先日、本ブログに佐藤優さんが推薦する100冊をリストアップしました。
この中にランクインしている坂東眞砂子さんの『死国』を読みました。
この『死国』という作品については、数年前に映画を見て、知っていました。
映画のほうはというと、確か栗山千明のデビュー作だったような・・・。
テーマ自体は非常に惹かれましたが内容は、散々だったのを覚えています。
今回、書籍の方が推薦されていたので、あらためて読んでみたくなった次第です。
評価:★★★★☆
個人的にはかなり好きな作品です。
私は角川系のホラーが大好きなのですが、
著者の坂東さんが描くような、日本人の土俗的な感性を刺激するような
ホラーが特に好きなんですよね。
最近、白川静先生の著書を手がかりに中国と日本の古代文化を勉強しているのですが、
そういう意味でも、この作品はビンゴでした。
日本の古代を探るときに、その呼び名と呼び名に当てはまる漢字というのが
文化を探るヒントになることが最近わかってきて、かなり面白い。
皆さん、死と国という漢字の語源ってご存知ですか?
死・・・歹(がつ)と人(ヒ)(ひ)とを組み合わせた形。歹とは死者の胸から上の残骨を現す。
国・・・もともとは口(い)と或(わく)が組み合わさってできた漢字で、
或は口(都市をとりかこんでいる城壁の形)の周辺を戈(ほこ)で守ることから起こった文字。
四国には八十八箇所の霊場があるそうです(行ったことも見たこともありませんが・・・)。
ここをお遍路さんという修行者が右回りで全部の霊場を巡ることで、霊的な
バリアを四国に対して張るそうな・・・。なぜかというと四国というのは、古代日本においては
黄泉の国、つまり死んだ人たちの霊が集まり祖霊となって留まる場所(死国)だからだそうです。
と、前置きはこのくらいで、簡単に作品を紹介。
この作品は、四国の高知県が舞台になっています。
二十年ぶりに、故郷である高知の矢狗村に戻ってきた主人公のヒナコは、
幼馴染のサヨリが十八年前に事故死していることを知ります。
幼馴染の死にショックを受けつつ、その上、サヨリの母親であるテルコが
亡きサヨリを黄泉の国から呼び戻そうと、禁断の「逆打ち」という逆方向のお遍路を
サヨリがなくなった年である15年をかけてやり遂げたことを知ります。
死者の数だけ、八十八箇所の霊場を逆に巡ると、死者が甦るそうな・・・。
はたしてサヨリは甦るのか、禁断の技を使ってまで娘を甦らせる母親の思惑とは?
ヒナコは帰郷の際、初恋の人であるフミヤと恋に落ちるがその先には何が・・・。
傑作です。
日本の文化って妖しくて、儚くて、ちょっと不気味で、壊れやすそうで
非常に奥が深く味わい深いものなのだということに気づきました。
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