2008年9月28日日曜日

平野啓一郎の最新作『決壊』を読んだ

私の書籍購入としてはいつ以来になるでしょう・・・。
ほんと数年ぶりにハードカバーの小説を購入しました。

それが今回紹介する平野啓一郎さん著の『決壊』(上・下2巻)です。
800ページくらいある長編小説ですが、
昨日の夜24時くらいに読み始めたら止まらなくなり、
朝の8時くらいまでかけて一気に読み終えました。

評価:★★★★★

ここ数年で読んだ小説の中で一番読み応えのある小説でした。
私自身、平野さんの著書はデュー作と2作目しか読んでいませんでしたが、
先日ウェブ人間論を再読してまた急に興味が湧いていたところにこの小説です。
改めて平野啓一郎と言う作家はスゴイと思いました。
難しい、というか私にとっては意味不明な著作もありましたが、
やっぱり天才だったんですね。

私がこの作品を素晴らしい、というか完璧と思った理由は幾つかあります。

まず1つ目。
小説のテーマが社会と接点のあるものであるときに、
小説の枠を越えて社会に大して本気でメッセージを投げかけるには
どのようなストーリー展開が必要なのかを意識して書かれている点。

私自身、小説が小説という枠を越えて社会に問いかけを行うときには、
小説が持っている予定調和的なストーリーでは絶対駄目だと思っていました。
「結局は、もしくは所詮は小説の中の話だろ」という印象を読み手に与えて話が終わっては、
届けるべきメッセージが届かないと思います。
そのような小説としては、届けたいメッセージが、読み手にエンターテイメントとして消費されて
終わってしまうと思うからです。

ふつうなら陥るであろう予定調和を最後に持ってこない展開にしたところが、
この作品が、すくなくとも私には、そのメッセージを届けることに成功した理由です。



次に2つ目。
この小説には、普段人間が意識しない道徳や常識の起源を(ニーチェ的には道徳の系譜)、
芸術家特有の感性のナイフにより抉り出して読者に突きつける点です。

私にとって、この作品はドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』や
ニーチェの哲学につながるような思想的問題を、著者なりの解釈で問い直したような小説です。
競争社会におけるストレス、格差、学校でのいじめ、不登校、人が持つ二面性の問題、など
現代社会が抱えている問題を織り交ぜながら、思想的問題を読み手に問いただしていく
アプローチは非常に上手く書けています。

現代は様々な情報が溢れているため、昔のように同じ体験や情報を共有したりすることにより
醸成される共同価値観というものが急速に失われているような気がします。
※ある意味、ウェブ時代の人間は特にこのような状況に晒されているのかもしれません。

そのような世界において人が行き着く先は、現状の社会を成り立たせているシステムの
思想的な見直しだったりするのではないでしょうか。そしてそこにその社会の持つ道徳の
欺瞞性を見抜くことでしょう。そこを小説家の想像力で生々しいまでに描いたのが
この作品の魅力だと私は考えます。


最後に3つ目。
先の2つとも関係してきますが、ひとえにこの作品が私にとって非常にリアルであること。
もうこれについては「読んでみて!!」としかいいようがありません。


おまけで、欠点を1つ。
この本、ページをめくり続けていると手が真っ黒になります。
全体が黒インクまみれの装丁(パット見はオシャレ)であるため、
ページをめくると手にインクがついて、本体の真っ白い部分に
指紋がペタペタついてしまった・・・。



結び。
上記に「読んでみて!!」と書きましたが、この本を読んで読み手は
一切救われなくなる気分になると思います。
道徳的な方は読んでいて気分が悪くなるかもしれません。

ニーチェの哲学が問いかける以下の質問や回答に耐えられますか?
耐えられるのであれば、読んで見てください。


問い:なぜ人を殺してはいけないのか?

答え:この問いには答えがない。

ニーチェの究極解:
重罰になる可能性をも考慮に入れて、どうしても殺したければ、やむを得ない。
※究極的にはそうすべきだ、という思想がニーチェである。
  自分がいつ死んでも良いと思っているものに対しては、いかなる倫理も無力です。
  自分の生の肯定こそが倫理性の基盤であって、その逆ではないというのがニーチェの主張。


以下は、YouTubeに掲載されている、著者本人が語る本書についてのメッセージ
http://jp.youtube.com/watch?v=xIFG2KF8zj0



Amazonからの購入はこちら。







2008年9月26日金曜日

聖書と私

本棚をあさっていたら、聖書がでてきた・・・。
私は高校時代を私立のキリスト教系の高校で過ごした。
そこでは毎朝、礼拝を行ってから授業が始まる。

キリスト教系の高校だけあって、
礼拝では毎日先生がかわりばんこに聖書の一節読み上げ
賛美歌を歌い、祈祷をしてから授業が始まる。

私自身まじめに礼拝は受けていなかったが、
朝の貴重な時間を無駄に過ごすのもいやだったので、
神話としての聖書を読む時間にしていた。
おかげで高校を卒業するまでの間に聖書を読破することも出来た。

聖書の中の神様を信じることは出来なかったが、
キリスト教という世界を垣間見ることも出来たし、
欧米圏はその文学的・哲学的ルーツにキリスト教が深くかかわっていることも
なんとなく実感できた。

それなにり聖書には人間関係において
原理・原則ともよべるような話が書いてあるのだ。

もう覚えていないが高校生なりに色々と感じるところがあったのだろう。
読み返してみるとあちこちに線が引いてあり、自分が納得できないところには
「神の意図が不明。聖書の時間に牧師と勝負!!」なんていう馬鹿な書き込みがあったりする。


こういう経験が今にして思えば自分を形作ってたのかなぁ、なんて思ったりしている。

聖書の中で私が好きだった「コヘレトの言葉」の以下の箇所に線が引いてある。
懐かしくなったので以下に引用する。
皆さんも自分のルーツが分からなくなりそうになったときは、
息抜きに以下の言葉を思い出してみてはいかがだろうか?


聖書 コヘレトの言葉(伝道の書) 12.1-2より

"青春の日々にこそ、お前の創造主に心を留めよ。
 苦しみの日々がこないうちに。
 「年を重ねることに喜びはない」と言う年齢にならないうちに。
 太陽が闇に変わらないうちに。
 月や星の光がうせないうちに。
 雨の後にまた雲が戻ってこないうちに。"


日常の忙しさにかまけて、自分を自分たらしめている
コア(核)を忘れないようにしたいものだ。

2008年9月25日木曜日

佐々木俊尚さんの『ブログ論壇の誕生』を読んだ

今日はこの間の連休中に読んだ本をご紹介しようと思います。
その本が、佐々木俊尚さんの近著『ブログ論壇の誕生』です。

本当は佐々木さんの『グーグル 既存のビジネスを破壊する』を買いたかったのですが、
あいにく品切れだったため、店頭に並んでいたこちらの作品を買って、その日のうちに読みました。

佐々木さん、流石はジャーナリストだけに、ブログ界隈の光と闇の部分を
一定の距離から冷静にまとめてくれています。

いわゆる知識人と呼ばれる人たちの独壇場であった「論壇」が、
雪崩を打つような激しい勢いでインターネットの世界へと、要はブログ論壇へと
移行し始めている、というのがこの本の結論です。
そして、その潮流を説明すべく、具体的な例をいくつも取り上げながら
ブログ論壇の特徴を分析しています。

私自身、ブログを書いていますし、結構他人のブログも読むほうなので
とりたてて目新しいところはありませんでしたが、ブログ論壇というネーミングセンスと
ブログ論壇の全体像を的確に表現しているので、一読の価値はあると思います。

目次構成はこんな感じです。

はじめに―ブログ論壇とは何か
1部 ブログ論壇はマスコミを揺さぶる
 第1章 毎日新聞低俗記事事件
 第2章 あらたにす
 第3章 ウィキペディア

2部 ブログ論壇は政治を動かす
 第4章 チベット問題で激突するウヨとサヨ
 第5章 「小沢の走狗」となったニコニコ動画
 第6章 志位和夫の国会質問
 第7章 阿部の窮地に暗躍した広告ロボット

