2008年11月25日火曜日

吉村昭訳『平家物語』を読んだ

諸行無常、盛者必衰という完全な予定調和とわかってはいるけれど、
それでも読む人を魅了してやまないのが平家物語。
和文脈と漢文脈に口語の会話体を混用した、和漢混淆文で作られる
日本文学最強の軍記物語・・・そして私が一番好きな古典、それがこの平家物語である。

今回読んだのは、歴史作品で定評のある、吉村昭さんが現代語訳したものである。
このあいだ、紀伊国屋の文庫棚をボーっと眺めていたら、この本が目に入って即買いした。

原文は岩波文庫、漫画は横山光輝、小説は吉川英治とさまざまな平家物語に触れてきましたが、
現代語訳を読むのは今回が初めてだった。一気に読むのはもったいないので、
毎日昼休みに会社で少しづつ読んで、ようやく本日読破。

やっぱりイイネェー。
私は、勃興する源氏よりも、滅びの美学を身をもって示してくれる平家の皆さんが好きです。
その滅びの有様は日本の歴史が続く限り消えませんぞ!!
平家の皆さんを滅亡に追いやった源氏の方々も、
清盛に命を救われた恩を忘れた罰か、頼朝、義経(ちびで出っ歯)ともに
最後は没落したではないか・・・。
登場人物全員が盛者必衰と諸行無常のカルマからは逃げることができない。
それこそが私にとっての平家物語の魅力である。
※頼朝だけは本作品の中では没落しないが・・・結局3代しか続かなかったよね。


滅びるならじたばたせずに滅びよ。武士ならば命より、名こそ惜しめ。
現代社会の倫理観からすると野蛮で粗野な感じがするこの「名こそ惜しけれ」の精神こそが、
私をひきつけてやまない精神である。

あ、それから一言。
この本は平家物語の完全現代語訳ではなく、本編から冗長なところは省いてある
抄訳版とでもいえるものである。でも十分読める!!

日本人であれば、老いも若きも死ぬまでに一度は読むべき古典ですぞ。




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