2009年5月28日木曜日

ムダの中に潜む豊かなコミュニケーション

世の中、百年に一度の不況といわれています。
個人的にはほんとに百年に一度といわれるほどの未曾有の不況なの?
と疑問を抱かずにはいられませんが、不況であることに変わりはないでしょう。

市場の状況を省み、おそらくどこの会社でも改善や効率化などが
トップダウンで下されているのでしょうね。

さて、今回のエントリーでは改善や効率化の
思わぬ落とし穴について考えてみたいと思います。

考えるきっかけとなったのはあるコンピュータシステムの導入でした。
コンピュータシステムの導入を行うくらいですから、もちろんその企業には
導入対象となる業務において何かしらの問題を抱えているわけです。

コンピュータシステムの導入を企画した人たちは、現状業務の問題点を分析し、
無駄な作業はやめたり、自動化できそうな作業はコンピュータシステムにより
自動化したりと、改善や効率化を追求すべく様々な検討を重ねシステム導入を行います。

きちんと計画されているシステム導入であれば、導入後の業務はそれなりに改善・効率化されます。
このプロジェクトでは、これまで10の作業プロセスを20時間(約2日)かけてこなしていたものが、
システムの導入により6つの作業プロセスまでスリム化することに成功し、
作業全体は3時間で終わるようになりました。

コンピュータシステムの導入という意味では、このプロジェクト、大成功です。
予算内でシステムも導入できたとのことでしたし。一見、バンザイです。

しかし、企業の経営活動といったより大きな視点で物事を見たときに、
改善されたはずの業務の前後の業務で色々な問題が発生してきました。
突き詰めると、それはコミュニケーションの問題だったんだそうです。

コンピュータシステムが導入され、人手の介入を必要としなくなったぶんだけ、
本来行うべき人間系のコミュニケーションがすくなくなってしまったんだとか。
コミュニケーションが少なくなった分、意思疎通が滞り、くだらない連絡ミスや不適切な指示、
フォー・ザ・チームの精神なんかが薄れてきてしまい、業務トータルでみて
大きく生産性がさがってしまったとのこと。

なんでも聞くところによると、システム導入前は、10プロセス20時間をかけて、無駄の多い仕事を行う中で、
新しい企画のネタや部門間の課題の共有・相談、人事情報のやり取りなどがリーダ間で行われていたそうです。
業務的には合理性にかけるプロセスだったわけですが、業務全体でみると、そのプロセスは
課題解決の場としても機能していたことが、場を失うことで理解できたんだそうです。
効率化により無駄な作業は確かに減ります。
一見馬鹿馬鹿しい作業が消滅するわけですから見かけ上は効率化成功です。
しかし、改善・効率化の計画を立てるときに、リーダーはよくよく慎重になる必要があります。
無駄な作業と思われているものの中に、社員がゆっくりモノを見たり、聞いたり、
考えたりする学びの場が隠されていたりはしないかと、注意深く観察しなければなりません。
私たちは無くしたモノやコトガラによくよく自覚的でなければならないのではないでしょうか。
すくなくとも、無くしたものに敏感である必要があります。
失われたものが大事なものであれば、どこかで埋め合わせをしなければいけません。
これができないと企業は効率化と共に徐々に徐々に組織レベルの問題解決力を失っていくはずです。
行き着くところは無駄のない高度に効率かれれた壮大なルーチンワークだけというのでは本末転倒でしょうから。

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