3部 ブログ論壇は格差社会に苦悩する
 第8章 辛抱を説く段階への猛反発
 第9章 トリアージ
 第10章 承認という問題
 第11章 ケータイが生み出す新たなネット論壇世界

4部 ブログ論壇はどこへ向かうのか
 第12章 『JJ』モデルブログ
 第13章 光市「1.5人」発言―ブログの言論責任は誰にあるのか
 第14章 青少年ネット規制法
 第15章 「ブログ限界論」を超えて

おわりに
あとがき
特別付録/佐々木俊尚が選んだ著名ブロガーリスト










おまけ特典
以下は佐々木さんが選んだ著名ブロガーのサイト


404 Blog Not Found 
【A面】犬にかぶらせろ!
Ad Innovator
anti-monosの新メディア論
ARTIFACT-人工事実-
B3 Annex
benli
bewaad dinstitute@kasumigaseki
blog.bulknews.net
B-log Cabin TP
Blog vs. Media時評
Chikirinの日記
DESIGN IT! w/LOVE
earthhopper
esaka takeru's memo
FIFTH EDITION
fladdict
FPN-新規事業とイノベーションを考えるビジネスニュースコミュニティ-
f/x ITメディア・タンク
GIGAZINE
Going My Way
GoodPic.com
Graphic Wizard's Lair
Heartlogic
huixingの日記
H-Yamaguchi.net
isologuejkondoの日記
Joi Ito's Web-JP
KAGAYA.COM /Thinking Note
Kokepiの日記
Life is beautiful
Log the Endless World
◆mediologiccom/weblog←サイト見つからず・・・
[mi]みたいもん!
MIYADAI.com Blog
muse-A-muse 2nd
My Life Between Silicon Valley and Japan
[N]ネタフル
naoyaのはてなダイアリー
NC-15
Nothing ventured,nothing gained.
Ohnoblog 2
On Off and Beyond
Parsleyの「添え物は添え物らしく」
PASONA TECH あすなろBLOG
pikarrrのブログ
POLAR BEAR BLOG
R30::マーケティング社会時評
Rauru Blog
reponの日記
s@s
suadd blog
TechCrunch Japanese
teruyastarはかく語りき
Thirのはてな日記
TOBYO開発ブログ
tokuriki.com
Webコンサル屋始末帳
Web屋のネタ帳
ZEROBASE BLOG
愛・蔵太のもう少し調べて書きたい日記
秋元@サイボウズラボ・プログラマー・ブログ
東浩紀の渦状言論
阿部重夫編集長ブログ
アンカテ
生きてみた感想
偉愚庵亭録
池田信夫 blog
◆痛いニュース
◆板倉雄一郎事務所
◆市川茂浩のブログ
◆歌田明弘の『地球村の事件簿』
◆内田樹の研究室
◆江島健太郎/Kenn's Clairvoyance
◆絵文禄ことのは
◆おおすぎ Blog
◆大西宏のマーケティング・エッセンス
◆荻上式BLOG
◆奥村徹弁護士の見解
◆おまえにハートブレイク☆オーバードライブ
◆音楽配信メモ
◆女。京大生の日記
◆会社法であそぼ
◆革命的非モテ同盟
◆カトラー:katolerのマーケティング言論
◆カナダde日本語
◆かなろぐ
◆感じない男ブログ
◆ガ島通信
◆奇刊クリルタイ
◆きっこの日記
◆狐の王国
◆木走日記
◆キャズムを超えろ!
◆教育のヒント
◆極東ブログ
◆切込隊長BLOG
◆キリンが逆立ちしたピアス
◆栗原潔のテクノロジー時評 Ver2
◆玄倉川の岸辺
◆けんじろうとコラボろう!
◆広告β
◆広告会議
◆ココロ社 ほのぼの四次元ブログ
◆こころ世代のテンノーゲーム
◆小鳥ピヨピヨ
◆小林恭子の英国メディア・ウォッチ
◆債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら
◆最終防衛ライン2
◆崎山伸夫のBlog
◆去りにし日々、今ひとたびの幻
◆ザイーガ
◆しあわせのくつ
◆シートン俗物記
◆市場通信
◆週刊オブイェクト
◆趣味のWebデザイン
◆少年犯罪データベースドア
◆新・後藤和智事務所
◆新小児科医のつぶやき
◆ジェット・ラグ
◆事象の地平線
◆情報考学 Passion For The Future
◆スタンドアップ おきあがりこぼしブログ
◆すちゃらかな日常 松岡美樹
◆想像力はベッドルールと路上から
◆高木浩光@自宅の日記
◆たけくまメモ
◆武田圭史
◆竹橋発
◆誰も通らない裏道
◆地政学を英国で学ぶ
◆ちょーちょーちょーいい感じ
◆賃貸を面白くするためのメルクマール 新館
◆適宜覚書はてな異本
◆天漢日乗
◆木偶の妄言
◆ニセモノの良心
◆『日常生活を愛する人は?』-某弁護士日記
◆猫を償うに猫をもってせよ
◆博士の独り言
◆ハコフグマン
◆濱野智史の「情報環境研究ノート」
◆売文日誌
◆パンダマンさんの「凶悪犯罪増加の誤解を解くページ」
◆漂流する身体
◆ひろゆき日記@オープンSNS
◆備忘録ことのはインフォーマル
◆瓶治郎の現代詩
◆風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る
◆古川亨ブログ
◆ブログヘラルド
◆分裂勘違い君劇場
◆ホームページを作る人のネタ帳
◆増井俊之の「界面潮流」
◆ミッドナイト・ホームレス・ブルー
◆未来のいつか
◆メディア社会論備忘録
◆メディア・パブ
◆[モ] Modern Syntax
◆モジモジ君の日記。みたいな
◆元検弁護士のつぶやき
◆(元)登校拒否系
◆湯川鶴章のIT潮流
◆酔うぞの遠めがね
◆世に倦む日日
◆レジデント初期研修用資料
◆私が知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
◆渡辺聡・情報化社会の航海図

スンマセン、追加分はリンクつける前に力尽きた・・・。

【追記】
上記リストのうち、私が自分のRSSに登録していたり、
一度のぞいて知っていたブログの数は半分くらいでした。
今回、書籍からリストを転記してリンクを貼る作業をやっていて気づいたのですが、
ブログのホストがhatena系のものがかなり多い・・・。

別にブログのホストが同じだからといって
ブログの中身が一致するとは限らないが、
それでもちょっと情報のソースに偏りあったりするのかねぇ、
なんて思ってしまう。

この本のテーマ自体、じつは意外と偏ったブログソースで
作られてたりするのかな?

わかるひといたら是非コメントを頂けませんか?
教えを請いたいと思います。

よろしくお願いします。

2008年9月24日水曜日

映画『蛇にピアス』を観た

本日、会社の帰りに川崎チネチッタにて
『蛇にピアス』を観ました。

この作品は2004年に芥川賞を受賞した
金原ひとみの作品を、
蜷川幸雄が映画化したものです。





評価:★★★★☆


私自身、原作は読んでいませんが、それなりに今風のストーリーで
映画としてはまずまずの出来だと思います。

この映画に私は4つ星をつけましたが、その中の星3つは
主演の吉高由里子ちゃんが体当たりで望んだ痛々しいまでの演技に対してです。
彼女、フルヌードで体当たり演技をしていますが非常に素晴らしい。
今年の日本アカデミー女優賞は彼女にあげるべきかと思います。
※男優賞はもちろん松山ケンイチ

主な見所はそれくらいでしょうか・・・。

ストーリーは大して面白くもつまらなくもありませんでした。
若い女の子が自分の生を実感することが出来ず、人体改造やらSMやら刺青やらに
手を出して痛みを通して自分を認識していくという話です。

人が社会との連帯感を失って、いわゆるアノミー状態になると、最後に自分を自分として
認識できるのは自分の五感(視覚・味覚・聴覚・嗅覚・触覚)だけになり、その中でも
特に自分を認識するためには非日常が必要になるわけだから、自ずと触覚、
それも痛み(もしくは快楽)に走るというのが私の考え。

そういう意味では、芸術的な要素を抜きにするとフツーのストーリーです。

ただね、監督が蜷川幸雄だけあって、限られたスペース(建物の中とか)の中で
上手く空間を作り出すことに関しては、「流石は舞台芸術家!!」といった感がありました。
しかし、限られないスペース(町の中とか、人ごみとか)をスクリーンの枠に切り取るという
部分については荒削りというか、ちょっと下手な感じがしました。
特にオープニングのシーンとかは、ちょっと下手かもって思っちゃいました。


いずれにせよ、なかなかの映画ですので、映画好きな方は映画館で観てはいかがでしょうか?
※音を含めて、物理的に痛みを伴う描写が苦手な方はやめておいた方がいいかも。

2008年9月23日火曜日

ノカイドウ、トリトマラズ・・・


長かった連休も今日で終わりです。
といっても、特別何をするでもなく
読書に勤しむ一日でした。

評論モノを中心に色々と読んでいたのですが、
ちょっと疲れてきたので「小説でも」と思って
読み出しているのが
『トマラズの木』という小説です。





※上の写真はノカイドウといって、世界中でえびの高原にしか自生していない木です。

実はこの小説、私の友人である
ソラセミ君が書いた作品です。
ソラセミ君は、まだ、小説家ではないので
残念ながらこの話自体は本になっていません。

私自身、彼から郵送してもらった原稿を
布団の上でペラペラとめくりながら読んでいる途中です。

まだ完読はしていませんが、読んでいて思ったのは
「こいつ、小説のプロットや文章が上手になっている!!」ということです。

別に、以前の作品がへたくそというわけではありませんが、
今回の作品は話の構成などが、非常に読ませるものに仕上がっているな
というのが正直な実感です。

本屋に並べたり、賞を取るにはもうチョイかもしれないけど、
友人の活動の成果が読み手に明確に伝わるくらいのレベルになっているというのは、
友人としても嬉しいもんです。

この調子で専業小説家をめざしてくれよな、ソラセミ氏よ。

映画『ミスト』を観た


スティーブン・キング原作の映画
ミスト(霧)』をDVDで観ました。


先日観た『クローバー・フィールド』のDVDに
この作品の予告が流れており、
「衝撃のラスト15分」というキャッチコピーに
引かれて鑑賞することに・・・。

評価:★★★★★
※キング的作品という意味で5つ星



私は個人的にスティーブン・キングの作品が好きで、
これまでかれの小説や映画を読んだり観たりしてきました。

キングの作品っていろんな意味で面白いんですが、
特に私が好きな理由にホラーストーリーにおいて、
極限まで追い詰められた人間の心理描写や行動パターンが描かれている(ことが多い)点です。

戦争モノとかにもよくあるじゃないですか、平時だとまともで理知的な判断を下せる人物が
異常時において人格が崩壊し、傍から観ると愚かとしか思えない行動をとって
自我を安定させていくシーンというものが。
キングはあの辺の描写が天才的に上手いんですよね。

今回紹介する作品でもその辺のシーンが上手く描写されていて必見です。


さてストーリーですが・・・
「ある町に大嵐が襲ってきます。大嵐によって酷いダメージを受けた町に、
止めを刺すような霧(ミスト)が発生します。単なる霧かと思ってその中に入っていった人たちは
悲鳴を残して二度と戻ってはきません。異常を感じた町の人々は霧から身を守るべく
町のスーパーマーケットに避難しますが極限状況下におかれたときに
敵はなにも霧だけではなかった・・・見たこともない恐怖のなかで人々は最悪の選択をしていく」

と言った感じのお話です。


Amazonで購入される方はこちらからどうぞ。




こちらは原作。原作は200ページくらいですが、面白いですよー。

映画『ウォンテッド』を観た

本日、映画『ウォンテッド』を観ました。

本当は先週、先行上映時に
観たかったのですが、
都合がつかず、今日見てきました。

予告で流れていたムービーが
メチャクチャかっこよかったので
かなり期待していたのですが・・・。

評価:★★☆☆☆



個人的には正直ガッカリしました。


主な見所は弾道を自在に操りながら戦う銃撃戦と(一つ目の★)、
主人公の男性が試練を乗り越え、ヘタレ野郎から凄腕の暗殺者に
変貌していく過程(二つ目の★)でした。
特に後者は見る価値があると思います。
※表情一つで切れ者と駄目男を演じる演技力には感服。

でも、私にとってはただそれだけの映画です。


暗殺者ネタの映画としては、ストーリーはありきたりだし・・・。
結構バカバカしい映画です。


このバカバカしさは、最近見たロシア映画『ナイトウォッチ』『デイウォッチ』に
通じるなーと思って、ググってみたら・・・なんと同じ監督が撮影しているではないか!!
私の中では、やたら騒々しいけど中身無い典型の映画でした。

2008年9月22日月曜日

知の開放「Stanford Engineering Everywhere 」

米国のスタンフォード大学が、
Stanford Engineering Everywhere(SEE)
というサービスを始めました。

スタンフォード大学のエンジニアリング(コンピュータサイエンス系)コースを
無償でネット公開するというものです。

スタンフォードといえば、シリコンバレーの知的震源地!!
そこで行われているプログラミングだとかAIだとかのコースを
Web経由で受講できるのです。
それもハンドアウトや諸々の資料もダウンロード可能です。

私は現在、プログラミングのコースを閲覧していますが、
英語の勉強にもなるし擬似留学している気にもなるし、なかなか刺激的です。

ほんと、ネットにつながると何でも勉強できる時代になりましたね。

民主党の皆さん、国民の皆さん

願わくば、天木さんが書いた以下のブログが
全民主党員に、そして全国民に届かんことを。


◆天木直人さんのブログ
小沢民主党代表に伝えたいー小沢新内閣を提示して総選挙を戦え


個人的には、自分が一票を捧げる対象として
天木さんには議員の一人でいてほしかった・・・。

私は、蒲田で聞いた天木さんの真摯な演説と力強い握手を永遠に忘れない・・・。

梅田望夫さんを読み返す(3)


盆に取れなかった休みを、明日に回したおかげで
今週の土曜日から私は4連休(夏休み)を迎えています。

既に2日過ぎましたが、振り返ってみれば
「食う・寝る・読む・観る」しかしていません。
でも、ストレスフリーで快適なわけです。


さて、今回のエントリーでは前回の連休に引き続き、
継続して読んでいる梅田さん関係の本をレビューします。





今回読み返したのは梅田さんの対談本第一弾である『ウェブ人間論』です。


まず、個人的な評価ですが・・・。
評価:★★★★☆

私にとっての評価は四つ星で、非常に啓発されるような箇所がたくさんありました。
また、世代が私と近い平野さんが対談相手ということもあり、
議論の方向性も非常に楽しめました。
ただし、対談本だからしょうがないのですが、あるテーマについての話が
その場の雰囲気や質問などで「もうちょい深堀してチョーだい」と思う箇所が
幾つかあった点を考慮して星を一つ減らしました。

さて、この本の面白さですが、ウェブ進化に対して物の見方が異なる二人が、
様々なテーマについて思い切って踏み込んで議論しているところだと思います。
議論の途中で梅田さんがウェブ進化論では見せなかったような一面を出していたり、
平野さんが文学者としての柔らかい感性で様々な質問をしてみたりと、
読みどころ満載です。

ただし、対談本ですから、ウェブ進化論以上の最新情報についてはあまり出てきません。
その辺に期待する人がいたらこの本の趣旨はそこにはないことだけは申し上げておきます。


ブログであることをいいことに(私が編集者という意味)勝手に脱線しますが、
私は昔、平野啓一郎という小説家が好きではありませんでした。
平野さんは1975年生まれ、私は1978年生まれと年が近いこともあり、
デビュー小説で芥川賞をとった頃から注目していました。

しかし、デビュー小説の『月蝕』を読んだ印象が
「こいつ何言いたいんだ?ポストモダンの西洋かぶれか?」というレベルだったので
その後はしばらくご無沙汰でした。

ですが、最近、YouTubeで瀬戸内寂聴さん、美輪明宏さんの3人で
対談しているVTRを観て
「なんか昔に比べて大分優しくなったなぁ。
昔から知識豊富なだけに発言が知的で面白いなぁ」と再び興味が湧いていたわけです。
※芥川賞受賞当時の写真を見ればわかるように、
  昔は全てが敵(もしくは馬鹿)という印象を与える顔つきをしていた(笑)。
 
彼の評論や小説を最近、チョビチョビ読んでいますが、
常に冷静で言葉を一つ一つ選んで書いていくスタイルは非常に知的でスリリングです。
そのうち彼の作品はこのブログにも取り上げる予定です。


おお・・・かなり脱線した。

この本のレビューに戻ります。

本書において、梅田・平野両氏のネットの革命的潮流に対するスタンスは以下のとおりです。


梅田さん
⇒ウェブを中心とした社会変化は不可避であり、否応もなく巨大だから
  そんな潮流において個人はいかにサバイバルすべきかを最優先に考える


平野さん
⇒社会がよりよき方向に向かうために、個人には何が出来るのか、
  もしくは何をすべきかを中心に思考する

私の印象では、梅田さんは「荒波を乗り切るビジネスパーソンの思考」で、
平野さんは「荒波を凝視し、立ち止まって考える哲学者の思考」のような印象を受けました。
これはどっちが良い悪いではなくて、二人とも立ち位置がちょっと違うという意味です。


で、こういう前提に立つ二人が様々なトピックについて議論を進めます。
会話の中身は本書に譲るとして、以下は私が色々気になった
(私のアンテナに引っかかったという意味)言葉を列挙していきます。


・自分の絵が未来に残るためには自分より若い人たちが評価してくれなければならない
 →梅田さんが、ウェブ進化論にてこれからは自分より若い人と時間を過ごそうと決めたわけ

・作家でもアカデミックな世界の研究者でも、知ってる、ということだけでは、もう威張れない。
 ネットの検索機能を利用すれば、誰もがその知識にアクセスできるわけですし、
 瑣末な知識は網羅的な知識の小tょ腕はなくて、たまたま知ることとなった一知識でしかない。

・英語圏やフランス語圏というのは、ネット上の言語の大陸のようになっていくのかもしれません。
 その中で、日本は国民と言語が一対一対応しているがゆえにある種の孤立を強いられる
 可能性があります。
 →仕事でアメリカ行って自分もそう思った!!情報量の母数が圧倒的に違うし、
  仮に通訳を介すとコミュニケーション時間が英語が使える人の半分になっちゃう。
  ほんと、英語使えないのはまずいと思いました。

・僕にはどうしても、一個の人間の全体がそんなにしぁ快適に有益であるとは思えない。
 僕だってその内実は、他人にとって何の役にも立たない部分が大半ではないかと思う。
 だけど、その役に立たない部分も含めて僕であるし、それをふくめて人とコミュニケートし、
 承認されたいという願望はやっぱりあるんです。
 →ネットだけでつながっている関係は本当のコミュニケーションや連帯感を育むのか?
   実は個々人それぞれの利害ネットワークになってたりしないか?

・僕はネットは誰のためのものか、ということについて、こんなふうに思うんです。
 まず、人間が生まれた時に放り込まれたコミュニティというのは、その人が本当に
 心地よく生きられるコミュニティである保障はまったくないわけです。その齟齬のようなものが、
 家族の中にも、学校にも、地域にも、日本という国にもあり、物理的な大きな制約になっている。
 でもネットでは、自分がいたい場所が選べる。
 →サルトルが言うごとく「人間の存在は、本質に先立つ」んだよね。要は目的が分からない
   自分で選んでもいない場所に気づいたら放り込まれていたのが人間という存在。
   ネットはそこから脱出する一つのツールだということかしら。
   私は自身は「不条理でも与えられた現実を引き受けろ」という考えの持ち主で、
   他人が自分の現実から逃げるそぶりをみると「このヘタレが」と思ってました。
   しかし最近は現実を引き受けられなくて自殺していく人のことを考えると
   とりあえずは、自分がサバイブするために自分と同じ思考をする人たちを見つけるために
   その場所から逃走するのもありかなと思ってたりする。

・自分を語ることは、自分を知ることではあるんですが、同時に
 自分を誤解することでもあると思うんです。
 →確かに!!書いたり喋ったりした瞬間、それって俺だっけ・・・と思ったりしませんか?
  結構怖いことですよね。


・僕は最近、逆説的だけど「たかがネット」と考えることも大切かなと思うんです。
 「たかがネット」って言い方は、ネットの可能性を自ら限定するみたいだけど、
 やっぱりネットが生きる領域は情報までだと思うんですね。
 →このくだりは梅田さんの本音が出ているようで非常に面白い。
   ウェブの潮流をシニカルに見ると進化って言っても所詮、
  情報流通の仕方が劇的に変わっただけだろという見方もあるわけだしね。


上記のほかに色々と私の思考をインスパイアーしてくれるやり取りがあるのですが、
もう私の体力が持ちません。オネムの時間です。
ウルトラマンよろしく胸のタイマーがピッコンピッコンです。
このブログのシステム時計は2時ですが、
日本でブログを書いている私の時間はもう朝の4時です。


この本自体は非常に面白いので是非読んでみてください。
まだ購入されていない方はAmazonでどうぞ。






シュワッチ

2008年9月20日土曜日

佐々木毅さんの『民主主義という不思議な仕組み』を読む

あくまで私の限られた知識量に基づく個人的な見解ですが、
日本においてまともに政治のことを考えるのは非常に困難である気がします。
理由。それは日本にまともな政治について系統立てて分かりやすく語れる学者が少ないから。


大学時代から政治がらみの本は結構読んできたつもりですが、
私の中に発生する疑問に真っ向から答えてくれる学者というのは殆どいませんでした。
もちろん学会にはいらっしゃるのかもしれませんが、一般人が手に取るような本において
上記の要件を満たしたものは皆無に近いような気がします。


何といえばいいのかなー、TVによく出て頻繁に発言をしている学者さん含めて
皆、思いつきや自分の体験談の域を出てないような気がしてなりません。
議論の場面を見ていても、なんといいますか、話がかみ合ってないというか、
「あんたら、馬鹿じゃね?」と疑いたくなるというか・・・。

なんでかな、なんでかなと色々考えてきましたが、
共通の問題を考えるにあたってお互いが共有すべき学問的常識が
共有されてない、もしくは共有できないからなのではないかと最近感じるようになりました。

で、共有しようにもまともに共有するにたるべき本なんてないんだよね、おそらく・・・。

当然、共有すべき土台なしに、自分の考えや立場だけ語ったところで
何も深まりはしませんよね。だから結局、不毛な議論に終わる。


私は、政治に関して特に何かをコミットしようなんていう気は全然ありませんが、
すくなくとも知らない間に法律がバカバカつくられ、それが試行されることで
少ない給料から税金が天引きされるような状況に無関心ではいたくないと思っています。

自分の意思を超えた世界で決められたことが自分のみに降りかかってくるにあたって、
すくなくともその経緯くらいは、その決定プロセスくらいは知っておきたいと思う。

と、まぁ、いつものごとく話の枕が長くなりましたが、
最近買った本で、私を含む一般人が読んで共有して損はないと思われる一冊がありましたので
ご紹介しておきます。
私がこれまで読んだ本においてまともというか、すごいなと思った政治学者は
福田歓一さんと、この本の著者である佐々木毅さんの二人だけです。




評価:★★★★☆

政治体制とは、つまるところ権力者が一般大衆を
どのように統治するかという仕組みです。
その辺の思想的根拠などが歴史的に系統立ててまとめれれています。
良書だと思います。

良書という意味では★5つでもいいのですが、
私としてはDemocracyを「民主主義」と訳している品性が許せないので
星を一つ減らしました。

佐々木さんは元東大の大学総長までつとめたのですから
正しい日本語、学術用語を使ってほしかった・・・。


Democracyの意味

a system of government in which every citizen in the country
  can vote to elect its government officials
:

a country that has a government which has been elected
 by the people of the country
:

a situation or system in which everyone is equal and has the right to vote,
  make decisions etc:


Longman Dictionary of Contemporary Englishより




個人的には以下の本もお勧めです。
アメリカにおいて政治的な思想派閥はどうなっているのかを知りたければ是非読んでください。


悲しくも残酷なサービス

皆さん、以下のサービスをご存知ですか?

