2008年10月26日日曜日

映画『明日、君がいない』を観た


最近、風邪を引いたせいで調子が優れません。
週末、映画を観に行きたかったけど、それも叶わず・・・。

というわけで徒然なるままにひぐらし、だったので
レンタルしてきた標記の作品を観ました。

評価:★★★★★

胸が締め付けられるような、重苦しくも
切なく美しい映画でした。




まず、このタイトルがよく出来ていると思います。
明日、君がいないってどういうこと?と、私の脳裏に印象深く残り、今回レンタルした次第です。

話は、オーストラリアのある高校にて、ある人物が自殺したところから始まります。

そして、その後話しはその人物が自殺する前日に戻り、
その高校に通う数人の若者を中心に進んでいきますが、またこの若者それぞれが持っている
事情というのが凄いんだわ。

多少、ネタがばれてしまうかもしれませんが・・・
妹をレイプした近親相姦な男。マッチョで彼女もいるイケメンだが、実はホモな男。
ホモを公言して誰からも相手にされず孤独にさいなむ男。
体に障害があるため、授業中に失禁してしまい周りから蔑まれる気弱な男。
妊娠した事実を誰にも相談できずに苦悩する女。
結婚を夢見、彼氏を一途に愛するが、相手がホモであるため
時々ツレナクされて嘆く女。一見幸せそうで、周りを気遣う優しい女。

そんな彼らの日常、そして苦悩が複数人の視点でオーバーラップされながら
話は静に進んでいきます。外見とは裏腹に彼らはそれぞれが孤独で、その描かれ方から
一体、最後に自殺するのが誰かなんて全然分からなくなっています。
まるでミステリーか、と思えるほどの映画です。

ですが、この映画には映画特有の予定調和的ないやらしさが全然なく、
常に淡々と、時に美しく、時に残酷な若者の日常が描かれています。
この映画を観ていて、大人より、ある意味自由の少ない若者の方が
苛酷な環境にいるのではないかと思いました。

若者という人生のある期間というのは、多感であるため、ある意味不安定な時期だと思います。
周りの人の何気ない一言が、自分にとって非常に励みになったりする一方で
自分の居場所を根こそぎもっていかれたかのように受け止めちゃったりする場合もあるわけです。

自分にとって辛くて仕様がない事象が、自分の管理不能なところで発生し、
自分に降りかかってくることだってあるわけですから、本当に若者の青春時代というのは
ある意味、人生で一番難しい時期だと言えるのかもしれません・・・。

そんな若者に大人たちが「時間が立てばわかる」とか「大人になれば分かる」とか
いったところで何の足しにもなりはしないんですよね。
そりゃ、時間が立ったり大人になって振り返れば分かるのかもしれませんが、
当事者である若者にとって必要な救いは「今」なわけですから、
大人の何気ない、悪気のないそういう台詞こそ、若者からすれば「お前ら死ね!!」とか
「うっせー、俺にかまうな!!」ということになるのでしょう。

そんなことをぼんやり考えさせられながら、話は終章に向かいますが、
最後は「エッ!!」という展開である人物が自殺して終わります。

ちょっとビックリでしたが、彼らの人間模様を見ていて必ずしもこの結末に異論はありません。


ストーリーの良さ、映像美、音楽のチョイス、どれをとっても素晴らしい
非常に考えさせられる映画でした。

0 件のコメント: