息子の成長の思い出が失われたことを悲しんで泣いていたようだ。

私が幼少の頃ワクワクして過ごした山や沼や公園は、もう私の記憶の中にしか存在しない・・・。
思えば色んな場所で、色々な人たちに見守られながら成長してきたんだな。
失われた風景。二度とたどり着くことの出来ない自分の記憶が埋め込まれた場所。
そんなことを思い出したら少し切なくなった。

笑いの効用

誰しも仕事が忙しくなってきたりすると、極度の疲労と緊張で余裕がなくなってきます。
眉間に皺がよっちゃったり、顔から表情がなくなったり、目が血走っちゃったりシパシパしたりと
コミュニケーションも激減し、いつしか職場が殺伐としてきます。

こんなとき、よくリーダーはポジティブな発言をして場を和らげようとするものですが、
職場にいる戦士たちには意外と逆効果だったりします。
「ポジティブな発言する暇あんなら、さっさと仕事やってくれよ」とか、
「もともとこんな忙しくなったのはオメーのせいだろーが」とか、
「こんなときポジティブな正論はいいから、黙っててくれ」と・・・。

皆さんも経験がおありだったりするのではないでしょうか。
そんな時、皆さんがリーダーだったらどうしますか?

私が知っているスーパーリーダーは、こんなとき
場の空気が一瞬にして変わる天才的な冗談を言います。
そのくだらない一言により張り詰めていた緊張感が一瞬にして解きほぐされる・・・。
そしてその後にドッと起こる笑い・・・。
死の灰に覆われた職場に一筋の光明がさす瞬間。
皆の顔に失われたはずの表情が戻り、「しゃーねーなぁ、何とか頑張るか」というエネルギーを生み出す。
私はこの瞬間がなにより好きだったりします。

ほんと、この一瞬はスーパーアートだと思います。
そして、こういうときはこの人、笑いを絶対に外さないから参ってしまう。

極限の状態における冗談には高度な知性と教養が要求されます。
状況を読む観察力、緊張と笑いの差異を作り出す瞬発力、意外性のあるフレーズ。
皆の固定観念を少しだけズラして笑いを誘うセンス。

笑いは皆を救う!!

是非とも身に付けたいものです。





2009年6月15日月曜日

新人の方々へ「先輩講話」をすることになりました

標記の通り、今度、会社の先輩代表として新人の方々約50名に対して、
「先輩講話」なるものをやれと上司から指示が来ました。

まだ仕事もしていない人たちに対して先輩風吹かせて偉そうなこと言ってもしょうがないし。
かといって50分も時間もらっているわけなので、
ありきたりのことを話してもしゃべるほうも聞くほうも退屈だろうし・・・。

振り返れば仕事をして丸8年が経ちました。
インストラクターとしての自社キャリアが4年で、親会社への出向キャリアが4年です。
今の自分が入社時の自分に対して最低限何を伝えておきたいかなぁ・・・。

思えば、今の自分のキャリアがあるのは運と人との出会いが9割くらいですからねぇ。
運がめぐってきたり、出会いをものに出来たのは何なんでしょう?
運がめぐってきたのはチャンスを探し続けていたからかなぁ・・・。
出会いをものに出来たのは前向きで謙虚な姿勢と礼儀でしょうか。
それからいくばくかの専門知識と、他人より若干多めの情報量?

駄目だ、これくらいしか思いつかない・・・。

外は大雨です。
雨の音を聞きながら、今日はぼんやりこれまでのキャリアでも振り返ってみよーっと。

2009年6月14日日曜日

映画『ターミネーター4』を観ました


毎月14日はTOHOシネマズデイということで、映画が1000円で鑑賞できます。
そして、昨日から映画館ではターミネーター4が上映開始です(先週末に先行上映がありましたが)。

昨日は1日かけて奥さんとターミネーター1~3をDVDで観て、これまでの内容をおさらいし、
本日映画館にてターミネーター4を観てまいりました。

今年18本目の映画となりますが、個人的には滅茶苦茶楽しめました。
なんせこのブログの筆者、DVDは全部持っていますし、サラコナークロニクルもチェックしているくらいですから、
ターミネーターなら多少ストーリーが破綻していても許せてしまう・・・。

実際、T2からT3になったタイミングで「マジっすか?」とこれまでの世界観を
木っ端微塵にぶち壊してくれたわけですから、多少辻褄が合わなくても平気平気。
今回のT4もラストの展開で「エエぇーーーっ!!」となりましたが、まぁ、許してあげてください。

今回の映画の見所は、やはりアクションシーンです。
もう、あたり一面ターミネーターだらけなので戦わずにはいられない世界です。
その世界観たるや、ほとんどマトリックス・・・。
その機械たちも、人間を殺すためだけの機械なので躊躇が無く激しくて素晴らしい!!
マトリックスのセンチネルみたいな奴もでてくるし、大型ロボットもでてくるし、バイク型ロボットも出てくる・・・。
もう、私の中の少年の心は120分間刺激され続けました。

あー、中身は無いけど楽しかったー。
機械やロボット映画の好きな男の子達よ。是非ともこの迫力は映画館で観るべきですぞ!!