自分のブログの価値を値段で算出してくれるサービスです。


◆How Much Is Your Blog Worth
http://www.business-opportunities.biz/projects/how-much-is-your-blog-worth/


使い方は簡単で、上記のサイトにアクセスして、自分のブログのURLを叩くだけ。
そうするとこんな感じで結果が出てきます。

たとえば、小飼弾さんのブログだと・・・
Your blog, blog.livedoor.jp/dankogai/, is worth $918,506.58
となります。流石は人気ブロガーだけあって、そのサイトには高い値段がつきます。


それから、天木直人さんのブログだと・・・
Your blog, amakiblog.com/, is worth $163,716.60
これまた、読者が多いらしく高い値段がついています。


さて、肝心の自分のブログはというと・・・

映画『スタンド』を観た

エントリーの順番が逆になってしまいましたが、
こちらの作品は昨日DVDで見た映画です。

スティーブンキング原作で、TV向けに作成された
映画のようなドラマです。
VHSのビデオでは昔からあったんですが、
最近DVD化されたようです。

私はこの作品を大学時代にバイトしていたビデオ屋で
レンタルして一度見ています。

そのときに凄く気に入って、是非もっかいみたいな
と思っていたときにDVDを見つけたわけです。


大学時代から数えて、かれこれ10年くらい時間がたったわけですが、
今見ても色あせることなく、面白い映画だと思いました。

評価:★★★★☆


原作はもともとスティーブンキングが、
指輪物語の現代版オマージュということで作ったといわれています。
映画以上に面白いので、是非読んでみてください。

話自体は非常に長いので簡単にまとめにくいのですが、
大体こんな感じ・・・。

「生物兵器によって人類の大半が死滅したアメリカにおいて、
生き残っている人間たちがいた。彼らは各地に散らばっていたが、
大いなる力、善と悪それぞれのもとに集結する。
悪の元に集まった人間たちは善の元に集まった人間を抹殺しようとする・・・。
それぞれの存亡をかけた壮大な戦いが今始まる・・・」

あまり上手くないけど、こんな話です。
スティーブンキングの話の中でもかなり上位に来る面白さ。
文春文庫から全5巻組みで売っていますので、
映画を見たあとにかならず読みましょう。











※画像をクリックするとAmazonに飛ぶと思います。














映画『シャッター』を観た

本日、会社の帰りに例のごとく
レイトショーで映画『シャッター』を観てきました。

映画館到着まで、ポニョをみるかシャッターを
観るか悩みましたが、大雨ということもあり
「これはホラーだ!!」ということで
こちらにしたわけです。

この映画、左の絵をご覧いただければ
お分かりのように、奥菜恵が出演してます。
それも幽霊役で・・・。





そう、本当はハリウッドデビューした彼女が見たくて、この映画を選んだんです。

評価:★★★☆☆

ストーリー自体は日本人にとって馴染み深い「怨念」の物語で、ありきたりの印象を受けます。
結末も「あー、やっぱり」という、日本人なら誰でも読める展開となります。
そういう意味では大したことがない映画かもしれません。
しかしです、皆さん。幽霊役の奥菜恵がメチャクチャ怖い!!
その怖さだけで、私はこの映画に★を3つあげます。

私はもともと奥菜恵という女優があまり得意ではありません。
子役の時は非常に可愛らしい印象がありましたが、
大人になってからは何といいますか・・・魔性というか憑き物がついてるというか・・・
一言で言ってしまうと「こいつ、危ない」という印象がどうしても拭えませんでした。

藤田さんと結婚したときも、可愛そうだが長くは続かないだろうな、と思ってた矢先に
離婚しちゃうし・・・勢いあまって芸能界引退状態なっちゃうし・・・。

私が思ったとおりの展開をしてくれている女優、それが私にとって奥菜恵という存在でした。

ですので、彼女が幽霊をやったら怖くないわけがないんです。
そしてやっぱり怖かった・・・。

いるだけで怖いし、呪いの表情するとホント怖い。
久しぶりに背筋が寒くなりました・・・。

そういう意味では、この人、大した女優さんなのかもしれません・・・。



綺麗ですし、若いので更なる飛躍を期待したいところです。

※左の写真はシャッターのインタビュー時の写真だそうです。
  小柄だけど、眼力に溢れた美人さんですね。

2008年9月16日火曜日

梅田望夫さんを読み返す(2)


連休中に梅田さんの著作を読み返してたというのは、
幾つか前のブログに書きました。

今回のエントリーでは、連休の最終日に読み終えた
ウェブ時代をゆく』について感想をまとめようと思います。


この本のオビの部分には以下のように明記されている。

「前例の無い時代を生きるヒント満載の、懇親の書き下ろし。
『ウェブ進化論』完結篇!」と。



読み終えて、本当に完結篇だと思いました。
また、この本は梅田さんがその意図を明記しているように
福沢諭吉が書いた『学問のすすめ』の現代版であるといってよいと思う。
※前作『ウェブ進化論』は諭吉の『西洋事情』に相当といってよいでしょう。

ニュースを紐解けばお分かりのように、Webのインパクトは日本経済の
あらゆるところに影響を与えています。

今日のニュースではNHKがようやくテレビ番組のネット配信をするそうですし・・・。
携帯端末の動向を追っかけてみても、ネットの向こう側にはGoogleやAmazonが、
企業向けにはSalesforce.comをはじめSAP、IBMやDellなどの欧米の大手ベンダーが
着々とクラウドコンピューティング環境を構築しつつある。

更には、そのクラウド経済圏へのアクセス端末として

Microsoft、Google、Appleが三つ巴でモバイル端末経済圏を創ろうとしている。

※MSの場合、スマートフォン+Windows Mobile+SkyMarket(MSモバイル経済圏)
  Googleの場合、スマートフォン+Android+AndroidMarket(Googleモバイル経済圏)
  Appleの場合、iPhone+iPhone OS+AppStore(Appleモバイル経済圏)

モバイル端末ビジネスの主役は、もはや端末のキャリアではなく
モバイル経済圏を提供する企業が担うようになりつつあるのではないか。


このような「恰も一身にして二生」を生きなければならないような時代に
”いかに働き、いかに学ぶか”のヒントを読者に提供してくれるのがこの本です。

この本を一番初めに読んだのは、2007年11月のこの本の発売日です。
会社の帰りに購入し、その日のうちに読み終えました。
当時は「なかなか参考になる本だなぁ・・・」なんて軽い感想しかありませんでしたが、
今回は感想をまとめきれないほど、今後の自分の人生を考えさせられました。

このブログを書いている今も、正直、この本が投げかけてくるメッセージが引き起こした
自分の中の思考の波状連鎖を収拾しきれずにいます。

ここまでの記載内容を読み返しても、正直、支離滅裂な感がぬぐえません。
というか、支離滅裂なんだな。


おそらく、自分の人生で今が色々と考える時期なんだろうと思う。
梅田さんが本書のP189「30歳から45歳という大切な次期を無自覚に過ごすな」で
明記されているように、社会人にとってはこの15年が
自分の人生をあとで振り返ったときに後悔するかしないかの分かれ道なんだと思う。

そういや、私が尊敬する直属の上司もそんなこと言ってたっけ・・・。
「ここから2,3年がお前のキャリアで一番重要になるはずだ。だから勉強しとけ」って。

思えば、感謝すべき環境に自分はいるんだなぁ・・・。

いずれにせよ、自分の人生を自分で引き受けるためにも勉強は欠かせないな。

ほんと脱線で申し訳ないが、ドラッカーがネクスト・ソサエティで
たしか次のようなことを書いてたっけ。

「ネクスト・ソサエティは知識社会である。知識が中核の資源となり、知識労働者が中核の
働き手となる。知識社会としてのネクスト・ソサエティには、3つの特質がある。
1.知識は資金よりも容易に移動するために、いかなる境界もない社会となる。
2.万人に教育の機会が与えられるがゆえに、上方への移動が自由なしゃかいとなる。
3.万人が生産手段としての知識を手にいれ、しかも万人が勝てるわけではないがゆえに、
 成功と失敗の並存する社会となる。

これら3つの特質のゆえに、ネクスト・ソサエティは組織にとっても
一人の人間にとっても、高度に競争的な社会となる。」


よくよく読んでみると、梅田さんの結論もドラッカーが指摘していることと大差ない。
やはり、ヴィジョナリーには同じ情景が見えているのだろう・・・。


嗚呼、ほんと、取り付く島のない感想になってしまった。

私の知的生産ツール

今日は、最近私が仕事の生産性を向上させるために使用している
各種ツール群を紹介しようと思います。

紹介するツールは全て無償かつ
Webベースです。
参考になりそうなツールがあれば、
積極的に使用し、仕事を効率化しちゃいましょう。


◆Googleリーダー(RSS)
https://www.google.com/

Googleが提供するRSSリーダー。

以前はgooが提供するインストール型の
RSSリーダーを使用していたが、

自分が使用しているマシンが壊れた際、
それまで登録していたフィードが全部失われた。
それをきっかけに、全てのデータは基本的に
ネットの向こう側に置いておくことを決意した。
そのときに選んだWeb版のRSSリーダーがこれ。
デスクトップ以上の操作性に満足です。

RSSが拾ってくる1000以上のニュース記事を
自分の仕事や興味を軸に分類・整理するのが毎朝の日課です。




◆コモンズ・マーカー

http://commonsmarker.com/

ソーシャルブックマークっぽいサービス。
Webの記事を読みながら気になる箇所を
マーキングして管理・共有できるのがすばらしいところ。

基本的にはRSSで気になる記事は、
RSSのチェック機能で記事を分類しているが、
RSSの対象外の記事も結構ある。

そんなときは全てこのサービスで
気になる箇所をチョコチョコマーキングしてます。




◆Zoho
http://www.zoho.jp/

SaaS型で提供されるWeb2.0時代の
スーパー文房具。

統合オフィス機能、プロジェクト管理機能、
CRM機能、Wiki、チャット、その他いろんなサービスが
個人利用であれば無償で使えてしまう。
個人的にはGoogle Gearsより
優れてるんじゃないかと思っているサービスです。
オフィス向けサービスのダークホースなのではないかと
注目しているサービスです。

最近私は、このサービスの中にあるZoho Businessで
メールやドキュメント作成、スケジュール管理などの
プライベートな作業の大半を行っています。
もちろん仕事以外の内容についてですが・・・。





◆iKnow!ブックマークレット
http://www.iknow.co.jp/bookmarklet

英語学習サイト「iKnow!」が提供するサービス。
このサービスのすばらしいところは

英語のサイトをブラウジング中にサービスを起動すると、
各種単語をクリックしたタイミングで日本語の意味を
ポップアップ表示してくれるところだ。

このサービスを知るまで、分からない単語は
その都度、gooの辞書で調べていたが、
いまでは英語のサイトをブラウジングし、
このサービスを起動するだけとなった。

ほんとすばらしいの一言。




◆lino

http://linoit.com/


オンライン付箋紙を作ることが出来ます。

私はよく、サービスの登録をしたときのアカウント名や

パスワードを度忘れします。

そんなときにこのサービスは非常に便利。

Webをキャンパスに見立ててポストイット・付箋紙を

ペタペタ貼って情報をためていくことが出来ます。


2008年9月15日月曜日

映画『魔法にかけられて』を観た

ほんと、この連休は本と映画しかなかった・・・。
やろうとしていた部屋の整理も結局はやらずに
読書に勤しむ体たらく・・・。

というわけで、連休中3本目となる映画は
魔法にかけられて』です。

うちの奥さんが前々から観たいといっていた作品を
DVDで借りてきました。

この映画はおとぎの国から飛び出し、現実の国にやってきた
お姫様が現実の世界で色々な経験をするというお話です。



ディズニーよろしく、愛と勇気と感動にあふれており、家族で楽しめる作品となっています。

一応あらすじはこんな感じ・・・。
「お話は、アニメーションの美しいおとぎの世界。
アンダレーシアの森の奥深く、動物たちと暮らす一人の美しい娘がいました。
彼女の名はジゼル。
ある日、運命の出会いを果たしたジゼルと王子は結婚することになりました。
しかし、王子の継母のナリッサ女王は、自分の玉座を奪われることを恐れ、
ジゼルを騙して井戸の底へと突き落としてしまいます!
-「“永遠の幸せ”などカケラもない所へ行くがよい!」
井戸の底に落ちるうちジゼルの身体は“アニメーション”から“実写”へ変化してしまいました。
戸惑いながらもジゼルは光が差し込む重い扉を押し開きます。
なんと、そこは優雅でロマンティックな“おとぎの国”とは正反対の
“現代のニューヨーク”だったのです!」


評価:★★★★☆


映画の主人公ジゼルは現実世界に出てきても、アニメーションの世界の力があるようで、
お部屋で歌を歌うと、動物たちが寄ってきたり、周りの人を幸せにしたりと
ディズニー的な幸せにあふれた映画です。
私は最初の30分で、この話がどうなるか読めちゃいましたが、
それでも楽しい作品だと思います。
※うちの奥さんは私の読み筋はありえないと言っていたが、
  まさに私の読みどおりになった。


私はこれを観て、メグライアン主演の『ニューヨークの恋人』を思い出しました。
これまた素敵な作品ですので、まだ見てない方はご覧になってみては?

映画『クローバー・フィールド』を観た


どうやらこの連休は、
映画と読書と部屋の掃除で終わりそうだ・・・。
ということで、前回のエントリーに続き、
今回も映画についてのエントリーです。

今回見た映画は『クローバー・フィールド』です。

これは、昨日、パコを見終わった帰りに
TUTAYAによって借りて帰った映画(DVD)で、
昨日の真夜中に観ました。




この映画、本当は映画館で見たかった作品なのですが、見る機会を逃してしまい、
今回のレンタルにいたっています。

当初、前評判も何も知らなかったので、一種のパニックムービーだと思って期待していたのですが、
期待は色んな意味で裏切られることに・・・。


評価:★★★☆☆


まず、この映画のストーリーですが、ニューヨークの深夜に突如エイリアンがやってきて
町を滅茶苦茶にします。そのニューヨークで、ある人物がパーティーを催しており、
その人たちに起こった数時間の悲劇がホームビデオ越しに語られていくという内容です。

この映画が私にとって斬新だったのは、ストーリーの語られ方が
すべて、ホームビデオ越し、というか「映画の中の撮影者」の視点であることでした。
えー、おまえこんなときにもホームカメラ回しちゃうのかよ?というところまで
全て視点がホームカメラであると言うのは面白かったし、斬新でした。