(注意)
T1~T3を観たことが無い人は、必ずDVDで予習しておいたほうがいいです。
じゃないと、一体何なのこのストーリー?となりますよ。
私の後ろにいたカップルの女の子が、男の子に話の流れが全然わかんなくて面白くない、
とブーたれていました




2009年6月11日木曜日

人は死ぬから生きられる/茂木健一郎・南直哉

真にラディカルな思想、それはゴーダマ・シッダールタの方法なのかもしれない・・・。



最近、あるきっかけをもとに茂木健一郎さんについていろいろ知りたくなりました。
そのきっかけは、梅田さんのブログを読んだことです。

茂木さんの講演「いかに生きるか」

茂木さんは自分が行った講演の内容を音声データとして
ご自身のサーバにて無料で公開されています。
梅田さんのエントリーは、そこで公開された「いかに生きるか」という講演についてのものでした。

わたしも4,5日前にこのブログを読み、早速、
音声データを自分のiPhoneにダウンロードし講演を聴いてみました。
1時間を超えるその講演を聴いてみて、私は正直以外でした。

ああ、茂木さんってこんなにも知的に誠実で、思考スピードが速く、
生きること・考えることに情熱を持っているひとなんだ、と。

そこにいた茂木さんは、「プロフェッショナル 仕事の流儀」などのTV番組、
もしくはその書籍で見せる顔とはちょっと違っていました。

正直、茂木さんが巻き起こす熱風にあてられました。
たぶんね、これ私の中に出来た茂木クオリアですよ(笑)。

脳科学者やテレビで司会するひと、などというレッテルを全部引き剥がして、
ひとりの生きることに真剣な人間としてその著作に接しないとまずいぞ、
という直観が私のなかに走りました。

後はよろしく、本屋に直行です。
もう仕方ない、と財布の事情は無視し、店頭にある茂木さんの著作を
片っ端から手に取り、レジに直行、御代はX万円でした。
いいんだ、いいんだ、金は問題じゃない、と強がりつつ自宅に戻り
最初に手に取ったのが今回紹介する『人は死ぬから生きられる』です。

この本は禅僧であり、あの霊山として知られる恐山の院代をつとめていらっしゃる
南直哉(みなみ じきさい)さんとの共著、というか対談本になります。

対談本の本当の面白さというのは、緊迫した知的にスリリングな展開がなされることにある、
というのが私の持論なのですが、この本はそういう意味で掛け値なしです。
茂木さんも大したものだと思いましたが、それ以上にこの南直哉さんが素晴らしい。
その思想は図抜けていると思いました。
そして、南さんが紐解く仏教という教えが、実は真にラディカルな思想なのではないか
という思いを強くしました。

私自身、あまり仏教に明るくはありませんが、
南さんの口から紐解かれるゴーダマ・シッダールタの教えは本当に凄いと思いました。
ある意味、私がこれまで考えてきた「生きるという方法」を何千倍もシャープにして
かつ言葉にしてくれているような印象を持ちました。

以前のエントリーでも紹介しましたが、私は不条理な英雄というものにもの凄く心を奪われます。

そこには何かしら、私にとっての生きるという意味が隠されていると思っているからです。
あらゆる思索の原点となるべき恐ろしい問い。

「何のためにうまれて、なにをすべきで、死んだらどうなるんですか」

この問いに対する、真にリアリティのある一つの解釈。
それが私にとっての不条理な英雄です。


この本を読んでわかったこと。
それは、ゴーダマ・シッダールタという人物が、
不条理を引き受けてかつ死ぬまでその思索をやめなかった英雄だということです。

不条理な英雄、再び・・・。
ほんと、この本に出合えてよかったと心から思います。
嬉しかった。励まされた。突き放された。気づかされた。

仏門に入るつもりは全くありませんが、私はゴーダマ・シッダールタの教え、
それから空海や道元を初めとする日本仏教界の革命児たちの教えを
真剣に勉強しようと思いました。

ウィトゲンシュタインよりもラディカルな思想ってあるとおもいますか?
この本を読んで、南直哉さんの声を静かに聞くといいですよ。

発言をいくつかご紹介しようと思いましたが、やめました。
紹介したい話が多すぎて意味がなくなってしまうからです。

思考のきっかけとして一つだけ・・・

存在することというのは、根本的に破綻している。
破綻しているものが存在している。

生きるという方法を探してみてください、この本を読んで。