斬新と言う意味では、乙一著の『夏と花火と私の死体』を読んだときの印象に近いものがあります。


ただし、映画の中の撮影者の視点ですべてが語られるわけなので、
映画を鑑賞する我々の立場からすると~~~~~が不満に感じたりもします。

~~~を書くと、かなりネタばれなので書きません。

いずれにせよ、映画好きなら一度観てみて損は無いと思います。

週末にいかがですか?

映画『パコと魔法の絵本』を観た


連休2日目、奥さんと一緒に
『パコと魔法の絵本』を観てきました。

評価:★★★★☆

邦画にしては非常に楽しめる作品でした。

この作品、俳優陣が非常に豪華です。
そして、皆さん演技が非常に上手。
見ているほうも自然と感情移入が出来ます。

俳優陣、全員が光っていましたが、
特に目を引いたのは役所広司さんと阿部サダヲさん。
二人をこの役にしたのは監督のベストチョイスだったと思います。

パコ役のアヤカ・ウィルソン(?)ちゃんも、非常に可愛らしく映画のプロットを引き立たせる役を
十二分に果たしていたと思います。

あと思ったのが小池栄子さん。
昔はグラビアアイドル出身で、巨乳が取り柄のただの馬鹿だと思っていましたが、
今では非常に輝く”女優”に成長されたと思いました。
カンブリア宮殿なんかみても、非常に知的で素晴らしい女性になったと思います。
この調子で頑張ってほしい女優さんの一人です。


ストーリーはというと、会社を成功させるために人生の全てを捧げて
他人を信じることが出来なくなったおじいさんと、
不幸な事故により記憶が1日しか持たなくなった少女パコちゃんの交流を通して
人が生きるために本当に大事なものは何かを考えさせてくれるお話です。

この話を観ていて、私はチャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』を思い出しました。

意外と涙もろい私としては、
「ワシは、あの子の心の中に生きたいんだよ・・・」
と言って泣く別所さんを見て嗚咽しそうになりました(苦笑)。

2008年9月13日土曜日

梅田望夫さんを読み返す(1)


日本では今日から3連休が始まります。
8月に夏休みを取れなかった人たちは
この連休に有給をプラスアルファして、
夏休みを楽しんでいることでしょう。

せっかくの連休ですから、体を壊したり事故にあったりして
楽しいはずの休みを台無しにすることがないように
してほしいと思います。

さて、私はというと会社のトップマネジメント向けに
チーム一丸で行った
次世代○○の提案みたいな大会議で精魂を使い果たし、
かつ今の60代近くのトップマネジメント層と我々30代近くの
リーダー層間で市場動向の見通しに埋めることの出来ない
断絶(認識のギャップ)をまざまざと見せつけられ、全ての気力を一時的に失い、
いわゆるモチベーションゼロの状態で連休を迎えたわけです。
※ほんと今週はそういう意味で働くのが辛かった・・・。


そんなこんなで、とほほの状態ですが、せっかくの連休ですので
ゆっくり本や映画でも観て思索でもしようかと、昨日の夜から
ある著者の本をまとめて読み返しています。

その著者というのが、ブログのタイトルにもなっている梅田望夫さん。
梅田さんの著作は「ウェブ進化論」から比較的最近出版されたの「私塾のすすめ」まで
全て購入して読んでいます。
ウェブ進化論については、以前ブログにも感想を書きました。

で、今あらためてこの『ウェブ進化論』を読み直しているのですが、
今の方が以前読んだときより記載されている内容にも、
梅田さんがこの本を書いたときの覚悟にも共感できるような気がします。
それは、今年6月に行って来た米国シリコンバレー出張での衝撃や、
最近仕事で話す機会のあったSalesforce.comやGoogleの
エンジニアの影響が大きかったためでしょう。

読み終えて、改めて梅田さんから勇気付けられたような気がします。

思うに、この本が「私にとって」勇気を与えてくれる理由は、
この本の深層底流に梅田さんの思想・生き方宣言が奏でられているからだと思う。


自分の嗜好や哲学を追求し、シリコンバレーに渡る。
そしてそこで起こっている革命的なまでの
Web世界における地殻変動を目の当たりにする。
地殻変動の意味を認識すべく、
生活をどっぷりとWebに浸してみるなどの実験的研究へのチャレンジ。
Webと人、人と人とのつながり、Webと人と経済などの思索。
色々トライした結果としての自分の新活動宣言。

存在としてはちっぽけな一人の人間が、今起こっている変化を丸ごとうけとめ
自分を変えようとしていくプロセス。そして先人の責務として若者への励ましとエール。
そのメソッドとしては、シリコンバレーで培った方法論的楽観主義を実践するなど、
今読むと梅田さんの哲学がヒシヒシと伝わってきます。
そういう意味では、私にとってこの本は非常に真摯な思いで書かれた哲学書です。


巷では、梅田さんを楽観主義者として「世の中そんなに甘くない」と
お叱りをする人もいるようだけど、それは梅田さんの意図を誤解しているだけだろう。
読めば分かるけど、梅田さんはウェブ万歳論を唱えている馬鹿ではないよ。
ものの見方が非常にシャープで、希望を胸に抱きつつも
実はペシミストなんではないかと思ってしまうくらいだ。
その意味では梅田さんの勇気をこの本には見出すことができる。

本人も明記されているように「粗さがしからは何も生まれない」んだ。
まともな大人であれば、”オプティミズムに支えられたビジョン”で
若者を叱咤激励すべきだろう。
このご時勢、変化しないことが最大のリスクであるのは自明の理なのだから・・・。



梅田さん本人に届くかどうかは分からないが、最大限の感謝をこめて
ウィトゲンシュタインの以下の一節を引用して結びにかえようと思う。

「思想に値札をつけることができるかもしれない。
値段の高い思想もあれば、安い思想もある。
さて思想の代金は、なにで支払われるのか。
私の考えでは、勇気によって。」

2008年9月7日日曜日

次期総裁選の行方

今回は珍しく政治のお話。
と言っても、ここでは私個人の政治信条を述べるわけではない。
そもそも、私自身特別な政治信条なんて持っていないといったほうが正しい。

個人的に政治家には、なるたけ誠実であってもらいたい、とか
国家トータルで観たときに合理的な判断をしてもらいたい、
くらいしか依頼したいことはない。

しかし、そんなことも大衆の妄想だということも分かっているつもりだ。
マキャベリが政治の本質を喝破したように「政治の本質は悪」なんだよね。
要は近代政治学の定理である「権力は腐敗する、絶対権力は絶対腐敗する」んだ。

でも大衆というのはその大半が馬鹿だから、そんなことは分からず
人気投票みたいなかたちで国民を支配する階層を選んでいく。

そもそも皆、民主政という仕組みの理解が間違っているのではないかと思ってしまう。
あくまで「民主政」というのは、自分たちを管理・指導する人間(統治者)を
自分たちの中から一定のルールに基づいて選出する仕組みをいうはずでしょ。

でも日本はこの制度をなぜか「民主主義」として、勝手にイズムとして誤解している。
人民のためになる(イズム=主義)政治制度と思ってたりしませんか?

違うよね、たぶん?

巷では次期総裁選の話題が盛り上がってるし、
前首相の福田さんの辞任発言をメディアが取り上げてお説教くれている。
だけど、やっぱり馬鹿なのはメディアとそれに踊らされる国民だよ。

そんなことを考えてたら、私が常々ウォッチしている
副島さんが9月2日付けのブログで、
今回の辞任騒動と次期総裁選の行方について発言していた。

以前もブログで書いたが、副島さんの発言は
多少トンデモがかっている感じはするが
全体的に非常に誠実で合理的だと思う。

おそらく次期総裁選のシナリオも当たるのではないか?

このサイトを訪れた皆さん、是非以下の記事を自分の目で読んでほしい。
その意見に賛成、反対するにしても多角的に情報を集めて
自分の頭で考えること。
これこそが重要なのではないか?


◆副島さんのブログ
http://www.snsi-j.jp/boyaki/diary.cgi

◆天木直人さんのブログ
http://www.amakiblog.com/archives/2008/09/07/#001122

2008年9月6日土曜日

デトロイトメタルシティを観た:それは甘い甘い♪


先ほど、レイトショーで松山ケンイチ主演の
「デトロイト・メタル・シティ」を観てきました。

評価:★★★★★

爆笑シーンあり、心温まるシーンありの
エンターテイメントMovieです。

最近、あまりやる気が湧かずにいましたが、
この映画からかなり元気をもらいました。



それにしても、主演の松山ケンイチは凄い。
その演技力に脱帽します。

田舎の夢見がちなカマっぽい青年根岸君と、地獄の使者クラウザーさんを
天才的に演じきってました。

今年の日本アカデミー賞主演男優賞は彼で決まりだな。

それから脇役陣が光っていた。
ロバートの秋山もかなり変体かかっててよかった。

それから、個人的には好みではないが
加藤ローサちゃんも非常に可愛らしく映画にフィットしてました。

そして、松雪泰子演じるデスレコーズの社長、これが良かった、かなりきてる!!

映画のプロットも良くできているし、俳優陣も怪演してくれるし、
至れり尽くせりの傑作だと思った。


映画観ていて個人的に意外だったのは、
デスメタル系の曲や、一見寒くて馬鹿唄に聞こえる
オシャレ系ポップソングも聞けちゃうということだ。

~♪ムーンライトシャド~♪
とかも聞けちゃったりして・・・。


いずれにせよ個人的にかなりお勧めの作品です。
ぜひとも映画館で堪能してくれ!!

2008年9月4日木曜日

コモンセンス?あるいは常識の由来(2)

さて、前回のエントリーで最近よく分からなくなった旨をグダグダ述べました。
自分が言いたかったのは、ある意味、もうこういう問いかけ事態が
意味をなさないかもしれませんが、つまりこういうことです。

日本人の共同価値観(共同幻想と言い換えてもいい)ってとっくの昔に崩壊してね?

ということです。


思うに、共同価値観(共同幻想)というのは、
あるメンバーがある共同体(コミュニティ)において
多少の差異こそあれど基本的には似たような情報を
仕入れて生活しているところに成り立つ仕組みなのではないでしょうか?
もちろん、ここでいう情報は人間が生活する際に行われる
全ての事象をひっくるめた広い意味での情報です。

共同体で行われる行動が長い時間をかけて
常識や伝統として昇華していくのだろう。
もちろん、昔から共同体の常識や伝統が
どうしても我慢できない人はいたでしょう。
しかし、自分と同じ意見を持つ人間が他にいることを
知る・知らす手段がいまよりずっと少なかったため、
共同体の中で燻っていたり、場合によっては
村八分みたいになってたんじゃないかな?

でも時代は進み、今はネットを通して色んな価値観や情報を
大量に浴びることが出来る時代になりました。
浴びるだけではなく発信も出来、互いに繋がることもできる。
言葉の問題をクリアできれば、国境を越えたコミュニティさえ創れます。

そんな時代に、これまでの価値観なんて通用しなくて当然だよね。
もちろん、過去が全て駄目なんていう話は無く、
人間として本当に必要とされるものについては継承されるでしょう。
けど、絶望的なまでに異なる情報を浴び続けたこれからの人間が
本当に必要なものについて合意するのは容易いことではなくなるような気がする。

グダグダ書いてるけど、今いる会社がそんな感じだ。

曰く「これまでやってきて利益でてるんだから、何で変える必要があるんだ」とか
会社のトップが言ってたりする。
世の中や市場が変わっているのがまったく理解できてないにも拘らず
経営トップとして君臨する。なにもこんな状況は自社だけでなく
日本ならどこも変わらないでしょう。

自分の専門である教育についてもそうですが、
「魚を食いたい人に対して、いくら肉の素晴らしさについて語ったって意味は無い」んだよ。
本人が変わる気ないんだから・・・。

・・・って、最近仕事で無力感を感じてたりする。
それと同時に、私がその発言を追っかけている
シリコンバレーの江島さんがおっしゃっていたことを思い出した。
「シリコンバレーの魅力は正しいことが正しいことだ」

こんな環境で働いて見たい・・・。

コモンセンス?あるいは常識の由来(1)

皆さんは考えたことがありますか?

今持っている自分の価値観や美意識、そして一般的な人類が持っている
常識(コモンセンス)というものがどこからやってきたのかを。

また、人が自分の周りで起こっている様々な事象を
限りなく冷静に、出来るだけ客観的に捉えることが出来なくなる
理由と言うのは何故なのだろうかということを。

さらに、異常や正常、正しいと正しくないを判断する定義ってなんなんだろうかと。


私は最近このようなことを考える機会が増えましたが、
いまいち腑に落ちる、もしくは自分で納得できる説明を
見つけられないでいます。

そういう意味で、自分の中の価値判断軸が
最近揺れている気がします。
もちろんそのせいで人格崩壊の危機が
自分に迫っているわけではありません。
その点はご安心を。

2008年9月1日月曜日

本格的にロジカル・シンキング

今日、親友と別れたあとで新横浜の本屋にいって本を買ってきました。

最近、自分の部下やチームメンバーが作成するレポートのロジックを
指導する機会が増えており、その際、どのように説明するのが
一番相手にとって効果的か?ということを考えていました。

いわゆるロジカル・シンキングをいかに身につける、
もしくは身につけさせるかということです。

そんなことを考えながら本棚をぶらついていたら
懐かしい本にめぐり合った。

そう、これぞ私のロジックや思考を鍛えてくれたベーシックな教科書!!
その辺に売っているビジネス書のロジカル・シンキングなど
足元にも及ばない良くできた本!!

ということで、それらを紹介します。

論理学 野矢茂樹
私が大学時代に買った懐かしい本です。
私が言語学に興味をもつきっかけになった1冊です。
いわゆる論理というものの本質を教えてくれる本です。
















論理トレーニング 野矢茂樹

上記①をベースにした練習問題です。
実はこの本、最近、新版として内容が一新された。
これも大学時代に買ってはいたが、改めて学習を決意し
買いなおしました。いい本ですよ。

















論理トレーニング101題 野矢茂樹

上記②を更にパワーアップしたような問題集です。
私が尊敬する評論家、佐藤優さんお勧めの1冊です。
佐藤さん曰く「これをこなせば世界に通用する論理力が身につく」
ようなことを書いていました。
私は買ってなかったので、早速購入しました。

















それから、補足としてロジカルとは何だということを
勉強したければ以下の本もお勧めです。
数学や論理学の本質がよく分かる良著です。

入門!論理学 野矢茂樹
数学嫌いな人のための数学 小室直樹

凡人が悔し泣きすることの傲慢さについて

大分前に書きかけたエントリーが、
ほったらかしになっていたので本日Upすることにしました。


グダグダ書くのも面倒なので結論から先に述べると
「(努力もしてない)凡人の悔し泣きは傲慢である」ということです。

私は「人材の育成」というのを職業にしている関係上、
色々な方の成長というシーンにお付き合いしてきました。
色々やって早8年。ここ2,3年は社会人の新入社員を面倒見る機会が増えました。

そんな中で気づいたことが1つあります。
男性も女性も私が思ったよりもずっと
容易く悔し泣きするという事です。

たとえば、何らかのドキュメントをレビューした際、
優しく幾つかの指摘をしただけで泣いたり(これは女性)、
お客様先プレゼンのリハーサルで、
話にならないプレゼンをした男性を「お客様にそれでは失礼だろ!!」
ってしかったら泣いたり(奴は準備を怠っていた)・・・。

相手が涙を流すと、こっちは正直ビックリします。
よくよく話を聞くと「自分の至らなさが情けなくて・・・」
といってウッウッ・・・といって泣いている。

はっきり言いますが、こういう類の涙はみっともないだけで、美しくありません。
なぜならこういう泣き方というのは自分に同情している泣き方だからです。

自分に対して同情という名のベクトルを向けて
涙を流す姿というのは本当にみっともないと思います。
ノルウェイの森にもありましたが、自分に同情することほど
悪臭が漂う行為は無いのではないでしょうか?

涙を流している自分を冷静に見つめたときに、
その自分は何かを成し遂げてきた自分なのかを
冷静に見つめなおして見るべきです。
上記のような悔し泣きをする輩は、何もやってないんだよ。
もしくはやったつもりになっているだけなんだよ。

こういう泣き方が許されるのはせいぜい高校生までだと思います。

まともな社会人であれば、悔し泣きなんてするな!!
自分に対して怒れ!!で、その駄目な自分を引き受けろ!!
んでもって、そんな自分をして先に進め!!!

それが、自分を指導してくれる人に対する最高の報いであると私は信じています。


自分への同情は退歩の始まりです。
北京オリンピックをみて、特にそう思いました。